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会議録(塩見まきこの質問)

2013年12月議会

平成25年第5回定例会(第2号) 本文




◯中谷尚敬議長 次に、11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 今回は、2つの事項について質問いたします。
 1つは、山下市長の任期最後の定例会でもあることから、市長マニフェストについて、私が課題を残していると考える政策形成過程における市民参加に焦点を絞って質問させていただきます。
 もう1つは、2000年の地方分権一括法の施行で国と地方公共団体の関係が対等とされ、地方公共団体の条例制定権が拡大しているにもかかわらず、いまだ要綱に依拠し過ぎている嫌いがあるのではないかという問題意識から、要綱の条例化について質問いたします。
 それでは、まず、1つ目の質問事項、政策形成過程における市民参加について、質問いたします。
 山下市長2期目の市長マニフェストの取組状況を確認いたしましたところ、ほぼ全ての項目にわたって順調に達成又は達成に向けての取組が進んでおります。また、行政改革、行政への市民参加のほか、特に教育、子育て、環境施策におきましては、8年前と比較いたしますと、その進展、拡充が、数字の上だけはなく、実感としても得られるようになっていることは評価したいと思います。
 しかし、行政の政策形成過程における市民参加については、平成25年3月には参画と協働の指針を定め、この10月からは新たに市民政策提案制度も設けられたものの、タウンミーティング、審議会等の公募市民の登用、パブリックコメント等の取組は、達成している、実施しているという事実はあるものの、導入後、何年かが経過し、形骸化、マンネリ化している向きがなくもありません。
 多様な市民の意見を聴取し、少数意見にも配慮した施策、計画等を形成するため、市民参加の機会を拡充するとともに、実質的に意見が反映されるようにするため、市民参加の在り方を今一度見直すことが必要ではないでしょうか。
 そこで、お伺いいたします。
 質問の1、そもそも、タウンミーティング、審議会等の公募市民の登用、パブリックコメント、それぞれの実施目的はどこにあるのでしょうか。また、その目的を十分に達成しているとお考えでしょうか。課題がございましたら、それをお答えください。
 次に、2期目の市長マニフェストである常設型住民投票条例の制定については、政府が拘束型の住民投票条例を盛り込んだ地方自治法の一部改正を検討しているため条例案を検討中であるとして、現在、パブリックコメントまでとりながら、議案として上がってこない状態にあります。住民が重大な市の施策に関して住民投票条例制定の直接請求を行っても、議会の否決によって住民が意思表示すらできない、政策形成の過程に加われないという事例は、全国的に枚挙にいとまがありません。常設型住民投票条例はそれらを保障する制度であり、速やかな制定が望まれます。
 質問の2です。地方自治法改正の動向も見えない現在の状況にあっても、鳥取県は、全国都道府県レベルで初めて常設型住民投票を規定した県民参画基本条例を平成25年10月1日に施行、兵庫県篠山市と愛知県新城市では、この12月定例会に住民投票条例案が議会に提出されております。また、北海道苫小牧市では、苫小牧市住民投票条例について、懇話会からの答申を受けて、現在、素案を公開中ですし、兵庫県明石市は策定に向けて検討委員会で審議中、北海道北見市でも検討市民会議の公募が済んだところで、全国至るところで条例制定に向けての動きが見えつつあります。本市ではこれからどうするのか、条例制定についての方向性、スケジュールをお示しください。
 続いて、2番目の質問事項、要綱の条例化についてでございます。本市では、地方自治法第138条の4第3項の規定に基づき、法律又は条例で設置しなければならない附属機関を要綱で設置していたとして、その違法性を問われ、住民監査請求、住民訴訟に至りましたが、それを機に、審議会等を条例によって設置する附属機関と要綱によって設置する懇談会等に整理いたしました。しかし、これ以外にも、補助金交付要綱や開発建築に係る指導要綱など、地方自治法第14条第2項の規定に基づき、住民や事業者の義務を課し又は権利を制限するため、要綱ではなく、条例で規定すべきと考えられるものも存在します。
 そこで、以下の点について、市のご見解を伺います。
 質問の1、条例と要綱、それぞれ運用上の長所、短所をどのようにお考えでしょうか。
 質問の2、本市の場合、条例で規定しているものと要綱で対応しているものとの線引きの基準はどこにあるのでしょうか。
 質問の3、地方分権による条例制定権の拡大の観点から、要綱の条例化について、市はどのようにお考えでしょうか。
 登壇しての質問は以上で終え、以下の質問は自席にて行います。



◯中谷尚敬議長 中田市長公室長。
             (中田好昭市長公室長 登壇)



◯中田好昭市長公室長 それでは、塩見議員のご質問に対しましてお答え申し上げたいと思います。
 なお、他の部の所管にも関わりますご質問もございますので、1回目は私の方から一括してご回答させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、1番目の1点目、タウンミーティングについてでございますが、目的といたしましては、関西一魅力的な住宅都市を目指し、市長が市政の状況などを説明し、市民の皆さんと市長が直接意見交換することにより、市民と行政とが共に情報を共有することで、今後の施策に反映させることにあります。当市は主に市政全般につきまして市民の皆さんと意見交換をしておりましたが、市政全般では内容の幅が広過ぎて、特に意見交換におきましては個別具体的な質問や苦情に類するものが多くなり、その結果、タウンミーティング本来の目的からは少しかけ離れつつある状況になりました。このようなことから、平成24年度は、市民の皆さんが興味があり、また参加したいと思う項目を特定のテーマとして設定することにより、平成23年度と比較いたしまして約1.5倍の参加者を得ることができました。
 課題につきましては、議員がご指摘のようにテーマのマンネリ化が危惧されるため、今後におきましても、たけまるモニター制度を活用するなど、市民の関心事項の把握に努め、対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、2点目の審議会等の公募市民の登用につきましては、審議会等が、市民意見の行政運営への反映を主たる目的として、当然、市民参加の推進を求められていることから、審議会等におきまして原則として公募市民を登用することを附属機関及び懇談会等の取扱いに関する指針におきまして定めているところでございます。現状といたしましては、附属機関では47機関中12機関、懇談会等におきましては12懇談会等のうち3つの懇談会等で公募市民を登用する状況にあります。本市における審議会等の公募市民の登用につきましては一般化しつつあることから、一定程度、目的は達成できているものと評価しているところでございます。
 課題といたしましては、従来は年齢や性別に偏りが見られ、また、特定の市民の方が重複して公募市民として登用されることがありましたが、このような課題の解決に向けて、これまで市政参加の機会の少なかった市民の皆様の市政参加を促進すべく、今年度から新たに審議会等の無作為抽出型登録制度を実施しており、今後、本制度の運用状況や効果を見極めて対応していきたいと考えております。
 次に、3点目のパブリックコメント制度についてでありますが、目的といたしましては、政策等の形成過程における市民への説明責任を果たすとともに、市民の市政参加を促進し、行政運営の公正確保と透明性の向上を図ることにより、平成20年4月1日からパブリックコメント手続条例を施行し、この目的といたしましても、本条例におきまして規定しております。
 運用状況でございますが、条例施行からこれまで実施いたしましたパブリックコメントの実施案件数は39件で、意見提出総件数は1,454件となっております。
 課題といたしましては、パブリックコメントを求める案件によって意見提出件数にばらつきが見られることと考えており、このことにつきましては、パブリックコメントの意見提出件数を数値目標として設定しております行政改革大綱前期行動計画の取組状況評価におきまして、行政改革推進委員会の委員からも指摘されております。意見提出件数の多少が制度そのものの評価に直結するものではないと考えておりますが、制度の在り方に関する問題提起と捉え、引き続き改善策を検討し、講じてまいりたいと考えております。
 続きまして、常設型住民投票条例の制定について、お答えさせていただきたいと思います。
 常設型住民投票条例につきましては、議員ご案内のとおり、市長マニフェストを受け、市民自治推進会議にて検討を行うとともに、パブリックコメントも実施し、平成24年1月に市長に条例案の提出が行われました。同時に、国においては大規模な公の施設の設置に係る拘束的住民投票制度を盛り込んだ地方自治法改正の検討が行われ、拘束的住民投票制度の導入は、住民自治の充実の観点から意義を有すると考えられるものの、住民投票を実施する場合の対象の在り方や要件等に更に詰めるべき論点があることから、引き続き検討すべきであるとされ、審議が先送られ、今日に至っております。市民投票制度は、重要な施策の決定に市民の直接関与を広げ、議会や市長の意思と市民の意思が大きくかい離したときに、市民が投票により賛否の意思を表示することができるもので、地方自治の基本である間接民主主義を補うものと認識しております。本制度の実施に至るまでには、政策や施策に関し、あらゆる参画の手法を駆使し、市民間で十分な検討、議論が行われることが重要で、それでも解決できず、市全体が二分されるような状況となったときに初めて実施されるものでございます。つきましては、ご質問いただきましたタウンミーティング、審議会等の公募市民の登用、パブリックコメントなどを含め、あらゆる参画の手法を駆使し、積極的に情報の提供を行うことにより、市民の皆さんに市政に関心、参画していただくことがまずは必要であると考えております。
 ご質問の条例制定の方向性につきましては、全国における条例制定の動向や今般の社会情勢等を十分見極めるとともに、条例化に伴う市民への影響等を踏まえ、その扱いについては慎重に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。



◯中谷尚敬議長 今井企画財政部長。
             (今井正徳企画財政部長 登壇)



◯今井正徳企画財政部長 それでは、塩見議員さんの2番目の要綱の条例化について、お答えさせていただきます。
 まず、1つ目の、条例と要綱の運用上の長所、短所をどのように考えているかについてでございますが、条例のメリットといたしましては、市が行う政策が市民の生活に直接影響を及ぼすような重要な事項であり、かつ継続性の有する場合で、法的拘束力を持つ、市としての意思を市民に明確にする、公正、透明性に優れる、市政への市民の関心度を喚起し、幅広い参加を促す、このような場合で条例化の実効性が期待される場合には、条例化として効果が上がるものと考えております。また、デメリットといたしましては、時の経過の変化に応じた適切な改正がされにくいという面がございます。
 また、要綱は、行政を執行する際の行政機関内部の指針が対象となり、市民の権利義務に関する定めとしての性質を有せず、法的強制力、法的効果を伴わないもので、メリットとしては、市民生活に関わる給付行政、福祉行政など、多岐にわたり、地方公共団体が行政指導を行う際の準則として定める内規、規範であり、社会変化に柔軟に対応でき、変更も容易であるという面がございます。また、デメリットといたしましては、法的な拘束力や強制力を持つものでなく、勧告的、任意的なものであり、相手方に任意の協力を要請するにすぎず、その実効性の問題や手続きの透明化に問題があると考えております。
 次に、2つ目の、条例での規定と要綱での対応の線引きの基準はどこにあるのかとのご質問ですが、条例は、住民に義務を課し、また権利を制限したり刑罰を定める場合で、法令に特別の規定のある場合を除く事項で制定いたします。また、要綱にあっては、法令や条例、規則の解釈や実施に当たっての細部の取扱いを規定する場合で、補助金等の交付基準、事務事業を執行する上での内部的取決めを規定する場合などを要綱で定めることとしております。
 最後に、3つ目の、地方分権による条例制定権の拡大の観点から、要綱の条例化についての市の考えはとのご質問ですが、地方分権一括法により機関委任事務が廃止され、自治事務が拡大するとともに、法定受託事務についても一定の範囲で自治体の条例制定権が認められました。このように自治体の立法権が拡大した状況から、先ほど申し上げましたように、市の行う政策が市民の生活に直接影響を及ぼすような重要な事項であり、かつ継続性を有する場合で、条例化により実効性が期待できる場合には、条例として定めていく考えでございます。
 しかし、要綱の条例化につきましては、法的妥当性、適合性を確認するとともに、規定している内容に応じた判断が必要となりますが、現在定めております多くの要綱は行政を執行する際の行政機関内部の指針であり、現行の要綱でもよいのかと考えております。
 以上でございます。よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 それでは、まず、1つ目の質問事項から追加で確認していきたいと思います。
 まず、タウンミーティングなんですけれども、今後の施策に反映させる、また、公募委員につきましては、既に検討に入った施策において生活者の意見を反映させると。さらに、パブリックコメントというのは、策定直前に広く市民の意見を聞いて検討に生かしていこうという、それぞれの目的があるかと思います。
 実際にそれぞれの場に参加された方のご意見をお聞きしたり、あるいは市が公表されているアンケートなんかを拝見いたしますと、それぞれの制度の実施そのものについては、ほぼ異論はない、これからもやるべしということなんですが、しかし、意見を反映してもらえたという実感があるかと言うと、タウンミーティングに関しては、もちろん市民の情報量にもすごく格差があって、どこに照準を合わせていいのかというのは非常に難しいところであるかとは思うんですけれども、市の説明が長くて、意見を言う時間が少ないとか、あるいは個別のテーマを今設定してタウンミーティングを開催しておられるわけなんですけれども、例えばごみの問題であるとかリニア誘致だとか高山スーパースクールゾーンの構想なんかについては、何か推進ありきの説明だというような意見も実際聞かれました。
 一方、審議会や懇話会の公募委員さんからは、会議にもよるんですけれども、結局、市と市の思惑をくみ取った委員長とか座長の思う方向に進められてしまうというような意見が聞かれなくもありません。
 パブリックコメントにつきましては、これは本市に限ったことではないんですけれども、意見を寄せてもほとんど反映されないとか、積極的に参加しても意見が反映されないというふうに、いろんな場面場面で市民の意見を聞く機会は設けられてはいるけれども、実際に、じゃ、その実感が得られているかと言うと、必ずしも満足しておられる方が余りおられないと。となると、やっぱりそういう説明に納得できないままお帰りになられるというようなことで、政策決定の正当性を得るためにアリバイ的に実施しているという声がどうしても大きくなってしまうと思うんです。
 こういった声に対して、市はどのように対応していかれるのか。理解されないのは仕方がないんだというご認識でおられるのか、それとも、やはりまだまだ意見を拾う仕組みに改善の余地はあるというふうにお考えなのか、どちらでしょうか。



◯中谷尚敬議長 中田市長公室長。



◯中田好昭市長公室長 今のは、恐らくアンケート結果を踏まえて紹介いただいたと思うんですが、アンケート結果、一例しかないんですが、やはりいいものであるということで、要するに、もっと周知して、市民の意見を出せるように、雰囲気づくり、場づくり、手間づくりをしてほしいということをおっしゃっています。
 その中で、おっしゃったように、今後、施策にどうつなげていくかということなんですが、時間がある一定の制限の中で、市長の方から、今回は特にテーマを絞った経緯もあるんですが、具体に意見交換を深めるということでテーマを絞って今回も取組をする中で、今年度は特に具体的な問題提起あるいは提案がございました。だから、先ほど答弁しましたように、市政全般とはちょっとおっしゃった部分で的を絞りようがなくて、市民の方は私らの意見を反映したいけど具体的な情報がないのでという思いがあったと思うんですが、今年度については、そのご質問をいただいている部分については具体化しつつある状況にあるという認識はしています。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 タウンミーティングについてはそのようなご評価だと思うんですけれども、審議会等についてはいかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 おのおのの審議会があろうかと思うんですけども、先ほどご指摘のように、委員長あるいは座長が市の意向に沿って進めているというようなご指摘だったかと思うんですけれども、大抵の委員会は、やはり出席していただいている各委員さんのご意見をしっかり聞いて、その上で委員長あるいは座長がその意見の集約という形で進めていただいているというふうには考えておりますが、今のご指摘等があったことにつきましては、またこちらの方で、審議会あるいは附属機関についてのこのようなご意見があったということで、そのようなことがないような形でということで言っていきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと一つ一つ具体的に確認していきたいんですけれども、政策形成過程により多くの市民意見を反映させようとするならば、あるいは市民との合意形成というものをちゃんと図っていこうとするならば、行政から市民に対して一方的にメッセージを発信するのと双方向に情報を意見交換するのとでは、やっぱり有効性というのは当然違ってくると思うんですね。その辺は共通理解を得られると思いますが、まず、ちょっとそこだけ確認させてください。



◯中谷尚敬議長 中田公室長。



◯中田好昭市長公室長 議員さんおっしゃるとおり、まず、情報の共有から始まって、次の段階に提案というステップと言うか、段階を踏んでいくというのが協働の流れであるという認識をしております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 市民からすると、やっぱり関与の度合いが高ければ高いほど、受け入れられ感と言うんでしょうか、そういった感覚が高まっていって、市との関係においても、信頼レベルというのも当然引き上げられると思うんですね。ということは、タウンミーティングにおいては、市からの情報提供だとか説明の時間が、今、長過ぎるというようなアンケート結果も結構あったんですけれども、その部分をやはりちょっと短縮して、どちらかと言うと意見交換の方に時間を割くというような工夫を。参加者から意見を言い足りないんだというようなそういう消化不良感を抱かせないために、単に対面での質疑応答というような形ではなくて、やっぱり、ワークショップですとか、その発展形であるワールドカフェ的なそういった手法をこれから導入していくことも必要ではないかと考えるんですけれども、その点について、どのようにお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 タウンミーティングで市からの説明の時間が長過ぎるというご指摘なんですけれども、市からの説明の時間は、必ず1時間以内で終えています。また、基本的に、出される質問については予定の時間を超えてもほとんど全て回答しておりますので、ほとんど常に予定時間をオーバーして、質問が一通りなくなるまでやっているというふうに認識しておりますので、ちょっとそのご指摘は事実と違うのかなと私は認識をしております。
 それから、ワークショップというような形での実施については、タウンミーティングというのは、直接市長と対話すると、あるいは市の幹部と対話するということに開催に係る大きな意義を見出しておりますので、そういった手法は、例えばこれまでであれば総合計画の策定とか環境基本計画の策定とか、そういった市の非常に大きな施策の基本となる計画の策定についてはそうした手法を導入してきて、市としてもそうした手法が適切だと思っておりますけれども、タウンミーティングはそういう手法を取り入れるような目的で実施しているのではないと、そういうふうに認識をしております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 説明の時間が長いというのは、実際に公開されているアンケートを拝見してのことでございますので、そういった方のご意見もあるということはご認識はいただきたいと思います。
 ワークショップとかワールドカフェ的なものはタウンミーティングでは市長はお考えでないということなんですけれども、都市計画課の方で、いこま塾、開催されているわけですけれども、ああいういこま塾的な雰囲気がタウンミーティングの方にも導入されれば、私の感覚としては、市民も、いこま塾に参加されておられる方とタウンミーティングに参加されておられる方って、写真で拝見したり実際にタウンミーティングに参って比較いたしますと、何か層が違うなと。いこま塾の方はやっぱり無作為抽出された方々ですので、年齢的にも結構若い方が入っておられるのかなと。だから、いろんな場面、場面において一人一人の声というのを結構丁寧に拾っていこうと思えば、そういった手法も今後やはり一定お考えいただければと、これは要望しておきます。
 さて、都市計画課の方で、いこま塾、開催されているわけなんですけれども、今年度、予算がつきました職員のファシリテート研修、これについては既に実施されたんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 中田公室長。



◯中田好昭市長公室長 ファシリテート研修につきましては、先ほど議員さんにご案内いただきました参画と協働の指針を策定いたしまして、これは、今後、職員が協働事業を進める上において必要不可欠な手法あるいは考え方を明記したものでございます。これを教材とした形で、来年1月にファシリテート研修を実施したいと今計画しております。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 年明けに実施ということなので、またその成果とか活用方法についても後日お聞きしたいと思います。
 続きまして、審議会、懇話会の市民参画なんですけれども、特に意見が大きく分かれてしまうような、そういう市政課題の場合は、どうしても専門家と一般市民とでは認識の仕方に違いがあると。片や客観的に捉えて片や感覚的という、どうしてもそういった違いが生じがちなんですけれども、委員長は学識者の中から選任されることが多いので、どうしても市民委員さんの方には釈然としないまま押し切られてしまった感が残る、あるいは、公募委員さんでなくても、団体代表で来られている、いわゆるステークホルダー、利害関係のある団体さん、そういった方が委員さんの場合は、結局、団体の方針と違った結果になったら、そしたら、結局、団体に帰ったときに批判されてしまう、すごくつらい立場に置かれるというようなことも実際にあったように思うんです、お聞きしていますので。
 やっぱり、委員会を設置するときにどういう団体の方々を入れたらいいのかとかそういったことは、設置するときに配慮されておいででしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 当然そのテーマに関連の深い団体の代表にお願いするというのが原則でございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 当然そこに入っていただくんですけれども、結局、委員さんとしては、団体の意思と違った結果を結果として持ち帰らなければいけなくなる。そういったときに団体の中で非常に肩身の狭い思いをされてしまうと、そういったことも実際に過去にあったんじゃないかと。それこそ、例えば使用料うんぬんの問題とかそういったことに関して、やはりそういう思いをお持ちの方がおられたと。結局、この団体も入った委員会の中で得られた結論なんだから文句を言うなと言わんばかりに、その団体代表が人質的に入れられて逆に困ってしまうという、そういう声もあります。これは審議会とか懇話会の限界だというふうに私は感じるんですね。
 そういったことを解決する方法として、大きくまちを二分するようなテーマの場合は、審議会、懇話会というような手法にこだわらずに、参画と協働の指針の中にも含まれていますけれども、例えばプランニングセルというような手法を用いて、ステークホルダーの意見というのはそういった中で別途聞いていくというようなことも必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 今の点に関して言いますと、当然いろんな審議会がございますけれども、いろんな意見を持つ人が入っておられるわけで、そもそも委員会に参加している委員さんの意見がみんな同じであるという方が逆におかしいわけですよね。ですから、そうしたことから、その中で議論を戦わせていただいて、どうしても議論をしてなかなか合意形成できないというようなことであれば、例えば両論併記というような形で答申を出される場合もあるでしょうし、しかし、そこまでのことではないというふうに団体の代表が思われるのであれば、それはそれで、そこでの議論に一定納得したというふうにも思えるわけですし、どうしても納得できなければ、そこで反対意見をずっと言われて、そういう反対意見があったことを議事録なり答申に載せておいてくださいというような形で対応すれば、ご自身の意見は反映されたということになるでしょうし、団体に戻っても何か言われることもないわけですから、そこはその委員さんがそういった考えで審議に臨んでいただければいいのかなと、こういうふうに思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その委員会の委員長にもよると思うんですけれども、今は、結構、学識の方でも、意見を引き出す、それこそファシリテート能力の高い委員長さんなんかもおいでなんですけれども、やっぱり委員長さんによって声を引き出せる力をちゃんとお持ちの方となかなかそうではないのかなというような方がおいでですので、そういういかにうまく委員さんの声を引き出していけるか、場合によっては、そういう委員長は何も学識者に限らず、座長さんとか、何かそういう進行役ということで別に誰か1人立てるというような方法も今後考えていかれてもいいのではないかなと、これは意見として申し上げておきます。
 先ほど、市民の関与の度合いが強いほど市民と行政との信頼レベルというのは引き上げられるというようなことを申し上げたんですけれども、もう1つは、できるだけ政策形成過程の早い段階で、あるいはあらゆる過程において意見をお聞きした方が、より市民意見を反映させやすい、信頼レベルが上がっていくと。例えば構想だとか計画を策定するかどうかを決定するという、いわゆる発議前の段階から事業の構想、計画、実施という、あらゆるステージにおいて、参画と協働の指針に挙げておられるような手法のほか、あるいはオープンハウスだとか地域ミーティングというような手法、いろんな手法を用いて市民参画を推進していく、いわゆるパブリックインボルブメントという、そういうった合意形成、そういったものを本市でも取り組むことについて、どのようにお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 中田公室長。



◯中田好昭市長公室長 1つ、当てはまるかどうか分かりませんねんけど、今、現実的にご存じのように市民自治協議会というのがございますね。これは地域課題に対して一番分かりやすいかなと、今のご質問で言えばね。だから、みんな共通認識のもとに初歩的な段階から情報を行政から入手して、ごみ問題なんか最たるものと思うんですが、ともに考えていくと。地域で何ができるか。それに伴って人的なあるいは物的な支援が行政が必要やったら支援していくというその一連の中で協働ということで、なおかつ、おっしゃっていたファシリテーター、利害調整役の方がやはり旗振りをしていくというのが全てそこに集約していくのかなと。一例ですが、そういう流れを私は想定しているんですが、当然、行政もそういう職員の意識改革、あるいは、市民の方についても、先ほどおっしゃるように、参画していただくという情報提供、場づくりは必要と思っております。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 あらゆるステージでより意見の交換を進化させるという、そういうパブリックインボルブメント、本市としても是非これからご検討いただきたいと思います。
 続きまして、常設型住民投票条例について追加で質問いたしますが、これについては、今述べましたようなインボルブメント、先ほどの公室長の答弁にもありましたけれども、丁寧な参画というのがしっかりと保障されていたらめったに使われる制度ではないはずなんですけれども、それでも、やっぱりどうしても市民意思と行政あるいは議会の意思との間に溝が埋まらないとき、政策決定に関与するツールとして持っておきたいという点においては、ちょっと残念な答弁だったなと思っております。
 国の動きを待っているけれども、国の方では、結局、公的な施設に関して拘束性を持たせるという、これの動きもどうも余り見えてこないと。結局、この国の状況を待っていたらいつまでたっても制定できないように思うんですけれども、どうでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 この問題については、議員各位もご存じのとおり、議会の全会一致で制定されました生駒市自治基本条例の第44条、45条でこの市民投票制度のことが記載をされております。同条例では市民投票の制度を設けることができるというような規定になっていますけれども、これに基づきまして市の方で委員会を設けまして、実際、条例案の答申もいただいたのは、議員のご了解のとおりかと思います。
 その生駒市自治基本条例の45条の3項におきまして、「市民投票の請求、発議、投票資格その他市民投票の実施に関し必要な事項は、別に定める。この場合において、議会及び市長は、投票資格者を定めるに当たっては、定住外国人及び未成年者の参加に十分配慮しなければならない」ということが規定をされております。この45条3項につきましては、それに先立つ第6条におきまして人権の尊重という条文がございまして、「本市のまちづくりは、性別や年齢、国籍などにかかわらず、市民一人ひとりの人権が保障され、その個性及び能力が十分発揮されることを原則に推進されなければならない」と規定されておりまして、さらに、第8条におきましては、「20歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢に応じてまちづくりに参画する権利を有する」というようなことが定められているのを受けて、先ほどの45条の3項におきまして、投票資格者を定めるに当たって、定住外国人及び未成年者の参加に十分配慮しなければならないと、こういう規定になっているわけでございます。
 これを受けまして、この生駒市市民自治推進会議におきましても、議会の代表も委員として参画した中で市民投票条例案ができたわけでございまして、その条例案の投票資格者のところを見ますと、第3条に、年齢満18歳以上の日本国籍を有する者ということと年齢満18歳以上の定住外国人でというような記載がされておるとおりでございまして、自治基本条例を受けた形でこういう条例案になっております。
 しかしながら、ご存じのとおり、この答申案が出された後、特定団体等からかなり組織的な街宣運動等がなされました。実際、この会議に参加している委員さんのお宅にまで行かれて、かなり人権侵害に当たるような、最近の言葉で言いますとヘイトスピーチと言われるようなことがなされまして、市の方からその団体の代表者に今後こういった人権侵害行為を重ねた場合には刑事告訴も辞さないというような内容証明を送る等いたしまして、現在は大分収まっているという状況でございます。
 その後、平成23年4月に市議会議員選挙が実施されまして、その中で、この条例案の制定について、一定、公約に掲げられた議員さんもおられました。
 そういうことで、この議会で全会一致で制定された自治基本条例、そして、また、この議員の代表も入ってつくられた市民投票条例案というのがあるわけですけれども、これをそのまま提出した場合に、果たして議会で全会一致で制定されるのかどうなのか、その辺、なかなか見通しが立たないところがあるのが現実でございまして、こういう市の基本政策に係る大変重要な条例案につきましてはやはり全会一致というのが私は望ましいと考えておりますので、この議案の取扱いについては、また、今後、議員さんの意見も聞いて、より望ましい形でこの条例案の制定に向けて対処していきたいと、このように考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 新しい任期となり1期目の議員諸氏におかれてはどのようなお考えかというところは私もしっかりと把握はできておりませんけれども、しかしながら、前任期においてはやはり全会一致で市の自治基本条例が制定されたという事実もございますし、投票資格者に関することがなかかなこの条例を制定できない理由だとすれば、やっぱりちょっと市の腰が引けているのかなというふうに思わざるを得ません。やはり、これは諮問型であって、拘束型の投票条例ではありませんし、なので、そういうことをおっしゃる方には選挙の投票資格者と一緒じゃないとおかしいというような意見もあるわけなんですけれども、これは全く問題のない投票資格者だと思っております。
 また、地方自治法の第10条にも、地方公共団体の役務の提供を等しく受けると、そのときの住民というのは、当然、外国人住民も含まれているわけですので、この住民投票条例案には何の問題もないと私は考えておりますので、今任期においては本当に市長最後の定例会になってしまったので、今任期にこれが提案されるということは残念ながらなかったわけなんですけれども、3期目のマニフェストにやはりこれを2期目と同様に盛り込んでいかれるという、そういうご意思はあるでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 今、マニフェストは鋭意検討中でございますので、今この場でそれを入れるかどうかを明らかにする時期ではないと思いますけれども、いずれにいたしましても、自治基本条例が議会の全会一致で制定されて、その2条を押さえて、市民投票制度について規定されていると。更に既にその条例案も諮問機関から上がっているという、そういうことからすると、これをずっとそのままたなざらし的な状況で置いておくわけにはいかないということは十分認識をしておりますが、かなり議会の中でもご意見が割れることも想定されますので、また、非常に、そのことに伴って、いろいろ、何と言いますか、またいろいろ特定団体の街宣活動が生駒市役所に来られるということになると、それは多分、議員各位もお望みではないと思いますので、その辺、どういうふうにこれを取り扱っていくかにつきましては、今後、各議員の忌憚のないご意見を伺いつつ、適切な対応をとってまいりたいというふうに考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ある特定の団体に対して、前回の市長の対応は非常に適切で、いい対応だったと思っております。なので、やはり、ひるまないで向かっていってほしい、そのように思っております。
 では、2つ目の要綱の条例化についてに移りますが、この調査に当たりまして、各部、各課におきましては、本当にいろいろご協力いただきまして、短期間で全ての要綱を出していただきましたことをまず感謝申し上げます。今ここに積み上げておりますのが全て出していただいた要綱なんですけれども、実は私自身もこれだけの分厚さになるとは予想もしていませんでした。申し上げたいのは、こういったものが、実は、私自身は、当初、企画政策課の方で一元管理されているものだと思っておりましたら、そうではないと、各課で管理されていると。じゃ、これは庁内でイントラネットでも共有できていないんだろうと思うんですけれども、この際、全ての要綱を庁内で一元管理して例規集に入れるというようなことはお考えにないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 ちょっと他市の状況を見ていましたら、要綱集という形で要綱をまとめられているという自治体もございます。例規集に入れる入れないというところまでは分からないんですけれども、そういった要綱集として取りまとめるのがいいのかどうかというのも、今後ちょっと検討していきたいと考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 例規集に収めている自治体もございます。埼玉県三郷市ですかね。そういうところもございます。また、例規集には入れないけれども、要綱集でホームページにアップしているところもございますので、それを公表して、情報公開を是非とも進めていただきたいと思います。
 やはり、市長就任後、情報公開条例の全部改正なんかも行われて、かなり制度の充実も進んだとは思うんですけれども、わざわざ開示請求をしなくても、各課にお願いに上がったらすんなりと情報提供していただけるということは私自身も感じておりますので、それならば、出向かずともホームページを見たらちゃんとその情報が取り出せるというような、それは市民との情報共有ということにもなりますので、是非ともこの件については前向きにお考えいただきたいと思います。
 要綱と条例の線引きにつきましては、今年6月の都市建設委員会の中では、企業立地促進条例とスマートコミュニティ推進奨励金の交付要綱との違いに関して、対外的なPR度の違いなんていうお答えをいただいちゃっているんですけれども、そうじゃなくて、一番大きな違いというのは、条例というものは、地方自治法の第74条に規定された制定、改廃に係る直接請求の対象になるということで、やっぱり対市民との関係において外部化されているかどうか、そして、先ほどお答えいただきましたように、法的な拘束力だとか効果の有無だと考えます。当然、権利を制限して義務を課するものというのは、地方自治法で定められているように、条例で規定しなければいけないものなんですけれども、その他にも、どういったものは条例で、どういったものは規則で、あるいはどういったものは要綱で定めるのかという、そういう指針というものを市はつくっておいででしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 生駒市公文例規程というのがあるんですけれども、そこには、簡単なんですけれども、条例、規則につきましては、それは地方自治法上の規定を引用しているだけでございますので、恐らく、議員さんご指摘のような形での細かい形の分類というものについては、現在行っていないということでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 本市としてどういう方針でそれぞれ定めていくのか、規定していくのかという指針を、この際ですから、一度整理して、その指針を策定して公表するべきではないかと考えるんですが、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほど答弁で申し上げましたように、条例というものは、今、議員さんご指摘のような形で、住民の方の権利義務を拘束するということ、要綱は法的な拘束力がないとか、そういった分類がされておりますので、今現在、今ご指摘のような形で細かく条例はこういうふうなもの、要綱はこういうふうなものを定めるんですよというところまで必要かどうかというところが不明瞭なんですけれども、他市の例とかも含めまして、研究はしていきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 研究の方を是非ともお願いしたいと思います。
 今回、このお出しいただいた要綱、330余りあったんですけれども、ざっと目を通したんですけれども、効率的な行政運営のため、変化に即応できるような、要綱の方が条例よりも利益があるというようなものももちろんたくさんございますので、何でもかんでも条例化しなさいというような、そんなことは申し上げるつもりは毛頭ないんですけれども、でも、例えば長年ずっと要綱で継続してきたような事業、あるいは行政計画の中に位置付けられているような事業については、要綱ではなくて、条例で対応してもいいようなものもあるかと思うんですけれども、例えば開発行為に関する指導要綱とか、その手続きに関して条例化しているような自治体も実際ございますし、道路に関して言えば、測量の基準点なんかの管理を条例化しているようなところもございます。各部で、これは条例化した方が望ましい、あるいは条例化できると考えているものがあればお答えいただきいたいんですけれども、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 私の口からどうこうというのはあれなんですけど、確かに、ご指摘のように、指導要綱自体は、他市では条例化されているところもございます。ただ、指導要綱自体につきましては、相手方の任意の協力によって非権力的な手段で住民の同意によるようなもので、それを丸々条例化することによって違憲ということも考えられますので、ちょっとその辺りについては慎重に考えなきゃいけないのかなと思っております。今現在、私の方で思っているのは、特にこの分を条例化すべきというものについてはございません。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 もちろんそのまま要綱を条例と名前を書き換えただけでオーケーなんて、それは法との関係もあるので、要綱ではオーケーだったけども、やっぱり条例にしたらアウトになっちゃうよというようなものもございますので、その辺は慎重にご検討いただかなければいけないんですけれども、行政側にしてみたら、長年、政策の推進だとか事業の執行は予算だとかそれに基づく要綱で対応してこられたわけなんですけれども、分権時代の自主立法行政ということを意識して、今後、条例、規則、要綱を総点検、総見直し、要綱の条例化あるいは規則化ということを積極的に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか、姿勢をお聞かせください。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 基本的な考え方につきましては、地方分権時代となりまして、やはり条例で決めるというようなことも非常に重要かと思っておりますので、ご指摘のようなことにつきましても、今後も検討、研究していきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 検討、研究という前向きなお言葉を最後にいただきました。これで一般質問を終わります。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 常設型住民投票条例のところで、先ほど、市長が特定団体にひるんでいるんじゃないかというご指摘がございましたのでちょっと一言言っておきたいんですが、決して私自身がひるんでいるわけではございません。ひるんでいれば、そういう内容証明等を送ったりしませんので。
 私自身はネットや新聞等で誹謗中傷されているのは慣れていますので、何を書かれても、ネットで何を言われても、そんなことは気にしないんですけれども、実際ご自宅に街宣活動を受けた委員さんは、自宅の外へ出られずに、大変、精神的にも参られたというようなことがございまして、こういったことが繰り返されてはならないというのが1点と、もし私が議会にこれを提案した場合には、今度は議会の各議員さんの判断が問われるわけで、ある決議がなされたときにあったように、今度は議会なり各議員さんに対して特定団体からそういう街宣活動等がなされるおそれもあるわけですよね。その一方で、自治基本条例では未成年や定住外国人にも配慮しなきゃいけないと書いているわけで、なおかつこれは最高規範なわけですから、これと違う条例案を制定するということもなかなか議会としても難しい、かつて全会一致で規定した最高規範があるわけですからね。ですから、そういったことで、議員さんにもご迷惑をかけるのは私の本意ではございません。今、特定団体も、京都地裁でそういうヘイトスピーチに対する損害賠償とかの判決が出ましてかなり力は弱りつつあるというふうに思っていますので、そういった状況も見据えつつ、また議員さんにご迷惑がかからないような形で、また議員さんのご意見も聞きながら、上程するタイミングを今後探り、かつご相談していきたいと、こういうことでございますので、ご理解をいただきますようにお願いをいたします。

2013年9月議会

平成25年第4回定例会(第2号) 本文




◯中谷尚敬議長 日程第1、昨日に引き続き、一般質問を行います。
 通告順に従い、順次、発言を許可いたします。
 まず、11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 おはようございます。
 今回は、持続可能なまちづくりについて質問いたします。
 昨日、山下市長から3期目に向けて続投の意思が表明されました。市長が就任された平成18年と比較すると、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率ともそれぞれの指数は大きく下がり、将来世代にツケを残さないための数々の取組が実を結び、財政状況にも余裕が出てきたことは評価したいと思います。しかし、その一方で、財政力指数は下がり続け、自主財源をどう確保していくかが課題となっております。
 今年1月に発表された第5次総合計画後期基本計画の人口フレームによれば、本市の高齢化率は平成43年には現在の約1.5倍になると見込まれております。これに伴い、高齢者福祉経費は、現在のサービス水準を維持しようとすると38.6億円にまで膨らむと予測されます。これは、平成12年度から平成24年度までの高齢者1人当たりの福祉施策費平均値に推定高齢者人口を掛けて算出した金額でございます。また、インフラや公共施設、プラントの更新、修繕等に係るハード整備費用も、今後、大幅な増大が予想されます。
 本市では、これまでも医療費の適正化や介護予防施策による医療福祉施策費の縮減に取り組んでいることは認識しております。また、施設更新につきましても、昨年12月の一般質問におきまして、各施設の修繕計画の策定が整った段階で改修・修繕に係る経費を明確にするとともに、利用状況等を把握し、施設白書の作成に向けて検討し、更新費用の平準化を図るとご答弁をいただいております。
 しかしながら、これらの施策も、高齢化社会においては焼け石に水の状態で、財源確保も行政改革による経費節減だけでは限界があり、積極的に入りを図る施策を早急に講じ、安定した市税収入を確保し、到来する超高齢化社会に備えることが持続可能なまちづくりには不可欠であると考えます。
 そこで、まず、本市の税収増のための施策についての市のお考えを、企業誘致、入札制度を含む市内既存の企業の育成、事業を起こす方の起業支援、その3点それぞれの観点からお答えください。また、その他、税収増に向けてお考えの施策があればお答えください。
 さて、高齢化社会に伴い、お金とともに、もう1点、確保しなければいけないのは、介護職員など、これからの福祉の担い手、支え手となる人です。
 公益財団法人介護労働安定センターによる介護労働実態調査によると、平成23年10月から平成24年9月にかけての介護労働者離職率は17.0%、介護労働採用率は23.3%という状況です。前年度比で、離職率はプラス0.9ポイント。すみません、通告書のマイナスはプラスの誤りでございます。採用率はプラス2.3ポイントという状況で、需要は高まる一方であるにもかかわらず、厳しい労働環境と低賃金で長続きしない現状が見て取れます。
 今でも、介護職員の不足感を感じている事業者は47.9%、訪問介護職員だと67.9%にも上り、その確保が困難な状況です。
 今後、市としても本市の福祉の担い手、支え手を確保するための施策を講じることが必要と考えますが、市はどのようにお考えでしょうか。
 登壇しての質問は以上で終え、次からは自席で行います。



◯中谷尚敬議長 山下市長。
             (山下真市長 登壇)



◯山下真市長 それでは、塩見議員の一般質問に、順次、お答えさせていただきます。
 今後の本市の人口動態、また、それに伴う高齢福祉関係費用の増といったご認識については塩見議員のおっしゃるとおりかと思っております。
 それに対応いたしまして、本市では積極的に入りを図る施策として、お尋ねの企業誘致等については以下のような取組をしております。
 まず、企業誘致施策の目的といたしましては、産業の活性化、未利用地の解消、雇用の創出等が挙げられます。そして、企業誘致の結果といたしまして、立地企業に係る固定資産税、法人市民税、また、従業員の個人市民税の増収が期待されます。
 本市におきましては、現在、次のような企業誘致施策を実施しております。
 まず、奈良県や関西文化学術研究都市推進機構と連携しながら、各種ビジネスフェアへ出展し、本市のPR活動を行っております。また、ホームページやパンフレットによりまして本市の補助金等の企業誘致施策を紹介しております。それから、市内の既存企業へのアンケート調査の実施や聞き取り調査の実施をしております。また、個別に企業進出の問合せがあった場合には、こういうふさわしい土地がありますよというようなご紹介をさせていただいております。また、南都銀行さんのご協力をいただきまして、南都銀行の各支店に生駒市の企業誘致パンフレットを置いていただいております。
 こうした取組の成果といたしまして、平成21年度以降、新規立地が3件、地区内での移転が2件、それから、既存企業の増築が2件という実績が上がっております。
 これに伴います収支の状況でございますけれども、平成21年度から25年度までの5年間で、補助金としてトータルで8,500万円弱を支出しております。また、5年間の税収入といたしましては7,500万円弱となっておりまして、現時点では差引きマイナス1,000万円でございますが、平均しますと年間1,500万円ぐらいの税収が入ってきておる計算になりますので、また、補助金は、今後、支出することはございませんので、今後は毎年1,500万円ずつの収入が入ってくるという、そういうふうに見込んでおります。
 このように、これまで新たな補助金制度等を設けまして、一定の成果が上がっていると認識しておりますけれども、ただ、今後の課題といたしましては、既に高山第1工区につきましては未分譲の土地はございませんし、北田原工業地域内におきましても、準工業地域内におきましてもほぼ新規立地できる用地はない状況でございまして、企業立地できる用地が十分でないというのが現在の本市の課題かと思っております。
 これに対しまして、現在工事中の、また、一部の工区につきましては今議会で契約の締結のご承認をお願いしておりますけれども、(仮称)北田原南北線が開通すれば、今後、その道路の周辺等を準工業地域等に指定していくというようなことで、新たな企業立地の用地を確保していけるのではないかというふうに考えております。
 それから、入札制度を含む市内の既存企業の育成についてのお尋ねでございます。
 これについて、本市の基本的な考え方をご紹介させていただきたいと思います。
 平成19年2月に生駒市行政改革推進委員会入札制度改革検討部会から本市の入札制度改革に対する提言書というのを頂いております。そこの記載をちょっと読ませていただきますと、「地域の中小・中堅建設業者の育成は、入札制度の理念である健全な競争性、公平性、透明性、公正性とは論理的なつながりを欠いた異質な理念であり、このような地域産業政策は別の公的手段で行われるものであると考える。そのため、今後の生駒市の入札では、地域の中小・中堅建設業者の育成を目的とした地域要件の運用を指名基準や資格制限において用いないことを提言する」という提言をいただいております。
 本市におきましては、こうした考え方を採用して、指名基準や資格制限等において市内企業を過度に優遇するということは考えておりません。しかしながら、公正な競争性が発揮されると考えられる場合におきましては、市内業者のみを入札参加資格者とするような取扱いもしております。
 具体的に申し上げますと、工事金額が1億5,000万未満の土木工事については、独自の格付基準、発注標準を設けまして、市内業者での入札を実施しております。それから、電気工事、管工事、造園工事、公園設備工事、測量業務は、市内業者のみで競争性を確保することが可能と考え、市内の本支店業者での入札を実施しております。その他、市内の本店業者で構成しております生駒建設業協会とは防災協定を締結しておりまして、この生駒建設業協会に加盟している建設業者さんにつきましては、経営事項審査点数という格付基準のようなものですが、これにおいて点数を加算するといった取組をしておるところでございます。
 次に、起業支援でございますけれども、現在、本市におきまして企業者向けの特別の支援制度はございません。しかしながら、取組といたしましては以下のような取組を現在しておるところでございます。
 奈良市、香芝市、生駒市の3市で、お互いのホームページで創業者支援についての各市の情報をリンクするといった取組、また、市内で創業を考えている人に奈良市にある起業家支援施設、きらっ都・奈良の利用の案内をする、また、各市が行う創業セミナーにおきまして、各市の創業支援策、金融制度などを紹介するといった取組を連携して行っておるところでございます。
 また、これとは別に、平成26年度から創業支援融資制度というものを新たに実施する予定でございます。
 なお、本市が実施する予定の起業セミナーについて簡単にご紹介いたしますと、本年11月10日日曜日に、生駒市、生駒商工会議所、帝塚山大学及び生駒市観光協会の4者の連携によりまして、起業に関心のある女性の方を対象にしたセミナーを実施する予定でございます。講師は、既に女性起業家として活躍されている方3人で、うちお1人は、昨年度、本市等が実施しました新しいお土産コンテストでグランプリを受賞され、現在、市内で事業展開をされている方でございます。
 その他、本市が考えている税収増に向けた施策として、以下のものがございます。
 まず、短期的な税収の確保につなげる施策といたしまして、ふるさと納税のPR、それから、徴収率の向上のための収納・滞納対策の推進、それから、市内の消費を増やし、商業の活性化、観光の振興を図るために、商工会議所と協力しまして、まちなかバルや100円商店街、新しいお土産の開発等々を行っております。
 中長期的な税収の確保につなげる施策といたしましては、先ほどご紹介した企業誘致や企業振興の他に、本市は住宅都市でございますので、若年世代の定住人口を増やすための施策に取り組んでおります。民間保育園の創設、開設等の子育て支援の充実、病児・病後児保育の実施、生駒幼稚園における長時間預かり保育の実施、こども園の整備、学童保育の充実等でございます。
 また、生駒というまちの魅力を高め、また、まちの魅力を発信するための施策といたしまして、現在、景観形成基本計画の策定など、景観施策の推進や各種緑化の支援、それから、本年度から本格的に始めた事業といたしまして、いわゆるシティプロモーションの推進といったことに取り組んでおるところでございます。
 次に、福祉の担い手、支え手を確保するための施策についてお尋ねでございますので、これについて答弁をさせていただきます。
 ご指摘のとおり、ますますの高齢化に伴いまして、介護職員の人材確保が重要になってまいります。平成12年度の介護保険運用当初、55万人だった介護職員の数が平成24年度には149万人となっておりまして、12年間で2.7倍になっております。さらに、平成37年度には237万人から249万人の介護職員が必要と推計されておりまして、この推計によりますと、毎年7万から8万ぐらいの新たな介護職員の人材確保が必要となる計算でございます。このため、学校等を卒業して新規に就職される方を増やすとともに、離職される方をできるだけ少なくするという対策が必要でございます。
 次に、奈良県の現在の状況でございますけれども、平成19年に国が告示しました社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針というものによりますと、地方公共団体の役割としては、特に都道府県は、雇用情勢を踏まえ、従事者の需給状況や就業状況を把握するとともに、従事者に対する研修体制の整備、経営者や関係団体とのネットワークの構築など、広域的な視点に立って、市区町村単位では行うことが難しい人材確保の取組を進めていくことが重要であるというふうに、この国の告示でうたわれておるところでございます。
 こうした観点から、奈良県におきましては、介護職員の人材育成事業、専門学校の学生等を対象にした介護体験講座、また、奈良県社会福祉協議会におきましては、福祉のお仕事・就職支援セミナー、介護のお仕事・再チャレンジ支援セミナー、福祉のお仕事・夜間相談といった様々な取組をしておるところでございます。
 生駒市におきましては、直接、介護職員の育成や就職支援といった取組はしておりませんけれども、本市では次のような事業をしております。すなわち、高齢者の方を一律に支えられる人と位置付けるのではなく、元気な高齢者の意欲や能力を活用すれば、その方が今後の高齢化社会を支えるマンパワーとして地域の福祉活動において大変重要な役割を果たしていただけるのみならず、ご本人の介護予防の一環にもなります。
 こうしたことから、本市におきましては、地域ボランティア講座の開催、それから、地域サロン活動の推進と地域ネットの集いなど、高齢者が率先して地域社会づくりや生きがいづくりに関われるような場の提供に取り組んでおるところでございます。
 以上のように、生駒市として実施する人材育成としては、元気な高齢者には自分の生きがいのため、また、心身の衰えを予防するためのボランティア活動に積極的に参加していただくという観点で、介護制度を側面から支えていただきたいと考えておりまして、今後においても息の長い取組を続けていく所存でございます。
 なお、国の施策でございますが、介護職員処遇改善の交付金というものが交付されましたので、これについてご紹介させていただきます。
 介護職員につきましては離職率が高い、人材確保が難しいといった状況にございまして、これは介護職員の賃金が低いといったことが問題の一因であると考えられております。平成21年度に介護報酬を改定し、3%アップしたところでございますけれども、他の業種との賃金格差を更に縮め、介護が確固とした雇用の場として成長していけるように、都道府県が基金を設置する形で介護職員処遇改善交付金の制度が創設されました。これは、介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対しまして、平成21年10月から平成23年度末までの間、全国平均で介護職員1人当たり月1万5,000円に相当する額が交付されたものでございます。
 これによりまして、平成21年度の奈良県下の介護職員の賃金の改善状況といたしましては、介護職員1人当たり月額で、常勤の職員が1万6,264円、非常勤の職員が1万161円改善されたという報告を受けております。
 なお、本市の事業所のうち55の法人がこの制度を申請し、申請率は77.5%となっております。
 また、この介護職員処遇改善交付金は平成23年度に終了いたしましたが、平成24年度以降におきましても、介護職員処遇改善交付金相当額を介護報酬に円滑に移行、反映させるため、介護職員処遇改善加算という制度が創設されたところでございます。
 1回目の答弁は以上でございます。ありがとうございました。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 詳しいご答弁、ありがとうございました。
 今日ここで問いたいのは、山下市長が3期目に向けてどのように市政運営に取り組むのかという、その姿勢ですね。少子高齢化社会に向けて福祉サービスを維持していかなければいけないという認識をお持ちであるということはこれまでも分かっているんですけれども、これまでのような行政運営、行革によるコスト削減だけではサービス低下を余儀なくされるというのは目に見えていて、それに対してどの程度の対処をしていこうと考えているのか、それについて具体的に確認していきたいと思っております。
 企業誘致のメリットについては先ほどもお答えいただいたんですけれども、企業誘致すれば、最も手っ取り早くて、ほぼ確実に法人市民税だとか固定資産税、あるいは、そこで人が雇用されたら市民税も入ってくると。そういった点で、どの自治体も、言ってみたら、企業誘致には一生懸命になっているわけなんですよね。本市では、北田原工業団地とサイエンスタウン、そこが企業立地の重点地域に位置付けられていて、市のホームページでも、ここは交通アクセスがいいんだよということになっているんですけれども、しかしながら、例えば自治体の中に高速道路のインターチェンジなんかがあって、その地の利を生かして企業立地を促進しているような自治体もあるわけで、交通の結束性という面で、この競争に打ち勝つのはなかなか難しいんじゃないかと私は考えます。
 また、企業立地の促進補助金制度は、県内の他市の制度と比べても生駒市の制度は割にいい条件を出していると思うんですけれども、企業は、もちろん自分たちの経営ということも考えられると思うんですが、従業員の通勤の足とか利便性のことも当然考えると思うわけなんです。じゃ、あの位置が交通の便がいいのかと言うと、余りいいとも思えない。地区内に保育所もない。働く環境が十分整っていないから敬遠されるというようなこともお聞きしています。
 先ほどご答弁の中で、今後の課題として、もう土地がないんだと。でも、北田原南北線が開通して、その周辺に土地が出来たらそこに呼べるかもしれないと。今のこの状況のままであそこに呼び込んでいくというのはとても難しいと思うんですけれども、この厳しい競争を市はどうやって打ち勝とうというふうに考えておられるんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 本市に進出を希望される企業の多くは、東大阪とか大阪市内で既に操業しておられると。しかし、事業を拡張したいけれども、なかなか現在の敷地では拡張ができない、あるいは、近くに住宅等があって夜間の操業等が困難であるといったことから、この際、もうちょっと別のところにまとまった土地を確保して、新たに工場を建てたいというケースが多いです。
 なぜそういった企業が北田原や高山第1工区を選ぶかと言うと、やはり既存の従業員の通勤の便ということが一番の要因だろうと思います。それと、もう1つは土地の安さです。やっぱり大阪市内や東大阪市内に比べると安いですので、ポイントはその2点ではないかなと思っております。
 もちろん補助金制度も県内の各市や、あるいは木津川市、精華町に引けを見ないような制度になっておると思いますけれども、それが決め手というよりも、やはり地価とか従業員の通勤の便がポイントになろうと思います。
 ですから、例えば大和郡山の昭和工業団地に進出される企業とは、若干、進出の動機が違うのかなと。やっぱり東大阪や大阪から大和郡山に通うというのはなかなか難しいので、けいはんな線が東大阪を通って大阪中心部までダイレクトに通じているという、ここが一番の強みかなと思っております。
 あと、改善すべき点といたしましては、学研北生駒駅からバスに乗っていただく必要があると思うんですけれども、これにつきましても、上六印刷さん、それから、幸信プラスチックさんが操業を開始して、便数がかなり増えたと聞いております。また、北田原工業団地内の企業さんにおいては独自にバス会社と契約をして従業員用のバスを走らせているところもあるというふうに聞いておりまして、これも、進出企業が増えればバスの便ももうちょっと増えていくのかなとは思っております。
 そういったことから、比較的、引合いはこれまでもあったというふうに聞いておりまして、あとは、企業立地に適する土地をどう確保していくのかということが、先ほど申しましたとおり、今の課題かなと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 進出企業が増えればバスの便も増えて便利になるであろうと。ところが、進出企業が増えるにも、もう土地が余りないと。そしたら、余りバスの便も増えないんじゃないかという気もするんですけれども。
 これから、まだどこまで企業誘致を本市として続けようとしていくのか。生駒市はやっぱり住宅都市としての顔を持っているわけなんですよね。その中で、例えば広大な土地を切り開いてテクノパークを造るとか、そういったところまでは、多分、考えの中にはないと思うんですけれども、その辺の見通し、そこをお答えいただけますでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 新たに市街化調整区域を市街化区域に編入して、準工業地域等の用途地域に指定していくということについて言いますと、考えられますのは、北田原の工業団地の中で、一部ぽこっと準工業地域から外れているところがあるんですけれども、あそこは元々、準工業地域だったんですけれども、いわゆる逆線引きということで市街化調整区域に戻ったところでございます。その当時は田んぼ等でございまして、地権者とすれば、当然、市街化調整区域の方が固定資産税等が安いというようなことから、地権者の要望等を踏まえてそうなったと聞いておりますけれども、北田原南北線が出来て、その両サイドが企業立地する場所として適地ということになって、企業用地として売れるということになれば、またそこを準工業地域に戻すということも、地権者のご理解を得ることは可能ではないかと考えておりますので、まずは、そこのぽこっとへこんだところを準工業地域にするというようなことを、これから、地権者のご意見も伺いながら検討していきたいと考えております。それ以上に、今、企業誘致のための新たな工業団地等を市が整備するといったことまでは考えてございません。
 ただ、高山第1工区内におきまして、分譲済みだけど未立地の土地というものが二、三カ所ございまして、県におきましても、土地所有者に対しまして、もし新たに研究所や工場等を建てる予定がないのであれば売却しませんかということで仲介の労はとっていただいているようでございますが、今のところはまだそこまでは至っていないということですので、ここにつきましては、引き続き、本市としても県とタイアップしながら、ここに新たな企業が進出してくるようにいろんな取組を考えていきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 企業誘致について、どの程度の範囲で広げていくかということは理解いたしました。
 比較的手厚い支援制度を持っているということは、反面、リスクを負うということにもなるかと思うんです。せっかく誘致した工場が撤退したり縮小したりして、自治体が誘致補助金の返還を求めているようなケースもあるわけなんですけれども、市としては、こういうリスクを回避する、そういう手だては何か持っているんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 ご承知のように、三重県亀山市とか兵庫県尼崎市でそういった事例が起きておりますけれども、本市に立地する企業は、基本的に内需型の企業でございまして、国内で作って輸出するといったものでは、今のところ、ございません。上六印刷さんとか幸信プラスチックさんなんかもそう、フジフレックスさんなんかもそうだと思いますが、そういった企業の業態からいたしますと、三重県亀山市や兵庫県尼崎市のようなケースは本市に関してはないだろうと思っておりますが、補助制度の中にそうした返還を求めるような条項があったかどうか、ちょっと部長の方から答弁していただきます。



◯中谷尚敬議長 奥谷環境経済部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 生駒市企業立地促進条例の第11条におきまして、事業計画の認定の取消し等というところで、全額若しくは一部の補助金の返還を命ずることができるというようなことできちっと明記をいたしております。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 大きな企業を誘致しても、景気の動向次第でどうなるか分からない。リスク分散という観点から言うと、やはり企業誘致だけに頼る経済振興策というのは問題が多いと考えるんです。
 工業立地の動向に詳しい日本立地センターの徳増専務理事も、補助金で誘致を競い合う時代は終わったと認識すべきだと。むしろ、現在操業する地域の中核企業をどうつなぎ止めるかという留置政策に力を入れるべきだと。こういうふうに述べておられるわけなんです。
 そこで、次の市内企業の育成の方に移りたいんですけれども、市内企業の育成については、リーマンショックの後も一度、私、質問させていただいていたんですけれども、今既にある市内の企業をどう育成するかということです。
 その当時のご答弁では、事業者自身が頑張らないことにはというような、そういうご回答だったわけなんですけれども、それは今も基本的には変わらないというふうに見てよろしいんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 やはりビジネスで成功するということに関して言うと、それは企業自身の能力とかセンス、努力、やっぱりそういったものが一番大きいと思いますので、基本的にはそういうことだと思いますが、行政の役割といたしましては、そうしたものを側面から支援するということになるという認識は一緒でございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 まず、入札制度についてからちょっと確認したいんですが、本市はこれまで落札率を下げるということに主眼を置いて制度を構築してこられました。先ほどもお答えいただきましたけれども、入札制度検討部会ですか、そこからも提言がありましたけども、確かにこの提言が審議された当初というのは、談合が疑われるような高落札率というところも問題になっていたかと思います。この制度の改革によって談合の防止もできて、確かにコストの大幅な削減にも資することができました。これはこれで評価したいと思うんですけれども、これからの高齢化社会を支える財源確保という命題を背負った今、入札制度を考えたとき、果たしてコストをカットするだけでいいのかと。そうではなくて、落札した業者がお金を市内に再投資してくれて、市内でお金が循環する入札制度への政策的な転換が必要だと考えるんですけれども、地域内再投資、地域循環経済、そういった構築のための政策的入札、社会的入札ということを導入することについてどうお考えなのか、お聞きいたします。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 ちょっと誤解があったと思いますけれども、落札率を下げることが目的ではございません。適切な落札率で契約していただくというのが狙いでございまして、こうした趣旨から、以前、土木工事につきましては、市内業者のご意見も頂いて、最低制限価格のラインを引き上げたということもございますので、ご理解いただきたいと思います。
 ご質問の地域内再投資ということなんですけれども、ご承知のように、市内にはそれほど大きな企業等がございません。もちろん高山第1工区や北田原の準工地域内にはそれなりの企業があるわけで、もちろんそうしたところが域外に出ないようにするということは重要でございまして、そのために、外から入ってくる企業のみならず、地区内での移転とか、あるいは現敷地内での増築も、先ほど言いました企業立地促進補助制度の対象としておるところでございますが、例えば建設業とか土木業に関して言いますと、設備投資と言いましても、機械等の購入とか、そういったことに限られるのかなということで、具体的に域内の設備投資の促進と言って、ちょっとイメージが湧きませんので、ちょっと答弁の難しいところでございます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと具体性に欠けていたかと思いますけれども、今でも本市では総合評価制度の中で技術の確保であるとか環境の保全、企業倫理だとか安全の担保等を図っているわけなんですけれども、1つご紹介したいのが旭川なんですが、旭川市は競争入札参加者の社会的な貢献度を評価する入札契約制度実施要領というのを作成しておりまして、障がい者雇用の促進とか環境対策の推進、それから、子育て支援、男女共同参画といった項目に加えて、地元雇用、地元調達の推進とか、建設業等における通年雇用の推進といったものに取り組む企業を入札契約の手続きにおいて優先的に取り扱うように定めているんです。これは、何が何でも地元の企業を使いなさいということではなくて、もちろん市外とか県外の事業者であっても、地元に資源を何がしか再投資してくれるような、そういった事業者であれば、そこにポイントを加算するということなんです。
 地元雇用とか地元調達の推進につきましては、先ほどの生駒市の企業立地促進補助金制度の補助金の支出根拠にもなっているわけなんですよね。となれば、市の施策と矛盾はしないと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 総合評価の入札というのはやっているんですけれども、年に二、三件ぐらいで、例えば男女共同参画とか障がい者雇用とか環境対策とか、そうしたことまで含めて、今、塩見議員がご指摘のような項目は入って。(「いや、入っていると思います」との声あり)すいません、そういった項目も入っているようでございます。
 本市の総合評価の落札制度をこれから進めていく上で、旭川市の取組についてもちょっと勉強させていただきたいなと思います。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ご検討の方、よろしくお願いいたします。
 入札制度以外の市内企業の育成についても、要は市外にお金を流出させないという施策が必要なわけなんですけれども、どういった施策が必要かという、その手だてを講じるに当たって、要はお金の出入りをちゃんと調べるという過程が必要だと思うんです。
 倉敷市が、市域の経済循環構造を産業別に調査して、どういう産業を誘致して育てていけば域内でお金が回っていくのかというような、そういった効果の分析を行っているんです。こちらの方はコンサルと大学との共同で行った研究なんですけれども、あと、よく知られているのは墨田区の中小企業者に対するしっかい調査です。こちらの方は、職員自らが一軒一軒、企業を自らの足で稼いで調査したと。これは企業のデータベースとして区の中でストックされて、中小企業に対する支援はもちろんのこと、最近ではあそこはスカイツリーが出来ましたけれども、スカイツリーだけがもうかったらいいというわけじゃなくて、スカイツリーを中心にして、その周辺全体の事業者がもうかるようにということで、このときの調査が非常に役に立ったと。こういうことをお聞きしているわけです。
 こういった調査をまず行わないと全体のお金のフローが全然見えないと思うんですけれども、これを行うようなご予定はないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 ちょっと私見ですが、例えば倉敷市と言いますと、あれは多分、瀬戸内海の沿岸部に大規模ないろんな企業の集積が図られていると思いますし、墨田区も、東京の下町で町工場等がたくさんあるところで、既に多様な業態の企業が地域内に立地しているということが前提で、例えばある企業が外から仕入れていたものを域内の別の会社から仕入れられないかとか、売り先についても、市外にだけ売っていたのを市内で売り先を見つけられないかとか、そういうことで活性化するということだろうと思いますけれども、生駒市に関して言いますと、高山第1工区と北田原に関して言うと、北田原の方は、例えば家電メーカーとか自動車産業の下請的な仕事とか、高山であれば印刷業とか、要するに、そういうマッチングをするだけの多様な業態がないわけで、そういった中でそういう取組をしても、なかなかうまくマッチングさせられるような企業の数が市内にはちょっと乏しいんじゃないかなと。したがって、その調査をしてもなかなか十分な効果を上げられないのではないかなと、今、お話を聞いて思いました。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ただ、事業者の数が少ないということが、逆に、調査しやすいんじゃないかと。本当は、こことここがうまくマッチングしたらこういうこともできるのにという、次の展開につながっていくようなこともあるかもしれないけれども、今はそれぞれ事業者がばらばらで、つながり合うということができていないんじゃないかと思うんです。ですから、実態をまずは知る。そうやって職員と企業との間で顔つなぎができることによって市の方が支援に大きく貢献できるという、そういったメリットがあると思うんですが、どうでしょうか。



◯中谷尚敬議長 奥谷環境経済部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 北田原工業会に関してでございますけれども、平成22年1月にアンケート調査、そして、平成24年10月に実態調査をいたしております。そういった中で、今ご指摘いただいておりますように、マッチングできるような形になるのかどうかも含めまして、業態別に調査をさせていただいている、そういった状況でございます。これにつきましては商工会議所と市とがタイアップして調査をさせていただいて、ただ、結果的に申し上げましたら、マッチングできるようなニーズがかみ合わなかったような状況での分析は出ております。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 どのようなマッチングを試みられたのか、その辺はまたちょっと後で伺いたいと思います。
 あと、地域でお金を流していくという観点から少しお考えいただきたいのが、地域通貨ということなんです。
 今、交通系のICカードを使って地域を活性化させようというような自治体も出てきているんですけれども、市域内の加盟店で使うとポイントがたまっていくというような、そういう仕組みのものもあれば、最初にお金をチャージして、最初の1カ月間は、例えば10%増しのものが買えるようになっているんだけれども、1カ月を過ぎるとちょっと目減りしていくから早く使わなきゃ損だということで使わなきゃいけないような仕組みになっている、そういったタイプのものも開発されています。
 県内でも、奈良県の委託事業で発行されている交通カード系の地域通貨なんていうのもあるんですけれども、ただ、それを開発された事業者のお話をお聞きすると、どことも加盟店とか利用者が増えるまで、要は、カードがうまく軌道に乗っていくまでの事業者の体力がないとやっぱりかなり厳しいと。
 そこでちょっとお伺いしたいのが、市としてそういう交通カード系の地域通貨のPRだとか、あるいは加盟店の広報、そういった支援はできないか。あるいは、公共施設利用料の支払いに使うとか、あるいは福祉サービスの支払に使えるような仕組みにしていくことはできないか。その辺はいかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 これは過去の話でございますけれども、一時、定額給付金が国の方で創設された段階で、定額給付金を活用するに当たって地域での通貨と言いましょうか、地域振興券と言いましょうか、そういったものを商工会の方とも協力しながらできないかというようなことも考えた時期がございましたけれども、それについては、商工会なり、加盟していただける商店等が少ないだろうということで断念した経緯があると。そういった意味合いでは、まだ地域通貨に関しましてはもう少し先の課題なのかなというふうには考えております。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 以前、奈良県さんの方で、県内で買物をした場合にプレミアが付く商品券というのを発行した経緯があったと思いますけれども、なかなか生駒市だけということでも、商店等も限られますので、奈良県の県単位で行う、そういう地域の通貨的なものの振興に取り組むということでよいのではないかなと個人的には思っております。
 以前、例えば市民の皆さんが、先ほども言いましたような介護ボランティアみたいなのをした場合に、ポイントをためることができて、それで一定ポイントがたまったら、例えば市内の公共施設をそのポイントで利用できるとか、そういった制度は、以前、検討したことはございますし、これから、先ほど塩見議員がご質問のように、そうした、介護職員ではない一般市民のボランティア的なものをどんどん奨励していきたいと思いますので、今後はそうしたことも検討していくべきかなとは思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと振興券とは違うのかな。要は、交通カードも、ふだん持っているようなバスカードとかPiTaPaとかICOCAとか、ああいうカードですよね。そこにポイントをためていく仕組みなので、要は、市内で買物をしたらそこにポイントが付くと。また、市内で買物をしたら、そのポイントを使えるよということですので、要は、加盟店さえ増えていったらその事業は回っていくという、そういったものです。
 こういった地域通貨、例えばチャージ式のものだったならば、例えば、生駒市は余りそういった観光客というのは少ないとは思うんですけれども、市外から来ていただいて、市内でポイントをまず持ってもらって、そこに使っていくと。例えば使い切らずに、家に帰ってから、これは域内でしか使えないからどうしようというようなときに、例えばネット販売で市のものを買うときにポイントが使えるとか、そういった仕組みをつくっていけば、別に市外の方にお持ちいただいても市内にお金が落ちる仕組みになっています。また、お帰りになるときに、そのカードにまた何か特典を付けたら、また使わなきゃということで、そういうリピーター戦略にもなると思うんですね。またこれについてはご検討いただきたいと思います。
 その次に、3番の起業支援につきましてお伺いいたします。
 起業支援の方につきましては、今のところ、本市での取組というのは基本的には余りないということなんですけれども、しかし、市内で事業を起こしていただければ、それは地域雇用ですとか市の税収増につながっていきますので、やはりここは前向きにお考えいただきたいんです。
 先ほども申し上げましたように、住宅都市生駒という、その顔を守ろうとするならば、やっぱり企業誘致よりも、今ある企業の育成だとか振興、あるいは、これからこのまちの中で事業を起こしていこうという、そういった人たちに対する支援の方が、時間はかかるけれども、持続可能な経済の発展には資するんじゃないかというふうに思います。いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 そのとおりだと認識しております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 起業支援に必要なものなんですけれども、やはり事業を起こすのに必要な資金援助です。
 先ほど、26年度から融資制度が制定されるというふうにお伺いいたしましたので、これについては進めていただきたいと思いますが、その他にもインキュベーションオフィス、これは、安価に借りられる小さな事務スペースとか、あるいは共同で使えるオフィス機器だとか会議室、そういったものを備えた施設なんです。実は奈良県の方でも持っていると思うんですが、桜井市なんかは独自で持っておられるんですけれども、生駒市としてこういったスペースを創設する、そういったお考えはないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 既に奈良先端科学技術大学院大学支援財団の建物の3階だったか4階にそういうオフィスがございます。たしか10区画ぐらいあったと思いますが、ちょっと私も見に行ったことがあるんですけども、残念ながら、今、2つか3つぐらいしか埋まっていないというところでございまして、市といたしましては、やはり先端大がございますので、先端大の学生とか先生が先端技術を生かした起業をするというのが一番可能性があるというふうに思っておりまして、まずは、支援財団にございますインキュベーションオフィスがもっと利用されるように、先端大や先端大支援財団、奈良県等と連携して取組を進めるべきではないかなと思っております。
 先端技術以外の、もうちょっと身近な起業等につきましては、先ほどもご紹介しましたが、奈良市のもちいどの通りにきらっ都・奈良というのがございますので、ここをご案内することで、現在のところ、対応できていると思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 これを創設するに当たって欠かせないのが、ハードだけじゃなくて、やっぱりソフトの支援なんです。幾ら箱だけ用意して、はい、ここでお仕事していいですよと言ったって絶対そんなのはできるわけなくて、要は、こういったインキュベーションセンターを利用するに当たっては、どういった方法で事業を実現しようとしているのかという、そういう事業計画書的なものを作成した上で初めて入れるという、一定、やっぱりハードルを上げておかないと、安易に利用して、やっぱりやめたということになりかねません。
 ですから、本当に必要なのは、オフィスの設置に併せて、申請しようとされる方が受けられるような、そういうセミナー、あるいは、申請に当たって起業の手ほどきを受けられるような支援体制、そういったことがセットで用意されていることだと思うんです。
 群馬県桐生市のインキュベーションオフィスは、実際に入居して開業にこぎつけた事例というのも多数ありまして、その中には、あ、この企業はここが出発点だったんだというような、かなり名前の知られたような企業も入っております。そういったことも参考にしていただきたいんですけれども、このオフィスについてどのようにお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 小紫副市長。



◯小紫雅史副市長 ご質問いただきましたソフトでございますけれども、一定、進めておりまして、幾つか、先ほど市長からもありましたが、起業セミナーもやっておりますし、もう1つ紹介するとすれば、ららポートの方で行っておりますけれども、市内とか奈良県内の非常に面白い取組をしているNPOとかソーシャルビジネスのところと組んでいろいろ事業をやろうという中で、今、具体化しているのが、COLORという団体がありまして、女性の起業支援をやってございます。こちらにお願いして、今、起業支援の座学と、あとは実践編ということでいろんなプログラムをやっていただいておるというのが、1つ、今年から動き始めた大きな動きかなと。COLORさんは実際にいろんな具体的な女性の起業につなげておる非常に面白い団体ですので、こことの連携は非常に面白いかなと。
 あと、もう1つ申し上げれば、女性だけじゃないんですけども、起業支援に、例えば年配の方、企業をリタイアされたような方で、正に今、塩見議員がおっしゃったような、企業をつくっていく、具体化して落とし込んでいくような作業に非常に精通した方がたくさんいらっしゃると思いますので、そういうふうな方を更にこういう動きにどうつなげていくかというようなことも、生駒市の課題としてこれからあると。そこには取り組んでいきたいというふうに思っております。
 また、先ほどのCOLORとの関係で言いますれば、11月に、市内、そして、東京から講演者の方も呼んで、ソーシャルビジネスのシンポジウムというものもやろうとしておりますので、そういうふうな動きが起業支援につながってくるかなというふうに思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 徐々にそういった面でもお取り組みいただいているようなんですけれども、やはり先ほどから申しておりますように、企業立地だけではなくて、市内で人とお金が回っていくような仕組み、そういったものをつくっていくためにご尽力いただきたいと思います。
 その上で、先ほど、調査は行うご意思が余りないというふうに伺ったんですけれども、生駒市の中小企業を活性化していくための施策を定めていくに当たって、市としてどういった支援ができるのか、市としての責務、そして、事業者としてどういうふうに取り組まなければいけないのか、事業者としての責務、あるいは、そこに市民としての責務が入るのか入らないのかは分からないんですけれども、そういったものを定めて、きっちりとまち全体で中小企業を振興させていくための中小企業振興条例というようなものを本市で定める、そういったお考えは、今のところ、ないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 中小企業振興条例というものにつきましては、現在、検討はしておりませんけれども、それよりも前に、生駒市商工観光ビジョン的なものを早急に策定していきたいというようには考えております。以上です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 じゃ、まず、そのビジョンの方を定めていただくということで、その後の話だというふうに伺います。
 次に、介護支援人材の方なんですけれども、これは何を申し上げたかったかと言いますと、要は、市長もお答えいただいたように、今、市が取り組んでいるのは主として介護予防ですとかボランティアに頼る部分だと。それによって介護を必要とする時期が多少は先延ばしにできるのかもしれないんですけれども、また、高齢者にも支援人材になっていただくことによってご自身のやりがい、生きがいにもなっていくと。そういう点ではこれからもどんどん進めていただきたいとは思うんですけれども、しかし、先延ばしにするだけであって、いずれはやっぱりその人だって要介護となる、そういう時期を迎えるわけなんです。だから、ボランティアだけでは、根本的に支援人材をがっちりと確保していくという、そういうところのレベルにはとどまらないと思うんですね。私が提唱したいのは、経営資源としての人材育成だと。
 どうしても福祉というのは金食い虫みたいな、そういった目で見られがちなんですけれども、そういった発想でいる限り、ボランティアで経費節減、そこで生きがいづくりができたら一石二鳥じゃないかみたいな、そんな施策しか生まれてこないと思うんですけれども、でも、ボランティアでいる限り、お金というのは回っていかないと。そうじゃなくて、ちゃんと事業として、人材育成から支援人材としての就労というところにまで結び付けて、しっかりと納税者になっていただく。要は、家の中で介護をしたってお金は回らないけれども、その人がちゃんと資格を持って、一歩家から外に出たら、そしたらお金は回っていくわけなんです。やったことに対して、ボランティアではなくて、しっかりとそこに対価が支払われていたら、より、ボランティア以上に責任とやりがいというものも感じられると思いますし、これは介護の世界に限らず、保育でも同じだと思います。
 そこで、市の方にお伺いしたいのは、ヘルパーの資格取得の講習会、これは県の方で行っているものなんですけれども、そういったものに人材確保のための一部補助というようなところを市は考えていないでしょうか。



◯中谷尚敬議長 坂本福祉部長。



◯坂本千鶴福祉部長 ヘルパーの養成講座なんですけれども、昨年までは市内で養成研修というのを40人という定員でやっていたんです。以前、本市の社会福祉協議会の方でも、金銭的な補助をしていたわけではありませんけれども、ヘルパー養成講座というのはやっておりました。ただ、それが、日中とか、かなりの期間を要するのでなかなか参加者が集まらないというふうな状況がございまして、社協でやっていたヘルパー養成講座は残念ながらやめてしまったというふうなことがございます。その後、どうしたかということになるんですけれども、今年度につきましては、逆に、ヘルパー養成講座は120人に増えていると。ただ、それはどういう形で増やしているかと言うと、通信教育というふうなことでやっております。ですから、今、市内の事業者さんとか、全て合わせますと120名というふうなことになっております。
 それ以外の、ヘルパーではありませんけれども、介護福祉士ですとか、いろんな資格を取るのに貸付制度みたいな制度は国の方でやっておられます。ただ、それは条件がございまして、その資格を取られて、たしか5年だったと思いますが、5年間、お勤めになられると返還は免除というふうな形の制度がございます。ただ、それが今後もずっと引き続いてされるかどうかは、ちょっとまだ来年度の予算も概算要求の状況ですし、少しそこまでは明らかにはなっていないというふうな状況です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 貸付制度が、取りあえず今のところ、あるということはお伺いいたしました。
 あと、市の方にお願いしたいのは、実はホームページの介護保険課のよくある質問の中で、ヘルパーの講座が市で開催されているかという問合せがあると、そういうふうに見たんですけれども、そういった問合せが多いのであれば、いっそのこと、ちゃんとホームページの方に県のホームページの養成講座の方にリンクしていただいて案内をしていただけるように、あるいは、広報で、それだけヘルパーになろうとしている方がおられるのであれば、特集を組むとか、そういったこともご検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 坂本部長。



◯坂本千鶴福祉部長 ありがとうございます。確かに今やっております120名のヘルパーの養成講座は、実施主体は事業者さんなんです。皆さん、よくご存じのところで申し上げると、宝山寺福祉事業団さんとか、そういった事業者さんが中心でやっておられるので、市がやっているわけではございませんけれども、人材の確保は本市にとっても非常に大きな課題と認識いたしておりますので、そういったPR等、どんな形でやらせていただけるかは、今後、検討していきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 じゃ、よろしくお願いいたします。
 持続可能なまちづくりのためには、これから市政で、お金と人を地域内で調達して地域内に再投資するという、そういった仕組みづくりが必要かと思いますので、市のあらゆる施策でそういった面を意識しながら、これからも運営に取り組んでいただきたいと思います。これで終わります。

2013年6月議会

平成25年第3回定例会(第3号) 本文




◯中谷尚敬議長 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。
 通告順に従い、発言を許可いたします。
 まず、11番、塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 おはようございます。今回は、生駒市の文化行政について、提案型事業委託制度についての2つのテーマで質問いたします。
 まず、1つ目の生駒市の文化行政については、平成21年9月定例会におきまして、今回と全く同じテーマで一度質問を行っておりますが、その折に、研究、検討すると回答された文化芸術振興計画、文化振興基金の創設について、その後4年間何の報告、進展もないことから、再度質問するものでございます。
 当時の質問の趣旨を再度申し上げますが、私は市民の日常の生活文化圏の保障、その市民が住むまちの環境文化水準の保障とともに、芸術文化を創造し、表現や鑑賞、交流の場や機会を提供することによって市民生活に潤いを与えることが行政の役割であり、憲法25条に規定された文化的な生活を送る上での福祉保障だけではなく、市民があらゆるとき、あらゆる場所、あらゆる機会において、文化と接することができるような環境をつくることが魅力ある生駒市を形成することにつながると考えます。
 本市の自治基本条例では、文化の薫り高いまちづくりがまちづくりの基本理念として挙げられており、第5次総合計画基本構想においても、市民力を生かした個性豊かな文化の創出、市民のニーズに応じた多様な文化活動の支援、文化財などの伝統文化の継承が挙げられておりますが、これらの政策、施策を具体化、体系化するためにも、文化芸術振興基本計画の策定が必要と考えます。また、芸術文化の享受は最低限の生活の保障の上に初めて成り立つ贅沢品とも捉えられがちで、ややもすると、政策的に軽視され、公金投入の優先順位も低くなりがちです。その中で、広く市民の理解を得て事業を行うには、文化の形成に理解ある市民や事業者から寄付を募り、基金を創設することが有効と考えます。文化芸術振興基本計画の策定及び文化振興基金の創設について、市のご見解を再度伺いたく、前回の質問を受けての研究、検討の結果をお答えください。
 次に、2つ目の提案型事業委託制度について質問いたします。
 提案型事業委託制度は、公共サービス全てを行政が担うことは不可能であるとして、行政の全ての事業を公開し、民間事業者、市民活動団体、NPO法人など、民間から事業委託や民営化の提案を募り、頂いたご提案については市民と専門家を含めて審査し、行政で実施するよりも、市民にとってプラスになると判断すれば、提案に基づき、民間への委託、民営化を進める制度で、最初に千葉県我孫子市が提案型公共サービス民営化制度という名称で始めました。行政が民営化、民間委託したい事業だけを下請け的な発想で主導するのではなく、市の事業全てを対象にするところがこの制度の特徴で、今年度からは関西におきましても、尼崎市が導入し始めました。単にコスト削減という行政の都合だけではなく、民間の発想で提案していただき、行政と対話することで質の高いサービスを効率よく行うことを目的とする制度でもあります。本制度を本市において導入することについてのお考えをお聞かせください。
 登壇しての質問は以上で終え、次の質問からは自席にて行います。



◯中谷尚敬議長 川口生涯学習部長。
             (川口忠良生涯学習部長 登壇)



◯川口忠良生涯学習部長 おはようございます。それでは、塩見議員さんのご質問の1点目、生駒市の文化行政についてお答えさせていただきます。
 まず、生駒市文化芸術振興計画の策定についてでございますが、本市ではこの文化芸術振興計画は現在まで策定いたしておりません。しかし、平成19年に発行いたしました、生駒市生涯学習推進基本指針がございます。この基本指針は、第5次総合計画とほぼ同時期に取り掛かったものであり、総合計画と連動し、具体化、体系化したものであり、市として市民の生涯にわたっての学習の支援とまちづくりへの参加促進について、また一部では文化の振興をうたっておりますが、文化芸術は広範囲に及びますことから、文化芸術振興基本法に示されております文化芸術の基本的施策でございます個々の分野を全て網羅したことにはなっておりません。
 また、近隣都市でのこの計画の策定状況でございますが、策定済みの自治体は大都市がほとんどであり、本市と同規模の自治体での取組はごくわずかであるのが現状でございます。ちなみに、近隣都市の文化振興計画の策定状況は、奈良県では奈良市が策定されているのみでございます。あと、東大阪市、四條畷市、大阪市、神戸市、京都市などで策定されております。
 以上のようなことから、本市では文化芸術振興計画とは似通ったものと考えられます、生駒市生涯学習推進基本方針がありますこと、また文化芸術振興計画が本市と同規模の自治体で策定されておりますのが、ごくわずかなことから、当分の間、他市の様子を見させていただくことになりまして、計画を策定せず、今日にまで至っておる次第でございます。
 さて、文化芸術の振興は人々の創造性や個性を引き出し、心豊かな人間性を育む上で極めて重要な意義を持っており、本市が取り組むべき重要なものとは認識しております。本生涯学習部が所管いたしております事業としましても、第5次総合計画及びこの基本方針に基づき、各種施策を実施しております。
 また、文化芸術活動を行う市民の皆様にとりましては、活動場所の確保は極めて大きな課題であると考えております。本市では、市民文化を広く推進するため、生涯学習施設、図書館、資料館などの施設の充実を図っております。
 次に、文化振興基金の創設についての質問でございますが、文化振興基金は広く市民文化の向上を目的とする事業の推進に必要な資金を積み立てるものと考えられます。本市でも、当時、文化振興基金の創設を検討いたしましたが、まずは生駒市歴史文化基金を平成23年度に設置いたしました。この基金は、本市の豊かな自然の中で繰り広げられてきた固有の歴史文化を検証し、次の代に継承しながら魅力的なまちづくりを生かすために創設したもので、具体的には郷土資料館、生駒ふるさとミュージアムでございます。この新設の要望も踏まえまして、本市の歴史文化を愛する人々からの寄附金等を財源といたしまして、郷土資料を保存し、活用するための環境整備や文化財の保存並びに歴史文化の普及のために事業の資金を充てるためにこの基金を設置いたしまして、今日に至っております。
 以上でございます。どうぞよろしくご理解賜りますようお願いいたします。



◯中谷尚敬議長 今井企画財政部長。
             (今井正徳企画財政部長 登壇)



◯今井正徳企画財政部長 続きまして、塩見議員さんの提案型事業委託制度についてお答えさせていただきます。
 本市では、民間活用の考え方として、民間主体でサービスの継続性、安全性が確保できるもの、民間活力を活用することで費用対効果が期待できるものにつきましては、原則として民間活用を積極的に推進するものと考えておりまして、これまでも清掃センターやエコパークの包括委託や公用車の管理委託、公の施設の指定管理者制度の導入など、積極的に民間活力を活用しているところでございます。
 ただし、法令等で実施主体が自治体や地方公務員と義務付けられているものや、市民等の権利を制限し、義務や負担を課する行為、また強制力を持って執行する行為を含む業務、政策決定や条例規則等の制定など、行政の意思決定に関わる業務などにつきましては、民間活力の活用に適さない業務であると考えておりまして、市が直接実施すべきものとして実施しているところでございます。ご紹介の我孫子市や尼崎市の民間提案型手法による民間活力の導入事例では、市の全ての業務等を示し、民間企業等から提案を求めるもので、行政が気付きにくい民間企業等からの視点で、創意工夫あるアイデアを受けることができるものであり、効果的な事業実施につながる可能性があると考えております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、多岐にわたる行政サービスにおいては民間委託に適さないものもあり、全ての事業等を対象に提案を求めることは適切とは考えておりません。また、委託に当たってはコスト比較やサービスの質の確保とともに、責任の明確化、公平性の確保など、適正な事業執行の確保を検討していく必要があると考えております。しかし、今後、少子高齢化社会による社会保障関連経費が増加する中、財源の維持、確保は難しく、これまで市が直接担っていた公共サービスをNPOや民間企業などに委ねていくことは不可欠と考えております。
 これらのことから、限られた人的資源、財的資源の中、高度化、多様化している市民ニーズに対応するための民間活力を積極的に導入している尼崎市等の提案型事業委託制度も参考にしながら、引き続き検討していきたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ありがとうございます。では、最初に文化行政の方から追加質問をさせていただきます。
 ご回答によりますと、平成19年に策定されました生涯学習の事業指針、こちらの方で全部ではないけれども、一部を基本計画に代わって、振興基本計画に代わり得るものというふうに判断し、また大都市等でしか、それは策定されていないということで見送ってきた、保留してきたというようなことだったかと思うんですけれども、当時、平成21年の質問のときにはこのようなご回答、実はなかったので、生涯学習の方でそれがカバーできるというようなご回答はなかったので、今回、初めてそういうことであったのかと認識いたしました。
 その上で、今後、どうされるのかということを確認させていただきたいんですけれども、本市ではスポーツ、文化、2つ両方よく並べられる分野なんですけれども、スポーツの方につきましては、スポーツ振興基本計画というのが平成23年に策定されております。であれば、文化芸術に関する基本計画というのもあってしかるべきではないかと。先ほど、部長もおっしゃったように、生涯学習というのはもうちょっと広い文化芸術全般の一部であるというご認識であるのであれば、そこでカバーされていない部分、それも含めて計画を立てる必要があるのではないかと思うんですけれども、スポーツに関する計画はつくって、文化芸術に関する計画はない。スポーツと文化芸術に対する扱いに、どのような優劣があるんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 実際に優劣はございません。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 であれば、生涯学習だけではなくて、もうちょっと幅広い文化芸術振興計画をおつくりになるということで、今後、お考えいただけるということでよろしいんでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 この指針につきましても、作成後5年以上たっておりますし、昨年度から指定管理者によります文化芸術の事業もしていただいております。こういうのも検証いたしまして、検討には値します。ただ、総合計画の中に基本構想、それから基本計画がございます。この基本計画につきましても、再度見させてもらいますと、かなり詳細にもうたっておりますので、この総合計画の位置付けなり、それからのこの生涯学習なり、芸術文化振興計画、その設置が必要かも、それも含めまして検討したいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 他市で文化芸術振興基本計画をつくっておられるところなんかの計画を拝見いたしますと、まず文化芸術活動について、市が行っている、それについて、まずその実態を調査して、分析して、その上で、じゃ、市としてどういうふうに総合計画に挙げられているような施策を具体化していくか、そういうつくり込みになっているんですけれども、そういう文化芸術に関して、市が市民にアンケートを行う、そういったこともやっぱりこの基本計画をつくる場合には必要になってくると思うんです。総合計画をおつくりになったときには、そういった調査というところまでは、具体的にかなり細かい質問項目にわたるんですけれども、そういったところまではやっぱりされていないと思うんですね。ですから、全体市民の文化芸術に関する関心であるとか、参加の程度であるとかいったものを、やはり調査した上でないと、こういう計画はもちろんつくれないと思うんです。ですから、そういったより総合計画の基本計画に示されているような施策を具体化、体系化していくためにも、やはりこの基本計画を策定する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 必要性は感じております。私、申しました総合計画の中の基本計画につきましても、これから後期総合計画、見直し、それ以降も出てきますので、それも含めて検討したいと考えておる次第です。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ご検討いただけるということですので、ここまでにとどめておきますが、今回のように、検討がどのように検討されたのか、いついつまでに何について検討するのかということを、今ここでお答えいただけるのであれば、お示しいただきたいと思います。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 申し訳ございません。詳細には答えられません。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、取りあえず検討はしていただけるということですので、また、そう遠くない時期にその結果をお伺いしたいと思います。
 次に、この振興基金についてなんですけれども、そもそも生駒らしい芸術文化というのはどのようなものと、部長はお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 文化芸術について、生駒とはこれだと特化したものはないと思っております。ただ、広く市民が、底辺が底上げされていると言うんですか、全体的にレベルは高いんじゃないかと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと質問がかみ合わなかったんですけれども、市が支援なり、補助をしていくような文化芸術としてふさわしいもの、文化というのはどういうものとお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 まずは、行政と市民が共に協働していく、市民文化の向上を図っていっていただく。それと、日頃、市民の方が生涯学習で勉強なりされたことを市民に発表、また、市民に還元していただく、その方面は力を入れていきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今、やはり市民参加、市民がそこに加わるというようなことが生駒ならではの、生駒が補助していく、支援していく文化だというお答えを頂きましたけれども、私も同様に考えております。例えば、平城遷都1300年祭を機会として、いこま国際音楽祭なんかが開催されております。ここ3年間ずっと開催されているわけなんですけれども、それに対して、市はずっと補助しております。金額はあれですけど。そのプログラムの中で、やはり演奏者と市の小中学校のブラスバンドとのセッション、ああいうものであれば、やはり実際にそこに市民が加わるということで、それはそれで補助の対象としてふさわしいのかなという気はするんですけれども、でも、じゃ、他のプログラムはどうなのかなと考えたときに、じゃ、実際、民間の事業者が企画するプログラムと、市が実行委員形式ですけれども、実行委員さんたちが企画するプログラム、そこの差がすごく明確じゃないなんじゃないかというふうに思うわけなんですね。やはり、市が育てる文化事業としてふさわしいものというのは、市民が、部長もおっしゃったように、広く参加できるものじゃないかというふうに思います。そういう意味では、生駒市の小中学校では非常にブラスバンドが盛んでして、これは4年前のときにも申し上げたんですけれども、非常に優秀な成績を毎年、収めておいでです。ですから、そういうものを大きく市として、まちを挙げて育てていきたいという気持ちが私にもあるんですけれども、でも、実際のところ、高校、大学になると、それぞれのクラブに所属してしまって、大人になると、結局それぞれに散っていってしまう。ということで、せっかく小中学校で、この生駒というまちで培った、そういった芸術がそこで失われてしまうというのが非常に残念に感じております。やっぱり、市民が育てる楽団とかそういったものがあってもいいかと思うんですね。そういうものを育てていくためにも、この基金の創設が私は必要と考えているんですけれども、今申し上げたようなことを踏まえて、部長はどのようにお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 川口部長。



◯川口忠良生涯学習部長 基金につきましては、市民の皆様方のご寄附で運営していく方向でやっております。そんなに多額なお金が基金に積み立てるわけではございません。これは文化歴史基金にさせていただいたのは、他の文化芸術と比べまして、優劣をつけさせていただいた、取り急ぎ、年明けには資料館ができます。そこでの必要な費用に充てさせていただきたいと。いずれは、この資料館関係が充実までというのはおこがましいですけど、ある一定の成果が出れば、広く他の文化芸術の方にも伸ばしていきたいとは考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 まずは、文化歴史の方の基金で、そこからこの芸術文化にも広げていくというお考えと伺いましたが、やっぱり生駒らしい文化というものは何なのかということを、市としてきっちり定めた上で、その上でその趣旨に合う文化活動ですとか事業を、社会情勢だとか、経済情勢に左右されやすい分野でございますので、だからこそ、そういう動向にかかわらず、安定的に行えるように、経費の一部に補助を行うとか、そういった意味でこの基金の創設の必要性を感じております。
 それに関しまして、ふるさと納税なんですけれども、ふるさと納税の寄附の使い道として、今は、1つは福祉・健康施策、2つ目には子育て・教育施策、3つ目に環境・緑化・産業・観光推進施策、4つ目に安全・安心なまちづくり、都市基盤整備施策、この4つに使えると。5つ目に、市長にお任せというのもあるんですけれども、それは1番目から4番目のどれかに振り分けるということなので、このふるさと納税の寄附の使い道に、実は文化だとか、スポーツには使えないようになっていると思うんですけれども。スポーツの方は、ひょっとしたら、健康施策の方に入れられるのかもしれませんけれども、なぜ、その使い道の中にこの文化芸術が入っていないのかなというのは、実はずっと私、疑問に思っていたところなんですけれども、そういった文化に対しても、使えるようにしてはいかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 吉岡部長。



◯吉岡源裕市民部長 市の施策といたしましては、いろんなものがあると思います。塩見議員さん、おっしゃいました文化芸術について、そこに入っていないと申されますけれども、その他にも入っていないものはたくさんございます。その中で、5番目に市長が定めるものと申しますか、指定するものにもできるということでございますので、その辺はそれにふさわしいものがあれば、充てていきたいというように考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと違うと思うんです。5番目の市長にお任せは、あくまで市長にお任せなんだけれども、1番から4番の施策のどれかに振り分けるということなので、市長にお任せできる範囲もやはり限定されていると思うんです。



◯中谷尚敬議長 山下市長。



◯山下真市長 私の認識としては、お任せいただいた場合、列挙されている4つに限るという認識は持っておりません。正に、お任せという認識を持っています。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ホームページ等を拝見いたしますと、1から4のどれかに振り分けますと書いてあるんですが、いかがでしょうか。



◯中谷尚敬議長 吉岡市民部長。



◯吉岡源裕市民部長 条例の方では、福祉及び健康に関する施策、子育て及び教育に関する施策、環境・緑化・産業及び観光推進に関する施策、安全で安心なまちづくり及び都市基盤整備に関する施策等の事業の資金に充てるためでございますので、こういうことを言うたらあかんかもしれませんけど、何にでも充当できるという形になっております。文化芸術の分につきましては、教育委員会の方でこちら、現在、取り扱っておりますので、教育に関する施策というところには当てはまるかなというふうに考えております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ということであれば、ホームページの方、もうちょっと正確に記載していただきますように、よろしくお願いいたします。
 では、文化振興基金につきましても、今後、ご検討いただけるということですので、こちらの方もまた日を追って、再度、確認させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、次の2番目の提案型事業委託制度について伺います。
 ご答弁によりますと、全事業を対象にすることについてご懸念がおありのように見受けられたんですけれども、実はこの制度、対象事業に制限をかけてしまっては、これまでの委託と何ら変わるところがないと。そうではなくて、民間の事業として向く、向かないというのは、提案の後に審査で決めることであって、要は役所がやるのが一番と思ってきた、これまでのそういう既成概念を取っ払う、最初に対象事業に縛りをかけてしまわないのが、この制度の肝だと思いますね。ですから、結果として、投げ掛けた事業に対して、何の手を挙げられないというような場合もあり得ますし、また、手は挙げていただいたけれども、今行政が行っている以上に質の向上が見込めない、結局、不採択になるというような場合も、実際ございます。
 ですから、必ずしも全事業を対象にするということが、この制度をやらないという理由にはならないと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。



◯中谷尚敬議長 今井企画財政部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほど申し上げましたように、全事業となりましたら、やはり市の方でやるべき事業というのがございますので、それを提案いただいてから、これはやっぱり市の方でやる分ですよというのであれば、提案いただいた方々に失礼かなとも思います。ただ、おっしゃっていただいていますように、こういった市の方でやるような業務というのを明確にして、それ以外の分につきましては、今ご質問と言いますか、ご提案いただいているような形で出していくということについては、我々、行政の方が気付きにくい分野について、新たな提案と言いますか、いただけるということで、それは効果的というふうには思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 最初のご答弁でも、これから、やはり人的な資源が限りある中で、市民ニーズに応えていくということで、この制度をはなから否定するものではないと、今後の検討に値するということでしたので、また、それに期待したいところではありますけれども、市民が全事業を投げ掛けていただくと、市民が市の事業全てを把握できるという、そういうメリットが、まず、あるかと思います。この事業を行うことによって、市民だとか事業者が、やはり市政への参加意識、そういったものが高まるという効果も私は期待できると思っております。また、当然、こういう提案を行っていただくからには、行革にも期待できると。そういったいろんな面で、プラスな点が多い事業、制度であると私は認識しているんですけれども、これにつきましても、じゃ、ご検討いただけるということで、できましたら、いつまでにご検討いただけるのか、今お答えいただけるようでしたら、お願いいたします。



◯中谷尚敬議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 行政改革大綱の中にも、民間活力の導入と言うか、それについてはうたっております。そのやり方としては様々あると思うんですけれども、民間委託を推進するということには変わりございません。民間委託を推進するという中で、今ご提案のいただいている分も1つかと思っておりますし、いついつまでとは言えませんけれども、早い時期にこういったことにつきましても、検討して、どうするかを決めていきたいと思っております。



◯中谷尚敬議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 これにつきましても、先ほどの文化行政と同じように、また、後日、改めて進捗状況をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

2013年3月議会

平成25年第1回定例会(第3号) 本文




◯山田正弘議長 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。
 通告順に従い、順次、発言を許可いたします。
 まず、11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 おはようございます。今回は、本市の教育行政について、大きく2点、1つは教育委員会の在り方について、もう1点は分権時代の教育行政の在り方について質問いたします。
 昨今、いじめ、不登校、体罰、通学路の問題、給食アレルギー対応、特別支援教育等、教育に関する事件や問題がメディアに報じられることが多く、また、本市においては、小中一貫校、幼保一元化の問題もにわかに浮上し、教育行政の在り方、教育委員会の活動の姿勢が問われております。
 言うまでもなく、教育行政は、政治的中立と安定性の確保から、地方公共団体の長から独立して設置する教育委員会によって執行されることになっております。とは言え、教育委員会に予算編成・提出権はなく、また、教育委員は公選制ではなく、議会同意が必要とは言うものの、市長任命であることから、行政の長からの完全な独立はあり得ず、中途半端な立ち位置に置かれざるを得ないという側面もあります。
 しかしながら、先に挙げたような問題が山積する現状におきまして、その課題解決に向けての市教育委員会独自の積極的な関わりと取組が必要と考えます。
 そこで、まず、以下の4点についてお答えください。
 1点目、教育行政に関して、教育委員会と長、それぞれの役割をどのようにお考えでしょうか。
 また、地方教育行政法第24条の長の職務権限、同条の2の職務権限の特例の規定にかかわらず、社会教育を市長部局に移管するなど、教育委員会の権限の縮小を図ったり、首長がその権限を越えて教育に介入したり解体論を唱えたりする事例も全国には散見されますが、両者の関係はどうあるべきとお考えでしょうか。教育委員会委員としての教育長、市長、それぞれのお考えをお聞かせください。
 2点目、小中一貫教育や認定こども園、また、高山スーパースクールゾーン構想や南こども園創設に関して、合議機関としての教育委員会は、具体的にどのように関わってこられたのでしょうか。時系列で、順に、具体的にご回答ください。
 3点目、教育に関する諸課題について、これまでも教育委員会事務局では即時必要な対応をしてきておいでですが、合議機関としての教育委員会は、これらの課題に対して、今後、どのような姿勢で取り組まれるのでしょうか。
 4点目、行政から独立した機関として、施政方針とは別に、教育委員会として、毎年度、教育方針を議会で表明すべきではないでしょうか。
 さて、国から地方公共団体への分権改革が進展する中、地方教育行政法が改正され、教育行政に関しても、権限移譲の結果、市町村教育委員会の裁量が増しており、市独自の特色ある教育行政を行うことが求められております。分権時代の教育行政の在り方について、以下の点についてお答えください。
 1つ、市教育委員会としても、少人数学級編制、小学校における隣接校学校選択制など、独自の取組を行っておいでですが、市教育委員会の裁量を大きくすべき分野とそうでない分野、統一性をあえて残す分野、また、県教育委員会との役割分担について、どのようにお考えでしょうか。
 もう1点は、本市においては、平成21年に生駒市自治基本条例が制定され、まちづくりに参画する努力義務が規定されております。20歳未満の子どもについても、年齢に応じて参画する権利を有することも規定されておりますが、生駒市の学校教育においては、住民自治について、どのように教育し、まちづくりへの参画にどのような形で取り組んでおいででしょうか、ご回答ください。
 登壇しての質問は以上で終え、次の質問からは自席で行います。



◯山田正弘議長 早川教育長。
             (早川英雄教育長 登壇)



◯早川英雄教育長 おはようございます。それでは、塩見議員さんから頂きました生駒市の教育行政についてのご質問にお答えいたします。
 1点目の、教育委員会と市長の役割をどのように考えるか、また、両者の関係はどうあるべきか、市長と教育長、それぞれの考えを聞かせていただきたいとのご質問でございますが、事前に市長の考えを聞いておりますので、私の方から一緒にまとめてお答えいたします。
 まず、両者の役割についてでございますが、教育委員会は地方公共団体の執行機関の一つでございまして、地域の教育、文化、スポーツに関する事務事業を執行するとともに、市立学校の設置及び管理をすることが主な役割でございまして、これに対して、市長は、教育委員の任命、教育予算の編成と執行、教育財産の取得や処分、締結などで教育行政に関わります。
 次に、両者の関係でございますが、教育委員会は、市長から独立して教育行政を行うわけでございますが、教育行政に伴う予算措置を市長が行いますので、教育行政の現状と展望について、市長の理解を十分に得ておく必要がございます。
 また、市長は、教育行政の中立性、独立性を尊重する一方で、教育行政上の事故があった場合の最終責任者であるといった立場でもありますので、教育行政の実状を十分に把握しておく必要がございます。
 したがいまして、教育委員会と市長は、日頃から情報を共有し、意思の疎通を図っておくなど、連携を密にしておく必要があると考えております。
 2点目の、小中一貫教育や認定こども園、また、高山スーパースクールゾーン構想や南こども園創設に関して、合議機関としての教育委員会は具体的にどのように関わられたのか、時系列順に具体的に答えていただきたいとのご質問でございますが、昨年10月16日、教育委員会第10回定例会で、高山スーパースクールゾーン構想、南こども園の創設について報告いたしました。
 11月20日、教育委員会第11回定例会では、生駒市子ども・子育て支援懇話会の設置を報告しております。
 12月18日、第12回定例会では、タウンミーティングの報告と、保護者説明会の開催について、報告、説明いたしました。
 今年になってからは、1月15日、平成25年第1回定例会で、学校・園別の保護者説明会の開催日程と、生駒市小中一貫教育懇話会の設置を報告いたしました。
 2月14日、平成25年第1回臨時会は、保護者説明会の報告、小中一貫教育懇話会開催要綱及び懇話会参加者等について報告しております。
 2月19日の第2回定例会では、小中一貫教育懇話会の第1回会議の内容を報告いたしました。
 次に、3点目のご質問、合議機関としての教育委員会は、これらの課題に対して、今後、どのような姿勢で取り組まれるのかについてお答えいたします。
 これまでも、事務局から、説明会や懇話会で出された市民や保護者、教職員の意見をその都度報告し、教育委員の意見を受けて、教育行政に生かしてまいりました。これからも事務局は、情報提供、状況共有に努め、教育委員にも積極的に発言いただき、これまで同様、意見をよく聞いて、行政施策に生かしてまいりたいと考えております。
 4点目のご質問、施政方針とは別に、教育委員会として、毎年度、教育方針を議会で表明すべきではないかについてでございますが、市長の施政方針には、「子育てしやすく、だれもが成長できるまち」への取組が示されております。これと重複してしまいますし、教育委員会の点検・評価も毎年議会にご報告申し上げておるところでございます。また、生駒市学校教育の目標は広くホームページで公表しておりますから、ご理解いただきますようお願いいたします。
 しかしながら、私どもといたしましては、議会にも、教育方針等につきまして、十分にご理解を賜りたいと考えておりますので、今後、必要に応じて、周知方法等を含めて、議長に申入れをしてまいりたいと考えます。
 5点目のご質問、市教育委員会の裁量を大きくするべき分野とそうでない分野、県教育委員会との役割分担をどのように考えるかでございますが、県教育委員会にありましては、市教育委員会にない権限の主なものに教職員人事がございます。採用や異動、懲戒などの人事は県教育委員会が行い、市教育委員会は服務の指導監督を行っております。市独自に少人数学級編制をする場合には県教育委員会の同意が必要ですが、これまでもおおむね認めていただいております。講師派遣や給食の認可なども県教育委員会の役割でございますが、現行のままで特に問題は発生しておらず、特に見直しが必要とは考えておりません。
 最後の、住民自治についてどのように教育し、まちづくりへの参画にどのような形で取り組んでいるかというご質問についてでございますが、住民自治については、主に、社会科と学級活動において学習いたします。小学3、4年生社会科は地域社会の一員としての自覚を持つようにすることを、小学6年生社会科は日常生活における政治の働きと我が国の政治の考え方を学習することを、また、中学校公民的分野は、民主主義に関する理解を深めるとともに、国民主権を担う公民として必要な基礎的素養を培うことを目標に指導することとされております。
 また、小中学校の学級活動は、集団の一員として、学級や学校におけるより良い生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的な態度を育てることを目標に指導することが定められております。これらに基づいて、例えば、福祉をテーマとして、地域を回って、点字ブロックやスロープの実態を調べ、どのようにしていったらよいかを考える学習をするなど、発達段階に応じて、まちづくりに参画する素養を形成するようにしております。以上でございます。よろしくご理解賜りますようお願いいたします。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 12月議会の一般質問の折に、教育委員会では、どうしても事前協議会でいろいろ事前に話し合われてしまっていて、教育委員会本体そのものの方が形骸してしまっているのではないかという実態から、事前協議会をやめてはどうかというようなご提案もさせていただきましたけれども、この件に関しましては、早速、それを受け入れていただきまして、その点は高く評価させていただきたいと思います。
 ただ、その後、また2回ほど傍聴もさせていただいているわけなんですけれども、まだまだ議論の方が活発とは言えない状態ではないかなというふうにも感じるところでございますので、今後のますますの改善に期待したいと思います。
 今回、この教育行政という結構大きなテーマ、そして、教育委員会の在り方というようなテーマを取り上げさせていただきましたのは、やはり、高山スーパースクールゾーンや南こども園創設の計画が上がってきたことがきっかけなんですけれども、そのときに、やはり私といたしましては、この両構想について、教育的な観点での検討がなかなか見えてこなかったというところが問題点の根源としてございます。
 この高山スーパースクールゾーン構想、南こども園創設に関しましては、先ほどご答弁の中でもおっしゃっておりましたけれども、10月16日の教育委員会におきまして、まず、教育総務部長の方からご報告がありまして、その後、教育長の方が説明をされてございます。
 この報告は、実は、その日の全ての審議を終えた後に、追加日程として生駒市教育委員会教育長に対する事務委任等に関する規則第6条第5号の規定に基づいてなされております。第6条というのは、教育長が教育委員会に対して速やかに報告しなければならない事項について定めたものなんですけれども、その第5号には、「その他教育委員会が必要と認めた事項に関すること」とございます。この第5号を適用しての報告は適切だったとお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 これまでにも、教育行政に関わるいろんな事業等につきましては、素案を事務局で立てて、それを教育委員会に報告し、そこでご審議いただくと、こういう方法を採っておりました。
 今回は、構想自体が市全体に関わる構想でございますので、市全体で協議をし、構想をまとめていったと、そういうところでございます。
 あくまでも素案でありますけれども、こういう案を市は立てたけれども、教育委員会は今後の教育行政を考える上でどのようにお考えかということで提案をさせていただいたわけでございますので、私はその形は間違ってはいないかなと、このように思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 手続的なことになるかもしれないんですけれども、教育委員会が必要と認めた事項に関して、この第5号というのがあるんですけれども、当日の委員会で、必要と認めるかどうかというのを諮られた形跡も全然ないんですけれども、この必要と認めるかどうかというのはどこでどう判断されてのことなんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 私自身も教育委員の一員でございますので、また、事務局の総責任者でもございますので、その時点で私自身が判断をして、これは教育委員会で諮っておかなければいけないと、教育委員会でご審議いただかなければいけない事項だということで判断をして提案をしていったと、こういうことでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 事務局の長である教育長お一人の判断でそれが必要と認めるかどうかということは決定付けていいと、そういう権限がおありということでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 この場合にはそのような形を採らせていただきました。全てに適用するかどうかは、また別問題だと思いますけれども。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっとそれが分からないんですけれども、ここで、「教育委員会が必要と認めた事項に関すること」とあるからには、やはり、教育委員会の合議機関の中でしっかり諮った上でやらなければいけないのではないかというふうに私は考えるということをまずはご指摘申し上げます。
 その他の第1号から第4号については、教育長が教育委員会に代わって臨時に代理した場合であるとか、教育長に委任した事項中特に重要な事項に関することというような規定もございますけれども、あえてこれらの規定を適用されていないというのは、この場合、教育長は教育委員会の代理でもないし、委任もされていないというご認識はあったものと、そういうふうに理解してよろしいですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 そのようなことで結構だと思います。教育委員会が教育長に事務委任をする条項というのがあるわけなんですけれども、唯一、人事等に関わることは委任できないと、そういう禁止事項もございますので、それには該当しなかったと思っておりますので、そういう形で提案をさせていただいたということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今回のように、高山スーパースクールゾーン構想であるとか、南こども園創設に関すること、これは教育委員会の所管に属する学校その他の教育機関の設置・廃止、これに該当すると考えてよろしいですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 大きく言えばそういうふうなことになると思うんですけれども、実際には現在ある小学校、中学校を、新しく別な形を設置するのではなくて、施設を一体化して造り直すと、こういう形でございますので、その辺が難しい判断だと思いますけれども、教育委員会の設置、新しい形の学校を設置すると、そういう条項の中に入るのかなと、このように思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この条項に入っていれば、当然、これは教育長に委任できない事項ということになろうかと思うんですけれども、代理でもなく、委任でもなく、また、第1号に定められているような、別に以前の会議に付された形跡もなく、また、第3号のような政府や文科省からの通知の報告でもないと。でもって、別に、どの場でもそれまでに諮られてもいない。ということを考えると、実は、この第1号から第5号までのどれにも入らないんじゃないかなと思うんです。
 つまり、この案件は、やはり、報告なんかで済ませるべき、報告で片付けていいような案件ではなかったんではないでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 慎重に審議すべき案件だと、このように今理解しております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この報告に対しましては、教育委員さんからも、このような報告形態はふに落ちないであるとか、教育委員長からも事前に報告があるべきであった、教育委員会の是非論、無用論も問われる中で、このような報告の仕方はいかがなものかと、不快感あらわな報告が相次いでおります。教育委員会に対してこのような報告形態を採られたことについて、どのようにお考えでしょうか。適切であったとお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 先ほど申しましたように、新しい事業とか、これから事務局が取り組む、また、教育行政として取り組んでいく事業につきましては、事務局で素案を作って、それを提案していくと、こういう形を採ってきたわけでございます。今回は、その手法については厳しいご批判も頂きました。市民の方からも頂きました。
 ただ、先ほども答弁したと思いますけれども、今までの形から考えて、これが全て決まったものとして提案をしたものではなくて、これからご審議いただくと、そういう構想で、あくまでも原案としての構想でありますということで提案をしているわけでございますので、今までの手法とは変わってはいないと、このように理解しております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 生駒市が初めて取り組もうとしている小中一貫、幼保一元化の問題を教育委員会への報告だけで済ませようと、そういうふうにお考えであること自体、私にとっては信じがたいことでございます。そもそも、これは追加日程で上げるようなことなのか。
 前々から申し上げているように、こういった教育に関することは、ハードよりも、まずソフトでの観点が大切であると。ですから、先ほど、時系列順に、小中一貫、幼保一元、そして高山スーパースクールゾーン、南こども園構想についてどういった議論が教育委員会の中でなされたのかということをご質問させていただいたわけなんですけれども、高山スーパースクールゾーン、南こども園創設、そういう具体的な今回の構想に対しての議論の経過はお答えいただきましたけれども、それまでに、小中一貫教育であるとか幼保一元のことについて、教育委員会で議論をされた、そういったことはなかったんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 正式にはございませんでした。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ですから、本来、小中一貫、幼保一元ということが教育委員会の中で話し合われていて、そしてこの構想が上がってくるということであれば分かるんですけれども、今までそういう議論が全くなかったというところが今回の質問の契機にもなったわけですけれども、やはり、教育委員会がこんな状態でいいのかなという疑問へとつながってまいります。
 この日の報告の中で教育長は、市長からご提案いただき、福祉健康部と協議の結果、取りまとめたものというふうにご説明されているわけなんですけれども、地方教育行政法の第26条の規定で教育長にすら委任できないような事務を市長が行うというのは、やはり教育委員会の職務権限を侵害しているのではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 小中一貫教育をどうせよとかどうするべきかとか、これについて考えよと、こういうご指示はございませんでした。高山スーパースクールゾーン構想全体について、市長から、教育行政として、教育委員会として、どのように考えていったらいいのかと、そういうご提示はございました。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ということは、10月16日に初めて教育委員会に提示されたので、そこから教育委員会は、これからこの問題について考えていくと、そういうことでよろしいですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 そのとおりでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 とは言え、あれから、10月以来、何回か、定例会、臨時会を含めて、教育委員会が開催されておりますけれども、具体的にこの問題について議論されている、そういった痕跡は全くないんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 当初、一番最初のときに、10月16日でしたか、ご提案したときに、先ほど塩見議員のご質問の中にもございましたように、委員長から手法についての厳しいご指摘はございました。と同時に、その時点で、そのものはいいと、時流にのっとったいい案なので、住民や保護者の方々とか、十分ご意見を聞きながら慎重に進めてくださいと、そういうご意見をそこで頂いております。
 ただ、こども園等につきましては、大規模化する懸念は委員さんから出ました。そういうこともありますので、今後、教育条件の整備等を含めて、慎重に取り組んでくださいと、こういうご意見も頂きました。
 それと、その後、この小中一貫教育を北地区で開設するに当たって、具体的なカリキュラムの中身とか、そういうことをもっと示す必要があるのと違うかと、こういうご意見等も頂いております。以上です。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 それが議論の全てであったということですね。もう一度、これだけ確認させてください。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 私はそういうふうに思っております。
 この進め方は、先ほども言いましたように、やっぱり地域の住民、また自治会、それから教職員、そういうご意見を十分尊重しながら丁寧に進めてくださいと、こういうことでございますので、これまでもご質問にお答えしましたように、その後は懇話会の結論を十分に尊重していくようにと、こういうご指示も頂いておりますので、教育委員会で改めてこのことについて検討すると、話合いをするという機会は今のところ持っておりません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 保護者説明会や懇話会、タウンミーティング等にも参加させていただいておりますけれども、そこで上がってきている保護者や地域の方々のご意見は本当に様々なものがございました。そのボリュームに比べて、教育委員会での議論というのは余りにも小さいものであると、わずかなものであると、非常に物分かりのいい委員さんであるというふうに思わざるを得ない状況であります。
 先ほど教育長も少し触れられておりましたけれども、たしか、2月、先月の臨時会での教育委員さんのご発言だったかと思うんですけれども、その中で一人の教育委員さんが、小中一貫の9年間を見通した教育方針を教育委員会として示す必要があるのではないかというふうに、そのようにおっしゃいました。これはまだ会議録が出ておりませんので、あくまで私の傍聴メモでございます。それに対して、教育長が、ここでの意見がどの程度反映できるのかどうかというようなところで、ちょっと詰まられているような場面がございました。
 私がそれを傍聴しておりまして感じましたことは、教育委員会と教育長の主従関係が逆なのではないかと。教育長のそのご発言を私が伺ったときに感じたのは、教育委員会がまるで教育行政機関の諮問機関であるかのような、そういう印象を受けたんですね。そうじゃなくて、教育委員会は、教育の基本的な方針、一般方針を示すところなので、やはり、ここでの意見が小中一貫の方に反映できるかどうか分からないというような、そういったご回答には非常に疑義がありますけれども、その辺、教育長はいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 そのときの私の発言は、具体的な教育のカリキュラムにつきましては、これは学校が決めることでありますので、私どもがそれについて決定的な意見を言うことはできないでしょうと、こういう発言をしました。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 そういうご真意であったということは今理解いたしました。
 その後、教育総務部長の方が、やはり、委員さんのご意見もしっかりここで伺いたい、ソフトに関する意見もこれからお伺いしたいというようなことを補足されていたので、ひょっとしたら、これからまた教育委員会の中で、この問題について、ソフト面で審議されていくのか、9年間を見通した教育方針ということについて話し合われていく余地が、余地があるというのもおかしくて、本来そうあるべきだと思うんですけれども、そういうふうに感じたんですけれども、今後、そういう議論、小中一貫に関しての議論の場が教育委員会の中で予定されているというふうに理解してよろしいでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 懇話会の結果とか、また、いろんなところでアンケートとか、住民のご意見等を集約した場合には、その都度、教育委員会に提示しておりますので、また、それに基づいて教育委員さんの方から、新しいご意見とか、今後の取組等についてご意見が出ようかと、このように思うわけなんですけれども、そういうご意見等を中心にしながら、今後も更に幾たびか議論になろうかなと、このように思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 全国的に教育委員会が形骸化しているというようなことはよく指摘されるところなんですけれども、今回の高山スーパースクールゾーンですとか南こども園構想の案件における市長や教育長の動き方を拝見しておりますと、職務権限を越えているというところまで断言はできないのかもしれませんけれども、やはり、ちょっと行き過ぎではないかという懸念を抱かざるを得なかったということはご指摘申し上げます。
 4つ目の質問なんですけれども、施政方針とは別に、教育委員会としての教育方針を議会で表明すべきではないかという質問、この質問は、教育委員会の市長部局からの独立ということを明確にするためにも是非実施していただきたいという思いはございます。
 教育長が教育方針について、市長の施政方針とは別に、同じときに行っているというような、そういうケースは全国の自治体議会の中でも数多く見受けられますので、本市においては、子育てしやすいうんぬんと、そこで一括されているからいいんだと、そういうことですけれども、また、ホームページ等でも教育の重点目標についても掲げられているし、特に必要でないというご意見なんですけれども、しかしながら、市長部局と別のものであると、そういうところの位置付けを明確にするためにも一度ご検討いただきたいと思いますし、また、教育委員会の方にもこの件につきましては上げていただきまして、ご検討していただければと思います。
 続いて、教育に関する諸課題について、今後、どういうふうに取り組まれるのかということなんですけれども、教育委員会無用論、不要論、そして弱体化、形骸化していく中で、これから教育委員会をどういうふうにしていけばいいのかというので、1つは、今の教育委員会をより活性化させていくという方向性があると思います。もう1つは、別に予算権もないんだし、公選制でもないし、そういう実態、元々形骸化して当然という、そういう制度をそっくり受け入れてしまって、権限を市長部局に移してしまって、教育委員会そのものの機能を縮小させていくというような考え方をおっしゃる方もおられます。
 あとは後の方の分権時代の教育行政にも関わっていくんですけれども、やはり、独立性が保たれなければいけないと、政治的、宗教的に左右されてはいけない分野、そこに限って教育委員会を今のまま持続させて、そうではない部分は市長部局の方に移管するという、そういった大きく分けて3つのパターンの方向性が、今、結構、学者を巻き込んで議論になっているかと思うんですけれども、教育長としては、どういう方向性がこれからの教育委員会の在り方として、目指すべき方向として適当であるというふうにお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 私自身は、教育委員会が制度化されたことの意味を考えますと、教育委員会の活動を今よりももっと進めていくと、活性化を図っていく、より、教育行政、教育委員さんが教育行政に関わっていける、また、学校教育現場、社会教育現場と密接に関わっていけるような体制づくり、そういうのが必要でないかなと、このように思っております。
 先ほどから委員さんのご指摘にございましたように、形骸化というのが厳しく問われているわけでございます。私どもも、これまで提案をしていったのが、最初からたたき台として話し合っていくという形じゃなくて、既に事務局の方である程度の素案をまとめた上でご提案すると、こういうふうな形を大部分で採ってきたわけなんですけれども、そういうことじゃなくて、最初から教育委員さんで練っていくと、その案を立てていくということが必要ではありますので、現在、条例上、月に1回の定例会しか規定されていませんけれども、その都度、臨時会を頻繁に開いて、集中的に審議していこうと、こういうことで既に取り組んでおります。
 今までは定例会の中で学校教育目標を審議してきたわけなんですけど、学校教育目標とか、いじめや生徒指導問題とか、学力の問題とか、こういう大きな教育行政の根本に関わるようなことにつきましては、定例会と別に臨時会を持って、そこでしっかりと審議していくと、こういう形を現在採りつつあります。最低、2カ月に1回はそういう形を採っていくと、こういうことであります。
 それと、もう1つは、先ほど申しましたように、市長と教育行政というのは、教育委員会は独立した組織ではありますけれども、いろんなところで市長との関わりは出てくるわけでございます。そういう意味で、市長との懇談会も既に今年度は2回持っておりますし、市長さんと教育委員さん全体との懇談会を今後も必要に応じて密に持っていこうと、こういう話合いは市長としているところでございます。そういう意味で、今まで以上に教育委員会の活性化を図っていかなければいけない、こういうことでございます。
 もう1点は、学校教育現場と教育行政、また、教育委員さんの関係を密にするために、今まで、学校行事、卒業式等は教育委員さんは出席をしてたんですけれども、定期の学校訪問には教育長だけが出席をしておりました。そういうことから、私が教育長に就任してから、各教育委員さんも学校訪問に行っていただくということで、今のところは年間1度でございますけれども、現場に出て、直接、学校長、また教員の方、それから授業を見ると、そういうことをやっていただいております。何とかそういうことを通じて、教育委員さんは非常勤でありますので日程調整は大変難しいんですけれども、そういう形で活性化を図っていきたいと、このように考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 学校訪問等につきましては、以前よりも頻繁に学校現場の方に足をお運びいただいているということは私もよく存じ上げておりますし、昔に比べて、今は、徐々にですけども、活性化は進んでいるというふうに私も思っております。
 すみません、やはり市長にもお伺いしたいんですけれども、教育委員会の方向性として、今、教育長の方では、活性化の方向でというふうにお答えいただいたんですけれども、市長も同じお考えというふうに受け止めてよろしいでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 今回答弁させていただくに当たりまして、その辺も十分に話し合った上で答弁させていただいております。教育長と同感でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、これからますますその活動を活発化させていくことを目指すということをお伺いいたしました。
 その上でお伺いしたいんですけれども、昨年の8月に開催された教育委員会の中で、欠員となっている教育委員会委員の推薦や教育委員会の在り方について、教育委員さんの方からご意見が出ておりました。活性化の必要性ということについては、やはり各教育委員さんの方でも十分ご認識をお持ちだと思うんですけれども、その意見が出た後、具体的に教育委員会をどう活性化させていこうかというようなことについて、何か議論はされたんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 どのように活性化していくかということですよね。先ほど申しましたように、市長との懇談会をしっかり持ちましょうと。もう1つは、定例会以外に臨時会を持って、重要案件についてはしっかり時間を取って慎重に審議していきましょうと、こういうふうなことが主なご意見だったと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 続きまして、その委員数の方なんですけれども、欠員状態が続いているということなんですが、これは議会の方でも、何度か議員の方から、早く5人という定数を埋めるようにというような意見もあったかと思うんですけれども、地方教育行政法第3条に照らし合わせて、これ、欠員1が続いていて、ずっと4人体制で来ておりますので、こういった状態が続くということが、法に照らし合わせて、果たしていいのかどうかと、その法にどこまで強制力があるものなのかということを私も文科省の方に問い合わせさせていただきました。
 そうすると、ご回答は、適合か、不適合かというと、不適合、違法な状態と言えるというご回答でございました。とは言っても、全国的にも欠員であるというような自治体は散見されると。鎌倉市とか、つい最近、新しい教育長のご提案がありましたけれども、田中知事時代の長野県なんかでは教育長そのものが不在であったというようなケースもございます。そういうふうなこともございますし、あるいは、市長が替わったときに、議会との関係から同意を得られないというようなことで、実質的に、市長が推薦しても議会の同意を得られないということで、教育委員さんを選任できないというようなケースもあって、なかなか指導するということは難しいというような、そういうご回答だったんですけれども、でも、やはり、速やかな対応はお願いしたいと、そういう見解でございました。
 生駒の場合は、別に教育委員さんの選任に関して不同意というようなケースは今の山下市長になられてからここ数年ございませんので、ですから、別に議会が同意を拒んでいるというようなこともございませんので、やはり、これから議論を活性化させていくという意味でも、欠員は早期に解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 私からお答えさせていただきます。
 欠員はできれば解消したいと思っていますけれども、現在、4人の委員さんがおられますけれども、それぞれ、小、中、高、大学での教育経験があるか、現在もその教職に携わっておられる方なんです。そういう意味で言うと、教育関係者という点ではバランスが取れていると思いますけれども、今度、5人目をお願いするとすれば、やはり、教育関係者以外の方で、また別の視点を持っておられる方がいいのかなというふうにも思っております。保護者を入れるという点では、既に1人、保護者もされている方が委員をされていますので、その必要はないかなと思っているんですけれども。
 一方で、塩見議員がご質問いただいてるように、頻繁に教育委員会を開催して、そこで実質的な議論をするということになると、やっぱり時間的なゆとり、そしてまた、意欲がある人である必要があると思うんです。そうすると、なかなかフルタイムで働いている人ということになると難しい。夜間に教育委員会を開催するという方法もございますけれども、それでもフルタイムで仕事をしながら教育委員会の仕事もするというのはなかなかハードだと思います。
 そうすると、そういう人材が教育関係者以外で、かなりの労力と時間をこの業務に割けて、なおかつ、人格、識見ともに高い人ということになった場合に、ちょっとすぐには思い浮かばないなというふうに思っております。
 これはあくまで一般論でございますけれども、地域によっては教育委員が名誉職的なものになっているというようなところもあるようでございますけれども、生駒市教育委員会はそうではないと思いますし、実質的な役割を果たしていただきたいと思いますので、そうすると、やっぱりその人選が難しいなということは思っております。
 例えば、公募をするといったこともこれから考えられると思いますけれども、その辺、教育委員会活性化の手法として、そういう新しい風を吹き込むと言いますか、別の視点を持った方に入っていただくというのもいいかなと思っておりますので、これから考えたいと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 これは分権の流れで、地域の多様な意見を反映するという意味でも、いろんな層からの方を入れるべしというようなことでの制度改正もございましたので、そういった観点から是非ご検討いただきたいと思います。
 さらに、この3月3日に鎌倉市が教育委員の候補について、教育についての考えを述べるという説明会を開催している、そういう実態もございますので、今は単に、簡単な経歴とか生年月日と住所を書いた資料を配られるだけなんですけれども、そういったことも一度ご検討いただければと存じます。
 続きまして、県教育委員会との役割とか、市教委ならではの独自の取組ということなんですけれども、先般から体罰に関するアンケートもございましたけれども、これは2月の臨時会で傍聴させていただいたときに資料としてちらっと拝見しただけですので、詳しくは見られなかったんですけれども、奈良県では、その場で生徒に記入させて、袋に詰めて、担任がその場で封をすると、そういうことだったんですけれども、アンケート用紙を見ておりますと、結構細かく記述するようなところがございまして、そこの場で書いていること自体、体罰を受けているということの現れというふうに取られかねない、そういったことも、ちょっと、このアンケートの形式はどうなんだろうというような疑問をその場で感じました。
 他の都道府県の話を聞きますと、家庭でアンケートを書いてきて、封をして担任に渡して、学校では開封せずに、そのまま教育委員会で開封するというようなこともありますので、県教委から言われたとおりじゃなくて、市教委独自で本当に最善の方法とはどういうことなんだろうというような検討がされてもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 実際にはなかなか難しいことだというふうに思います。今回は県教委の示された、これは県独自の形なんですけど、文科省がそういう形を示したわけじゃなくて、今、議員さんがおっしゃいましたように、いろんな手法を各県が採っているんですけれども、奈良県ではそういう形を採ったと、私どもは上級機関の指示を受けてやったという形ですので、そこで意見を言えといえば、そうかなと思うんですけど、なかなか意見を言うのは難しい関係でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 上から、これでやりなさいと言われたら、それに従わざるを得ないのかもしれませんけれども、こういういじめだとか体罰だとか、そういう大きな問題が出てきたときには、何も上から指示されるのを待つのではなくて、こちらから積極的にアンケートを採るというようなことがあってもいいかと思います。
 あと、最後に、まちづくりに参画する、住民自治について学校教育でどうあるべきかということなんですけれども、生駒市民というのは、昼間は大阪に通勤して、夜は寝に帰るだけということで、なかなか住民自治ということが根付きにくい、そういった特性がある住民ではないかと思います。
 そのためにも、こういう住民自治というのは子どもの頃から意識して醸成していかなければいけないと思うんですけれども、最後に1つだけ紹介させていただきたいのが、北海道の八雲町というところなんですけれども、平成24年から自治基本条例を小学6年生の社会科と中学校の公民の教材にしております。イラストもいっぱい入っていて非常に分かりやすい内容になっておりますので、本市でも取り入れていただくことをご提案申し上げて、終わらせていただきたいと思います。