●top>2017年議会会議録(塩見まきこの質問)

会議録(塩見まきこの質問)

2017年3月議会

平成29年第1回定例会(第2号) 本文




◯中谷尚敬議長 最後に、15番塩見牧子議員。
             (15番 塩見牧子議員 登壇)



◯15番 塩見牧子議員 お疲れ様です。今回は、生駒市の情報公開の姿勢についてと、基金運用についての二つの項目について質問いたします。
 まず、1項目めの、生駒市の情報公開の姿勢についての質問でございます。
 生駒市行政経営会議の議事録を平成27年12月に情報開示請求いたしましたところ、パソコンのファイルの中にはあるけれども、職員の個人的備忘録にすぎず、行政文書には当たらないとして、平成28年1月7日付けで文書不存在と処分され、私自身が異議申立てを行っておりました件で、本年2月6日、生駒市情報公開及び個人情報保護審査会(以下、「審査会」と称します)から不存在とした処分は違法であり、処分を取り消した上、改めて本件会議録の開示又は不開示を決定すべきであるとの答申が出されました。
 審議会答申では、生駒市情報公開条例における行政文書の解釈を市が誤ったことを指摘されているわけですが、市はこの答申についてどのように受け止めておいででしょうか。また、処分を受けて、今後、市は本条例を適正に運用するため、どのような対策を講じるのでしょうか。
 次に、2項目めの、基金運用についての質問でございます。
 平成27年12月定例会において、国債等公共債を活用しての基金の一括運用、長期運用の導入について質問いたしましたが、その際、現在の預入れのみによる運用と比較して検討を行うとの前向きな答弁を頂きました。その後の検討結果についてお伺いいたします。
 また、公共債による運用を行う場合、具体的な課題と、その課題解決のために必要な手だては何だとお考えでしょうか。
 登壇しての質問は以上で終え、次からは自席にて行います。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。
             (小紫雅史市長 登壇)



◯小紫雅史市長 それでは、塩見議員の、生駒市の情報公開の姿勢についての一つ目の問いにつきましては私から回答いたします。
 今回の異議申立てについて開示を求められた記録、これにつきましては、先ほど少しご紹介もございましたが、行政経営会議に同席をしていた職員が個人的な備忘録として作成をしていたものを、その課員がパソコンのいわゆる共有フォルダで保存・管理をしていたものというのが事実でございます。
 当該記録につきましては、作成者が、例えば出席をしていたメンバーにその議事録の発言内容について確認をとるというようなことをしていたわけではなく、実際にそれを利用したり、出ていたメンバーに配布をしたというようなこともなかったことから、市としては情報公開条例に規定する、いわゆる組織的に用いるものではないと判断して、行政文書として存在するかどうかという意味では行政文書としては存在しない、個人的なメモであるということで決定をしておったわけでございます。
 しかしながら、生駒市の情報公開及び個人情報保護審査会の答申では、職員が備忘録として作成したデータであっても、それが実際に組織で利用されたかどうかではなく、職場のパソコン内の共用で利用できるフォルダに保存され、関係職員なら誰でも利用できる状態であった場合はその組織共用性が認められるとのご判断がございました。
 実質的に、先ほど申し上げたように、利用したり配ったりということではないということでございますので、この文書については個人的なメモというふうに考える余地があるかなというふうに判断をしておったわけですけれども、審査会においては、例えば共有フォルダに保存・管理をされていて、他の人も見ることができたというような面が重視され、これは行政文書であるというご判断がなされたものと理解をしております。このご判断については市としても理解できるものであり、この結果については重く受け止めなければいけないというふうに考えております。
 今後につきましては、個人的なメモとは言え、先ほどの審査会の記述にもありましたように、職場のパソコンで作成をしている、そして、詳細な議事録のような内容の文書、ましてや共有フォルダで関係者と共有できる形で保存している、このような場合、これは行政文書だと言わざるを得ないということを改めて職員全員できちんと周知徹底するということ、そして、その前提に立って、文書の作成であるとか管理について、もう一度、考え方を役所の中でしっかりと整理をしていきたいというふうに考えております。
 もっと申し上げれば、そもそも論として言えば、現在は、各種の打合せとか会議、そもそもこれの記録をとるのか、とらないのかとか、議事録が要るのか、議事要旨でいいのか、そもそも何も要らないのかなどをしっかりと整理でき切れていない部分があるかと思っております。目的が明確でないまま、必要性の低い記録を作るようなケースも散見されることから、組織としては、こういう文書、情報の作成・管理等に関する取扱い等をしっかりと方向付け、これを周知徹底していくということ。これらの取組を通じて、より一層、条例の適正な運用に努めるということが大切かと思っております。
 生駒市長として申し上げれば、可能な限りの情報公開をしっかりと進めるべきであるという立場に私は立っておりますので、条例の目的である、市政に関する市民の知る権利を尊重し、実施機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって、市等の諸活動を市民に説明する責任が全うされるようにするとともに、市民の市政への参加を促進し、公平で開かれた市政を推進する、この目的をしっかりと進めるべく、今回のご判断も受け止め、文書作成・管理の適正化、及びそれを受けた適切な情報公開に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。



◯中谷尚敬議長 今井総務部長。
             (今井正徳総務部長 登壇)



◯今井正徳総務部長 続きまして、2番目の基金運用についてお答えさせていただきます。
 まず、平成27年12月の定例議会以後の検討結果についてでございますが、翌年の平成28年2月10日に生駒市公金管理運用委員会を開催し、検討を行いました。この委員会は本市の公金管理について、安全かつ効率的な公金管理運用について検討する機関でございまして、委員長に副市長、副委員長に会計管理者、委員に各部署の職員で構成しております。この委員会で、公金の国債等での運用について等、金融機関による公金運用についての講義を受け、その後、今後の公金の運用方法について検討を行いました。
 まず、金融機関からの講義については、1、世界の金融市場の動き。これは日本、アメリカ、ドイツでございます。二つ目として運用資産ごとの特徴。これは債権、株式、預金。三つ目が債権での運用。そして四つ目、ご指摘がございました大分県国東市の債権運用の内容。そして、五つ目として、債権運用を行う上での留意点、主なリスクでございました。
 特に運用資産ごとの特徴については、債権は流動性が高く、元本の償還時期、利回りが確定している反面、信用度が高いものは収益性が低く、中途売却時に売却損が発生する可能性があるとのことでした。一方、預金は流動性が高く、一定額までは元本が確保されるが、収益性については債権や株式に比べて低いとのことでした。また、金利水準、これは平成28年2月5日時点でございますが、国債については3年、5年、7年物は−0.206から−0.137%で、10年物からプラスとなり、0.027%となるとの説明でございました。さらに、変動要因として景気、株価、物価、為替、金融政策、海外要因、需給があるとのことでございます。
 次に、大分県国東市の債権運用の内容についてでございますが、債権運用の内訳としては、国債、地方債、政府関係機関債のうちでも超長期、20年物が50%以上あるとのことでございました。
 次に、債権を運用する上での留意点でございますが、元本保証については満期まで保有すれば元本が100%償還されるが、預金のように元本保証の商品ではない。また、価格変動リスクについては、債権を発行する国や企業の財務状況の変化によって価格は変動し、途中売却した場合、売却損が発生する可能性がある。また、期間の長い債権ほど価格変動幅が大きいとのことです。また、デフォルトリスクについては、状況次第では投資額が全損する可能性がある。流動リスクについては、売却時に買い手が見つからず、理論的に適正な価格で売却できない場合があるとのご説明でございました。
 このような説明を受けた後、今後の公金の運用方法について検討し、結論といたしましては、公金管理指針に基づき、1、安全性、これは元本の確保。2、流動性、これは想定外の資金ニーズに応える。3、効率性、高金利を勘案し、かつ現在の金利を勘案した場合、金融機関での大口定期が最も適切である。したがって、現行の運用を、これは預金でございますが、続けることを確認いたしました。しかし、情勢の判断は必要でございますので、今後も研修等に参加し、検討を進めていくとのことになりました。
 その後の研修参加については、地方公共団体における資金管理運用について等、計3回、職員が参加しております。その結果は、現状では債権等での公金運用を行う時期ではないと判断し、運用方法の検討は行っておりません。
 次に、公共債による運用を行う場合、具体的な課題と、その課題解決のための必要な手当は何かとのご質問ですが、先ほどの答弁と重複する部分がございますが、課題といたしましては、満期まで保有すれば元本が100%償還されますが、預金のように元本保証の商品ではない、債権を発行する国や企業の財務状況の変化によって価格が変動し、途中売却した場合、売却損が発生する可能性がある、売却時に買い手が見つからず理論的に適正な価格で売却できない場合があるなどでございます。
 資金運用には様々な金融商品があり、安全性及び流動性を確保した上で効率的な公金管理を行うため、今後も研究、検討し、有利な金融証券を見定めていくことには変わりございませんが、公金を扱う以上、元本保証がないことや、現金化したい場合の対応などからして、現時点では現在の預金での運用が最適と考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 では、最初に二つ目の基金運用の方から先に追加で質問させていただきたいと思います。
 しっかりと検討すると言ったお言葉どおりご検討いただいたようで、ありがとうございます。
 要するに、安全性と収益性のバランス、そこに流動性をどういうふうに捉えていくのか、そういうことを総合的に勘案した結果、今回はまだそういった情勢にはないということでのご判断だと理解いたします。
 今、本当に低金利ではございますし、その中でも、やはり投資のリスクを抱えてでも実際に運用しておられる自治体は実際にあるわけなんですけれども、それを行うには、やはりそれだけの運用に関する知識、ノウハウをお持ちの職員さんがいらっしゃらないと難しいのかなという印象を受けましたが、そういうことで間違いないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 先ほど大分県の国東市さんの資産運用内容、概略をご説明させていただきましたが、実際に国東市さんにおいても国債とかをずっと保有しているということじゃなしに、途中での売却、買ったり売ったりと。当然、そういったことになりますと、国東市さんにおいても、やはり相当にそういった状況にたけた職員さんがおられるというように聞いております。本市においてそういった職員を養成していくということも考えればいいんですけれども、なかなかやはり難しい面があるということでご理解をお願いいたします。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 国東市さん、買ったり売ったりということを繰り返して、本当に小刻みに運用しておられるということは、最初に、一昨年の12月に質問させていただいたときにもご紹介したとおりで私もよく存じ上げているんですけれども、今のところ、やはりそういった運用のノウハウをお持ちの方が我が生駒市では残念ながらまだいらっしゃらないということで、ちょっと市長にお伺いしたいんですけれども、今後、新公会計制度というところも始まりますし、本市において、そういったことに知識をお持ちの方を任用していくというようなお考えは市長の中にございませんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 新公会計制度などを見据えて、職員として採用するかどうかはともかく、そういうのにたけた会計士の方であるとか専門家の方にいろいろご指導いただきながらきちんと対応していくというのは、それは当然、考えていくべきことだと思います。
 国東市さんの取組というのは、ある意味、すごいと思っていますけれども、逆に言えば、リスクが仮に発生したときに市民の方とかにどういうふうに説明されているのかというところは、逆に私ももう少し勉強しなきゃいけないんですが、特に何度も売り買いをするような形の運用をされているというのは、正直、驚きで、比較的安定した元本が保証されているような長期のそういう資産を持って、そのままある程度置いておくとかということじゃなくて、売り買いまでやってはるというのはかなりすごいなと思って聞いておりますけれども、現時点で、やはりそこまではなかなか生駒市で対応できないなというのは、正直、感想、思いとしてはありますが、ただ、新公会計制度等に対応する人材等、まずはそこをしっかりと対応していく中で、具体的にご提起いただいているこの件につきましても考えていくということかと思います。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 まだこれからの課題というふうに受け止めまして、この件についてはここで終わらせていただきます。
 続きまして、1問目の情報公開の姿勢についてでございますが、市長の方にも、最初に情報公開条例の意義も述べていただきました。市の諸活動の説明の責務を全うし、市民の市政参加と公正で開かれた市政を推進するということを目的としている情報公開条例なんですけれども、市長の方からは、今回の審査会の答申を受けて、今後、共有ファイルの中で議事録としてとられているものは行政文書という扱いとして周知徹底するというふうにお答えいただきました。
 ちょっと気になりましたのが、この審査会からの答申を受けての市の決定書だったんですけれども、市の決定書の中には次のような表記がありました。ちょっと読み上げさせていただきますが、本件電磁的記録はその廃棄を個人の判断で行えること、及び会議出席者への正誤確認等、組織的な検討に付されておらず、その想定をしたものでもないことから組織的に用いるものには当たらないと考えていると。こういうふうに市からの決定書にはあったんですけれども、もう一度確認させてください。この決定書にはこういうふうに書いてありますけれども、そうではなくて、答申のとおり、電磁的記録も、パソコンの中に共用保存されていて共用性が見られるものであれば、これは個人メモとして扱わず、行政文書として今後もこの解釈で行っていくということで間違いないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 審査会のご判断というのが、今回はちょっと特殊なケースだったので、どっちになるのかなというところはありましたけれども、実質的には個人の文書と。ただ、形式的に見れば、他の人が自由に見れるような形の共有フォルダに入っていたということで、後者の理由が大きかったと思いますけれども、それで行政文書だというご判断であります。
 なので、そういう審査会のご判断がある以上、今後ももちろんそういうふうな決定と言うか、解釈で考えざるを得ないというのが市の判断でございまして、共有フォルダの中で他の人が自由に見れるというような形で保存したら、それは行政文書と判断される可能性が非常に高い確率であるということでございますので、それはそれで、先ほど申し上げたように、市としては理解ができる。なので、それを重く受け止めて、その前提で、今回のような配りもしないような議事録を作って共有フォルダに置いておくような、まず、情報管理的な意味もしっかり改善していかなきゃいけませんし、しっかりとその辺も踏まえまして、文書の作り方、管理の仕方から含めて、公開できるものはもちろん公開をしていくということでちゃんと対応していくということで、先ほど冒頭の答弁で申し上げたとおりでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 共有フォルダに置いてあることをもって行政文書であるというふうに今後は扱うということは理解いたしましたけれども、発言者の確認を得ていないことをもって行政文書には当たらないとして主張しておりました市の姿勢、これについてはいかがでしょうか、答申を受けて変わりましたでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 今のご質問は、この審査会の判断を受けて出した決定文書のことですか。
 そこにつきましては、これが行政文書であるということはそういうご判断にもちろん従うと。ただ、行政文書であるとして、じゃ、今度、それを全部出せるかどうかというと、当然、行政経営会議の議論の中で個人情報に係るようなものもありますし、いろいろあるので、普通であれば、例えば黒塗りする部分と出せる部分、両方あると思うんですけれども、今回、特殊だと申し上げたのが、先ほど申し上げたように、発言者に、これはそもそも誰が発言していて、どういう発言をしたかというのをきちんと確認していないと。このメモを作った職員が自分で作ったまま、非常に未熟と言うか、文章がつながっていないようなところもありますし、そういうような状態で残しているような文書をそのまま出すというのは、やはりそれは非常に問題があるということで、今回、決定書の中かな、先ほど触れておられましたけれども、発言者の確認をしていないというのもそうですし、そもそも誰が発言したのかというのは本当に正しいのかとか、その場で言ったものそのものなので、文章自体がつながっていないようなところもありますし、そういうふうな位置付けの文書であるというのは事実でございます。
 なので、行政経営会議の議事録だから黒くなって出しているということではなくて、単に行政経営会議の文書であれば一部は公開できるものもあるでしょうから、そういう形で、黒いところと白いところ、両方で出しているんですけども、今回に関しては文章全体が、発言をしている人の確認もとれていないし、文章としてつながっていないところもあって、議事録の体をなしていないというところが正直なところでございますので、そういう形で申し上げれば、今回は、議題、出席者以外のところは責任を持って市として出せるものではない、そういう判断でございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 そうやって実際に出されたのがこのように真っ黒な文書だったわけなんですけれども、ちょっと、今はやりの刻みのり状態なんですけれども。ただ、やはり審査会は、発言者の確認を得ていないですとか、あるいは決裁を経ていないということが行政文書の成立要件には当たらないというふうに述べておいでなんですよね。ですから、別に発言者の確認を得ていないからと言って、それが行政文書ではないからこれは出せないという、そういう運用は、やはりおかしいと思うんです。一つ一つの内容において、例えば個人情報が入っていたら、そこは出せないというのは私も理解いたしますけれども、こういう運用をしていると、行政が文書を作成しても、決裁さえとらなかったら意図的にその情報を伏せてしまうというようなこともできてしまうわけですよね。こういう運用を行うことで、果たして、最初にお答えいただいた条例の目的、市等の諸活動を市民にちゃんと説明できるのか、あるいは、公正で開かれた市政をちゃんと推進することができるのかという点において、やはり疑問があるんですけれども、もう一度、ご見解をお聞かせいただけますでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 発言者の本人に、こんな発言をしましたかという確認をとっていないというのも、それはもちろんあるんですけども、それだけじゃなくて、先ほど申し上げたように、その場でばたばたとったものなので、文章としてつながっていないだとか、本当に発言者が合っているのかとか、本人が聞き取れなかったところとか、そういうのもたくさんあるような、そういう文書なので、そういう意味では、そのような非常に不正確なものが出てしまうということで、やはりこれは市として、当然、議事録ということですから、この行政経営会議でそういうふうな議論があったんだというふうに思われてしまうというのは、それはやはり非常に問題があるということで、今回、全てそのような形で黒く塗っているということです。
 ちょっと繰り返しになりますけど、これが、そういうのじゃなくてきちんと作った議事録なのであれば、個人情報であるとか、今、公開にすることで市民とか社会に影響を与えるというようなところは黒塗りしますけど、それ以外のところは白で出していたと思いますが、今回は、そういうものではなくて、本当に確認のとりようがないというのは一つありますけれども、それ以外にも、今申し上げたような、その場で議論したものをそのまま、ある程度、正確に書いているかというと、全くそういう文章じゃないので、非常に不正確なものだということで出していないと。そういう特殊なケースかというふうに思っております。
 今後のことを申し上げれば、議事録というものは基本的に作らなくていいと思っておりますけれども、議題がどんなものであったかとか、例えばそのときに大体こういうふうな議論があって、こういう方向性だったとか、結論はこういう方向になったとかというものは、議題の性質とかそういうものにもよりますけれども、それは出せる限り、一定、議事要旨みたいな形で出していくということは考えたいと思いますけれども、今回は、今申し上げたような非常に特殊な、議事録のように見える非常に不正確なメモでございますので、今回は、非常に不本意ながら、先ほどのような黒塗りで出さざるを得なかったという非常に苦渋の決断でございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 もちろんそういう未成熟な情報であるという断りを申し添えられた上で情報を提供されたものはそういうものとして見ますので、これは私は伏せる理由にはならないというふうに考えます。
 市長も先ほどのご答弁の中で、ご自身の姿勢として、しっかりと情報公開を進めていくというようなこともおっしゃってくださっているわけなんですけれども、施政方針にも書いておいででしたけれども、市民のまちづくりへの参画を推進するには行政情報をオープンにして互いに共有していく必要がありますと。これは私も市長も、本当に共有できるところでありますし、これはオープンデータの関連で書かれていた文章ではありますけれども、この運用は、別に市民のお役立ちアプリを作ることにおいてだけではなくて、それよりももっと大事なことというのは、市が施策だとか、あるいは事業を行うに当たって、その過程において市民と行政とがお互いに情報を共有しながら、いろんな立場にある市民の皆さんの声を聞いていって、それを結果に向かって反映させていく、そうやって市民の納得を引き出していくというようなところが本当に一番重要なところで、そのためにも情報公開ということは市政の情報共有のための基本中のキだというふうに思っているわけなんですけれども、恐らくここの姿勢の部分についてはまだ市長との間で理解が深められないんですけれども、先ほど来、市長の方も、これからは会議の打合せの記録をとるかとらないかとか、そういうことはまだ整理できていないのでこれから固めていくというようなことをおっしゃいましたけれども、文書規程がありますね、生駒市、公文書規程ですか。すみません、生駒市文書取扱規程ですね、失礼いたしました。そこにはどのように書いているかと言いますと、第2条、事案の処理は文書によることを原則とする、こういうふうに書いていますよね。
 今までの運用をお聞かせください。会議等においてはどのような方法で記録をとって、とった後、どう処理をされているんでしょうか。この文書取扱規程ではどう処理しなければいけないことになっていますでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 ちょっとすみません、今の、事案の処理は文書によるのが原則というのは決裁とかのことを言っているんじゃないかと思いますけれども、決裁は紙で来ますので、そういうことだと思っておりまして、会合とか打合せの記録というものは、これまでは、基本的にはそういうものをきちっとした形で作っていないケースがほとんどだと思います。今回問題になっておりますように、個人的に議事録のようなものを作っていて、その管理等が不十分であったために非常に混乱をするようなケースというのが、今回、出てきてしまったんですけれども、そういう議事録とか議事要旨というものを何か打合せの度に全部作っているというようなことは基本的にはございません。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 職員メモも、やはりこれは行政文書だと。他市ではそれが当たり前の感覚でいます。ただ、情報開示請求をしたときに、その職員メモがどう取り扱われるかと言うと、これは職員のメモですということで、そこに添付される形で、それそのものはちゃんと決裁を経て公開されると。そういう体をなしているというのが、多分、よそで行われている一般的な運用じゃないかと思います。
 でなければ、今、森友学園のことも問題になっていますけれども、本当に過程が分からない、どういうやり取りがあったのか分からない、交渉記録が残っていないというようなことはこれまでにも本市でもあったんですけれども、結局、そういうことが分からないと、後になってから、その事業の妥当性を検証することができないわけです。でなければ、最終的に参考人を呼ばなきゃ何も分からないというようなことが実際に起こってしまうわけなんですよね。そういうことを防ぐためにも、やはり基本的には文書をもって処理していくということを本当に大原則としていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 文書取扱規程の「文書をもって処理」というのが、今、議員がおっしゃったようなことなのかというのは、ちょっと私、理解がし切れないところもありますけれども、いずれにせよ、先ほど申し上げたように、例えば行政経営会議でありますとか、議事要旨的なものを出せる範囲できちんと整理をして、例えばまとめて出していくというようなことが適していると思われる会議、打合せについてはそのような形で対応していくということかなと思います。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 公開そのものについては、先ほど来、まだ認識を共有できなかったので、これについては、新しく出来ました不服審査法に基づく審査をまた請求したいと思いますけれども、やはり文書取扱規程の方の処理も徹底していただかないと困るなというのが私の思いでございます。
 文書取扱規程の第20条、「文書の浄書は所管課において行うものとする。この場合において、浄書をした者は当該浄書をした文書を原議と照合しなければならない」とあります。これは本当であれば、職員が行政経営会議の会議録をパソコンに打ち込んだ、それをちゃんと浄書して、そして、きっちりとそのとおりで間違いないかということの確認を発言者にとりつつ、公文書にたえるような形にしておかなければいけなかったのではないんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 ここで書いてある浄書というのは、基本的に決裁であるとか、非常に正式な公文書みたいなものの、正に先ほど申し上げたような重要文書の決裁、公文書の決裁みたいなところの話であって、そもそも会合の議事録みたいなものを作るか作らないかとかいうのは、当然、その場その場の判断があるわけなので、例えば会議の議事録みたいなものがここに言うところの浄書すべきものに当たるかと言うと、それは全くそうではなくて、どちらかと言うと、決裁をとるべき公文書みたいなものをきちんとここで規定しているということで、会合の議事録というようなものは文書取扱規程の、今おっしゃったような第20条というようなところで定められている浄書というものとはまたちょっと違うものだというふうに私は理解しています。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 生駒市行政経営会議の設置目的ってどういうものですか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 ちょっと規程が今ないのでそのまま読めませんが。あるみたいです。
 設置目的。行政経営の観点から市の基本的な方針及び政策等について迅速かつ的確に判断するとともに、効率的かつ効果的な行財政運営を図るため、生駒市行政経営会議を置くということでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 今、読み上げていただきましたように、市の基本的な方針及び政策等について判断する場ですよね。しかもこれは、今読み上げていただいたように、ちゃんと生駒市行政経営会議規則まで定められているような会議であります。そういった市の基本的な方針や政策を決定するような重要な会議でありながら、会議録をとらないという選択はあるでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 ここは多分、見解が全く違っていて、私は、例外的な場合を除いて、議事録というものは作る必要は基本的にはないと思っています。それが行政経営会議であってもです。
 重要なのは、その場でどういうふうな議論の方向性があって、その結論としてどういうことがあって、次にすべきアクションというのがどういうことがあるかとか、そういうものをきちんと参加した人が共有できるということが一番大切なわけで、あとは、公開できるものにつきましてはきちんと整理をして、議事要旨というのがいいか分かりませんけれども、そういうものを作って、出すべきものは出すということが大切。議事「録」というところにこだわっておられるということであれば、それは私の考え方と違います。もちろん議事録を作るべき、議会もそうですし、作るということが決まっているようなものにつきましてはもちろんそういうふうな対応が必要だと思いますが、議事「録」というものを作るのは、当然、時間もかかりますし、目的が先ほど私が申し上げたようなことだということであれば、必ずしも議事「録」というものにこだわる必要はないと私は思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 この会議ね、今ここに座っていらっしゃる皆さんが出席されている会議ですよね、うちの事務局を除いて。理事者始め市の幹部で構成されているような、組織されているような会議で、市の基本的な方針や政策を決定するようなことを扱っている会議、そこにおいて、ここにいる、会議に出席していた人の中だけで共有されたらそれでいいという今のお答えを聞いて、私は、市長とはやっぱり考え方が違うわというふうに、今、考え方を改めました。やっぱり公開の姿勢は私と市長とで全然違うというふうに感じました。
 これだったら、やはり市民が、市の内部でどういった過程を経てその政策が決定されていくかということを知ることはできません。これで市民の知る権利が保障されているというふうには私には思えません。(発言する者あり)



◯中谷尚敬議長 小紫市長。簡潔にお願いします。



◯小紫雅史市長 先ほど私、ちゃんと申し上げています。中で出席をした人がそういう、先ほど申し上げたことを理解するというのが当然一つ。もう一つは、出せるものにつきましては議事要旨というような形できちんと整理をして出すというふうに先ほどきちんと答弁をしています。ちゃんと聞いてから質問をしていただきたいと思います。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 じゃ、これの会議録をとらないという選択は別にないんじゃないですか。



◯中谷尚敬議長 小紫市長。



◯小紫雅史市長 先ほど来言っているように、議事録というものはなくてもいいと思っていますが、例えば議題であるとか、その結論であるとか、次、どのようにアクションしていくのか、そういうものを整理して、出せるような形でまとめて、議事要旨のような形で、必要に応じて市民に公開していくということは当然ある、先ほど申し上げたとおりですけども、あると思います。議事「録」を作る必要は私はないと思っています。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 皆さん、市民の税金からお給料を得て、これ、会議も含めて仕事をされているわけですよね。その仕事内容が分からないというようなのは問題じゃないかと思います。これは私の意見として申し上げておきます。
 議事録、見出しだけ出していただきましたけれども、専決規程の改正だとか市民政策提案制度だとか、別にこれ、公開したって何の問題もないじゃないかというような、本当に機密なんかに当たらないものだと思うんですよね。なぜこれを伏せるのか、本当に理解し難いんですけれども、会議録も作る必要がないというふうに言われてしまうと、私、何も言いようがないんですけれども、本当は市の職員さんたちに、まず、情報公開条例について、その意義も含めてしっかりと研修をしていただきたいなと。そして、その後に、文書取扱規程の遵守を徹底するために、やはり研修をしっかり積んでいただきたいということを申し上げようと思っていたんですけれども、そういったことも、今、申し上げても無理なのかなというふうに感じざるを得ません。
 私の方は、当然、これに納得できませんので、後日、また行政不服審査法に基づく審査請求を行うことになろうかと思いますけれども、この行政不服審査法の審査会の委員さん、5人いらっしゃいますけれども、この委員さんの選考基準というのはどういったものでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井総務部長。



◯今井正徳総務部長 もちろん公平中立な方ということで、大学教授の方、弁護士さんで選んでおります。ただ、行政不服審査会ではなしに、文書についての情報公開に対する不服申立ては、今の情報公開及び個人情報保護の審査会で取り扱うことになります。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 変わりましたよね、条例改正で。この間までは情報公開及び個人情報保護法の審査会でしたけれども、今年度、28年の4月から、この会議録をしっかり開示してください、部分開示に不服がありますという場合には、これからは行政不服審査会の方で扱われるのではないんですか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 従来からございます文書の方の情報公開、個人情報については、今おっしゃっていただいた条例の中で適用除外しておりまして、今現行ある審査会で対応すると。以上でございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 いや、私、第1号になるかもしれませんと言って、行政不服審査会の審査請求のペーパーを担当課から頂きましたが、どうなんでしょうか。どちらに出すのが正しいんですか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 事務的なことになりますが、おっしゃっていただいている部分については情報公開、先ほどから申し上げています今のところと同じところで審査、諮問して答申いただくということになります。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 では、いったん、文書不存在という決定が取り消されて、新たに開示されたものが部分開示で、それに対して不服であるという場合においても一番最初のところまで遡るという、そういう運用がなされるということで間違いないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 いや、そういうことではなくて、手続的には行政不服審査法で扱うんですけれども、その条例では扱いますが、ただ、それに対しての不服を審査する部分、部署はどこですかとなった場合、先ほどから申し上げていますように、情報公開及び個人情報保護審査会の方で、情報公開に関すること、あるいは個人情報は扱うということでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 分かりました。審査の請求は行政不服審査会、でも、取り扱われるところは個人情報保護の審査会ということですか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 行政不服審査会というところで扱うんじゃなしに、行政不服審査法、それは行政不服の条例あるいは法では扱うんですが、それを審議する部門は行政不服審査会は通らずに、先ほどから言っています情報公開及び個人情報保護の審査会で扱うということでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 では、従来からと同じ委員さんで、開示について適当かどうかというところは審査されるわけですね。答申を出していただくわけですね。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳総務部長 そういうことになります。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯15番 塩見牧子議員 分かりました。
 もうちょっと情報公開に対する姿勢を共有できるのかなと思いましたが、不毛な議論に終わりました、残念ですが。
 ということで、ここでの議論はこれまでとして、また審査会の中で争いたいと思います。終わります。