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会議録(塩見まきこの質問)

2012年6月議会

平成24年第3回定例会(第3号) 本文




◯山田正弘議長 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。
 通告順に従い、発言を許可いたします。
 11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 おはようございます。久々に質問の機会をいただきました。今回は2点。1点目は地域主権改革一括法施行に伴う課題について、2点目は第5次総合計画の検証と後期基本計画策定方針について質問いたします。
 まず、1点目の地域主権改革一括法施行に伴う課題について質問いたします。
 地域住民一人一人が自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負う地域主権の確立を目指し、平成23年5月2日、8月30日に、第一次及び第二次地域主権改革一括法、すなわち地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律が公布されました。これによって地方自治体では、国による義務付け、枠付けが緩和され、条例制定権が拡大されるとともに、協議、同意、許可、認可、承認が見直され、本市でも奈良県からの権限移譲が拡大されることになり、一部を除き本年4月から既に施行されております。これまで国が法令で事務の実施や方法を細かく規定していたため、自治体が地域の実状に合った行政サービスが提供できなかったという問題が今回の義務付け、枠付けの緩和と条例制定権の拡大等によって解消され、市が国や県ではなく住民の方を向いて事務を執行できるようになることが期待されます。
 また、平成12年施行の地方分権一括法、すなわち地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律に基づく県の特例条例によって、段階的、限定的に行われてきた権限移譲も、今回の改革で市民対応が迅速になり、きめ細かな対応がなされることが期待されます。
 その一方で、真に地域主権を確立し、市独自のまちづくりを実現するには、本市が地域主権一括法の趣旨を生かして、地域事情に合った条例整備を行うとともに、権限移譲によって新たに生じた事務を円滑に行うことが必要ですが、そのための人的・財政的体制、いわゆる人と金の手当をどうするのかが懸念されるところです。これらの課題に適正に対応するため、以下の点について市の考えをお聞かせください。
 1つ目、地域主権改革一括法について、市はどのように評価しておいででしょうか。
 2つ目、地域主権改革一括法が本市の施策に与える影響はどのようなものでしょうか。
 3つ目、奈良県から生駒市への権限移譲が本市の行政事務や執行体制に与える課題をどのように捉え、またそれに対してどのように対処するおつもりでしょうか。
 4つ目、施設等の基準の条例制定に向けての市の基本理念、条例整備に向けてのスケジュールとプロセスをお答えください。
 次に、2点目の第5次総合計画の検証と後期基本計画策定方針についてお尋ねいたします。
 まず、第5次総合計画の検証についてですが、平成21年度に策定した第5次生駒市総合計画の平成22年度検証報告書が、平成23年9月に生駒市総合計画推進市民委員会から提出されました。計画を策定しっぱなしにすることなく、PDCAサイクルに基づいて進行管理する取組は評価したいと思いますが、今後、より精度の高い検証を行うと同時に、検証結果を実施計画や予算編成に確実に反映させていくことが求められます。以下の点についてお答えください。
 1つ目、総合計画進捗状況の検証結果に基づく推進市民委員会からの評価をどのように受け止めておいででしょうか。推進市民委員会による外部評価の前に担当部局で行った内部評価との差異も含めてお答えください。
 2つ目、この検証結果を平成24年度実施計画や予算編成にどのように反映させたのか、お答えください。
 次に、後期基本計画の策定方針についてですが、前期基本計画の計画期間は平成25年で終了し、平成26年度からの後期基本計画を今後策定する予定です。昨年末に公表された平成24年度実施計画表によれば、策定内容は前期基本計画をベースとして、指標の入換えや目標値の修正、取組項目の見直しを中心に行うとあり、基本的に前期基本計画における策定方針をそのまま踏襲するものと理解いたしますが、計画目標の実現のためには具体的な年次的事業計画やその裏付けとなる財源の提示が不可欠と考えます。また、4年間の市長任期と5年間の基本計画期間とにずれがある中で、市民と市長との契約である市長マニフェストを総合計画にどのように盛り込み、整合性を図るかということも課題です。そこで、以下の点について伺います。
 1つ目、人口推計だけではなく、財政推計を提示した上で、年次的事業計画をセットに後期基本計画を策定することについてどのようにお考えでしょうか。
 2つ目、市長マニフェストを総合計画に反映させるため、計画期間や策定時期を見直すことについてどのようにお考えでしょうか。
 登壇しての質問は以上で終え、追加質問は自席にて行います。



◯山田正弘議長 今井企画財政部長。
             (今井正徳企画財政部長 登壇)



◯今井正徳企画財政部長 おはようございます。それでは、塩見議員さんの一般質問に答えさせていただきます。
 まず、1番目の地域主権改革一括法の施行に伴う市の課題についてお答えさせていただきます。
 まず、1点目の一括法に対する市の評価についてでございますが、施設等の設置・管理基準等が条例委任され、また、県の事務が市へ移譲されることにより市独自で基準を設定することができ、より市の実状に応じたサービスの提供が可能になると考えております。また、義務付け、枠付けの見直しや権限移譲については、地域の実状に合った自治体の創意工夫による独自の施策を行うことができ、自治体間の競争、格差がますます激化するものと考えております。
 次に、2点目の一括法による本市の施策に与える影響についてでございますが、義務付け、枠付けの見直しについて、特に施設の設置・管理に関する基準については、福祉施設など、今後、市の施策に対し、大きな影響があることから、市の実状に合った基準を検討し、定める必要があると考えております。また、権限移譲については、厳しい財政状況や職員数の削減を進める中、現行の事務に加え、移譲された事務を市で処理することから、事務量の増加など、市の財政的・人的負担が増えることは確実でございます。このことから、従来の市の施策を含め、より効率的で効果的な事務の執行に努めていく必要があると考えております。
 次に、3点目の奈良県から本市への権限移譲や本市の行政事務や執行体制に与える課題についてでございますが、権限移譲につきましては、先ほど申し上げましたように市の財政的・人的負担が増えますが、これは本市に限らない問題でございます。権限移譲に伴う負担増に対しましては、行政改革を不断に進めるとともに、財政負担については、市長会等を通じて地方への税源移譲等を強く要望するとともに、人的負担については、効率的な事務処理、民間派遣や研修等による職員個人の政策形成・事務処理能力の向上などを図り、対応していきたいと考えております。
 次に、4点目の一括法による法令基準の条例制定に向けての市の基本姿勢並びに条例整備のスケジュール及びプロセスについてでございますが、条例制定に向けての基本姿勢については、条例により基準を定めることになりますが、政令等による一定の制約もあり、他市の実例や本市の状況等を踏まえた上で、本市に適切な基準を設定していきたいと考えております。条例整備については、現在、各担当課において、県との調整や県内他市等の状況の情報収集、条例案の検討を進めており、12月議会で提案を予定しております。
 次に、2番目の第5次総合計画の検証と後期基本計画の策定方針についてお答えさせていただきます。
 まず、第5次総合計画の検証についての1点目の、委員会からの評価をどのように受け止めているかについては、昨年9月の報告は2回目の実施でございまして、検証シートや検証方法が固まり、さらに担当部署の職員の出席についても評価していただき、総合計画の検証が定着するものと考えております。また、指標については見直しの必要性を認識し、参考指標や代替指標で対応し、後期基本計画時に整理していきたいと考えております。さらに、行政以外の役割分担の分担状況が課題となっている分野もございまして、本年実施いたします満足度調査において役割分担に関する意識についての設問も設けております。個別分野については、内部評価との差異は51分野中6分野でございまして、ほぼ担当部署との評価はずれがなかったものと考えております。
 次に、2点目の、検証結果を実施計画や予算編成にどのように反映されたかについてでございますが、現状では担当課の自主的な予算要求に委ねている状況でございますが、平成24年度の予算については、市民協働の分野において参画と協働の指針の作成や、特別支援教育分野では特別支援教育支援講師の充実、土地利用の分野では空き家・空き地対策事業、社会保障の分野では生活習慣病予防に向けた取組などについて予算措置を行い、市民委員会からの意見を反映いたしました。
 次に、後期基本計画策定方針の1点目の人口推計だけでなく財政推計を提示した上で年次的事業計画をセットに後期計画を策定することについての考えについてでございますが、総合計画に係る事業費の総枠が5年後まで明確になれば、計画の実効性が高まり、加えて計画策定時に推計する財源の範囲内で事業の重要度により優先順位が付けられ、政策選択の推進や事業の見直しの効果が期待できると考えております。しかしながら、長引く景気の低迷という経済情勢や、社会保障や税制等の社会システムが急激に変化する社会情勢にあって、地方財政は毎年度見直される国の地方財政計画に影響を受けております。
 また、中期財政計画は、経常収支の見通しを明らかにし、政策的経費の投資可能な一般財源を試算したものであり、5年間にわたる市全体の財源を具体的に示す財政計画と総合計画をセットで策定することは難しいと考えております。既存の実施計画につきましては3年を計画期間とし、毎年度見直しをするローリング方式を採用しており、事業内容を具体化かつ明確化し、予算編成の指針とする計画としては3年が適切な計画期間であると考えることから、今後も現行の制度で策定していきたいと考えております。
 最後に2点目のマニフェストを総合計画に反映させるため計画期間や策定時期を見直すことについてでございますが、マニフェストと市長任期が連動した計画を策定することで、より公約実現性は高くなると考えております。このことは、公益財団法人日本生産性本部の本年4月の地方自治体における総合計画の実態に関するアンケート調査の調査結果報告書での総合計画と市長マニフェストとの関係についての質問で、「計画期間は一致している」が市区町で4.4%ございましたが、「計画期間は一致していないが、関係は整理している」との回答が54.3%ございました。本市におきましても、総合計画と市長マニフェストはそごのないようにすべきとは考えておりますが、計画策定には最低でも1年程度の期間を要し、また、進行管理はその翌年からになることから、市長マニフェストの実現に向けた迅速な対応からすれば、実施計画等での対応等で関係を整理しておくことが適切と考えております。
 以上でございます。よろしくお願いします。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、まず地域主権改革一括法の課題についての方から追加質問させていただきます。
 この地域主権改革一括法についての市の評価ということで、市独自の基準を実状に応じて定められる、それが市民サービスの向上につながる、また、市独自で創意工夫を凝らすことができて、自治体間の競争も図れるというようなお答えであったかと思うんですが、その他にもやはり個性的なまちづくりが可能になる。この地域主権改革一括法というのは、今まで国で法で定められていた施設ですとか人員の員数だとか資格、そういった基準に従うしかなかったのが、それがそれぞれの自治体の条例で独自の基準を定められるようになったわけなんですよね。もちろん、指針として政令や省令が示す従うべき基準、標準、それから参酌すべき基準というふうに拘束度は様々あるんですけれども、それでも何が何でも絶対にこれに従わなければいけないというような基準ではなくなったと。市民にちゃんと合理的な説明ができれば、市独自の基準を定められるようになったという点で、私は、個性的なまちづくりがこの一括法によって可能になったのではないかというふうに思います。
 また、条例化するということは、ご存じのように地方自治法の第74条に規定されている直接請求での改廃の対象にもなるということなんです。ということは、この基準では地域の実状に合わないと考える市民が一定集まれば、そしたら直接請求に至って、またその議決を経てその基準を変えるということも可能になってくるということなんですね。そういう意味では、市民主体のまちづくりが可能になるという評価も与えられていいかと思います。
 また、県から市への権限移譲についてはお答えもくださっていたんですけれども、今回の権限移譲というのはまだほんの一部ですし、この権限移譲によって、これまで市は意見を付すけれども、許可を出すのは県だったというふうに、市民や事業者からしてみたら、身近なことなんだけれども、わざわざ県に行かなければいけなかったとか、あるいは県の言うことと市の言うことが食い違って困ったりしたなんていうようなことも解消されて、ワンストップサービスが図れるようになったんじゃないかと。また、その一括法によって事務量が増えるというようなこともお答えくださっていましたけれども、やはり県が行っていたような点検や測定業務なんかを今度は市が行うことによって、逆にち密なチェックが行えるようになったということで、市民生活の向上に資するようになったと。逆に、今まで県に報告を上げなければいけなかったのが、上げなくてよくなったとか、あるいは、県の事務に対して市職員も立ち会っていたのが、それを解消されるようになったとか、そういった事務の効率化につながった面もあるかと思います。
 私が考えるこの地域主権改革一括法のメリットというのは今申し上げたようなことなんですけれども、逆にやっぱりデメリットと言うか、地域主権改革一括法の柱である施設ですとか人員等に関する基準の条例化については根幹の部分はまだまだ国が握っていると。もう一つの柱である権限移譲の部分も、事業の権限ではなくて、事務の権限にすぎないと。地域主権と称するにはほど遠い、不十分だというような評価もあるんですけれども、我が市はこの地域主権改革一括法をやはり地域分権に向かって前進したというふうに前向きに評価しておいででしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 おっしゃるとおりでございまして、こういった一括法に伴いまして、それをプラスというふうに考えながら、先ほどご指摘もございましたように、住民の方々、市民の方々への説明責任も果たしながらやっていくことによって市民サービスの向上につながっていくというふうな形に持っていきたいと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 プラス評価を大きく捉えて、前向きに捉えていきたいというようなご答弁をいただいて、ちょっと安心しているんですけれども。と言いますのは、先ほどもご指摘いただきましたように、やはりこれによって財政的、人的な負担が新たにかかってくるということもございます。
 2番目の質問のところでお聞きしたかったのは、施策に与える影響ということだったんですけれども、どちらかと言うと、そういう財政的な負担、人的な補充をしなければいけないというような、事務に与える影響というようなお答えでちょっとずれていたように思うんですけれども、この一括法が本市の施策に与える影響というところではどのようにお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 施策ということでございましたら、同じことなんですけど、もちろん、こういった義務付け、枠付けというふうなもの、あるいは権限移譲というものについて、先ほども申し上げましたけれども、プラス的な方向で考えながらより良い施策を推進していくような考えでやっていきたいということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 本市への施策に与える影響は大きいとお考えなのか、あんまりないよというふうにお考えなのか、どちらでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほど申しましたように、今現在、担当部署と県なりとの説明会等をやっております。全体的に見れば、大きいか小さいかと、その判断が難しいんですけれども、それほどと言いますか、大きくないんじゃないかなというふうには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 確かに法の根幹部分じゃなくて基準だけだと。事業ではなくて事務の権限移譲だというようなところで、事務量のところで影響は出てくるんでしょうけれども、新たに何か特別な施策を設定しなければいけないとか、逆になくさなければいけないというような、そういうところでは確かに部長のおっしゃるように影響は少ないんだろうと思います。けれども、この一括法の意義ということを考えると、本市のまちづくりの基本理念でもあって、かつ総合計画におけるまちづくりの目標でもある「市民が主役となってつくる、参画と協働のまち」、これを実現するという点についての影響というのはどのようにお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 個々の分野ごとに、やはり様々な権限移譲あるいは義務付け、枠付けとかあるわけでございまして、もちろん、個々の分野ごとにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、説明責任と同時に市民の方々の意向、市の状況等も勘案していく必要があろうかと。そういう意味では総合計画の市民との協働というものには当然一致するものと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今回、この地域主権改革一括法というようなテーマをあえて取り上げましたのは、この法律の名称にもなっている、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るという、この法の趣旨を生かすも殺すも、自治体の取組姿勢次第なのではないかなというふうに、私、考えたんですね。特に、この基準の条例委任という点においては、市民ですとか団体、事業者、行政が話し合って、自分たちの地域の実状に合った基準をつくれる。正に参画と協働の絶好のチャンスだというふうに言えないでしょうか。例えば、昨日も白本議員が通学路の安全のことで質問しておいででしたけれども、今回の一括法では、道路法で定められていたような、市町村道の道路管理者が設ける道路標識の様式等に関する事項のうち、案内標識、警戒標識、それらに付随する補助標識の寸法や文字の大きさの基準を市の条例で定められるようになったと。つまり、通学路の危険箇所によっては、学校、幼稚園、保育所等ありという警戒標識がありますよね、それを例えば従来サイズよりも大きなサイズにすることも市の独自の判断でできるわけですし、通学路というような補助標識にしても、大きな文字で表示できることになったわけなんですよね。こういったことを関係団体ですとか、市民、あるいは事業者、行政が膝を付き合わせて議論して、このまちに合った標識というのはこういう標識なんだと、このサイズなんだというようなことを市民と行政とが協働して、市民が主体となって定めていくことができる、そういうチャンスなんじゃないかと。という意味で、この施策に大きな影響があるんじゃないですかというふうにお聞きしているんですが、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほども申し上げましたけれども、今おっしゃっていただいていますような一つの道路標識につきましても、確かに他の自治体におきましても様々な取組がされておられます。今、議員さん、おっしゃっていただきましたような形で市民との協働ということで、市民、行政、そういったものが集まって、どういったものがいいのかというものを協議、検討していくという、そういったスタンスの幅が広くなったという意味では、確かに大きな前進であるというふうには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ということでご評価いただきましたので、先に4番目の質問に、流れで移らせていただきます。
 この施設基準等を条例化するときに、政令や省令に示された基準を右から左にコピペしているだけでは、この法の趣旨というのは何も生かされないことになると思うんですよね。けれども、今回のこの質問に際しまして、いろんな関係課を回らせていただきまして、どういう基準にしようとお考えなのか、今の段階でのお考えをお聞きいたしました。でも、残念ながら、ほぼ100%、政令、省令が示す基準をそのまま踏襲しようというふうに考えているのかなというような感触を抱きました。もちろん、検討した結果として、政令、省令が示す基準と同じになるということはあると思います。けれども、条例で定めるということは市がその基準に対して責任を持つということになるわけですから、その基準を採択するに至るまでのプロセス、それから採択した理由、根拠、そういったものを市民に説明できなければいけないというふうに考えます。例えば、水道ですとか一般廃棄物処理施設の技術管理者の資格基準なんていうのは、専門家でないと分からない、いいのか悪いのかもさえ判断できないようなことですので、そういったことは別に市民と協働で定めるなんていうようなプロセスをあえて採る必要はないと思うんですけれども、先ほどの道路標識であるとか、あるいは道路の構造基準であるとか、そういった地域住民だとか事業者と協働で基準を考えるということが望ましい分野において、あるいは、地域密着型サービスにおける設備や運営基準なんかも、そこの施設を利用している人と、あるいは事業者とが一緒になってお互いの思いや事情を理解し合うというような、そういう場を設定することが、結局、そのまちの基準をつくっていく上でとてもプラスになっていくんじゃないかと思うんですけれども、そういった基準の策定のプロセスに必要に応じて市民や団体、事業者等との協議の場を設定していくということを、今、市はお考えにないでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 時期的なものもあるんですけれども、やはり、今おっしゃっていただいておりますように、そういった市民との協働ということの分野は当然広がっております。ただ、条例を出すという期間までにそういったことができればいいんですけれども、それができなければ、いったん、今、政令等で出ているものを出して、その後においてまた変更ということも可能でございます。もちろん、分野におきましては、そういった形で市民等のご意見を聞くような機会があれば、それも参考にしながらされるということで考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今、いったん条例を定めて後で変更するということも可能だということは、いずれはちゃんと市民の意見、事業者の意見を聞く場を設けるというふうに捉えていいんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 施策、施策にもよるとは思うんですけれども、もちろん市民の方々からのご意見もいろいろございます。そういったものも反映しながら、より良いものにしていくというのは当然のことかと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 取りあえず条例で制定しておいて、例外規定を設けられるように、例外について、例外規定を規則で設けておくというような方法もあると思うんですけれども、そういった手法はお考えでないでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 ちょっとまだそこまでのことを検討していないんですけれども、今ご指摘いただいたことも踏まえながら、ちょっと検討していきたいと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 あと、静岡市なんですけれども、ここは分権広域政策課という課がありまして、地域主権改革一括法に関して条例案で定めた基準を根拠も示し合わせてパブリックコメントを取っているんですけれども、今回の条例改正に際して、本市ではパブリックコメントを取るというようなことはお考えでないですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 ちょっとそれも、12月というスケジュールは考えているんですけれども、まだそこまでのことは考えておりません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 多分、パブリックコメントを取るまでに3カ月ぐらいかかると思うんですけれども、まとめて発表するまでに。12月だったら、9月ぐらいに取り始めたら可能だと思うんですけど、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 パブリックコメントにつきましては、確かにある程度期間がかかります。ただ、パブリックコメントをいただいた後に、またそれから以降もかかるということもございまして、やはり三、四カ月はかかってくるかと思います。今ご指摘いただいたように、例えば9月ぐらいから取りかけたら可能であるというのも分かりますが、そういった必要のあるものもないものもあると思うので、その辺りも踏まえながら検討していきたいと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 これ、当然、議会の議決事項になってくるわけなんですけれども、その議会がこの条例に納得できないということがあるとすれば、それは、せっかくまちの基準になったにもかかわらず、市民だとか事業者の声を一切聞いていない、地域の実状を考慮していないというような場合、あるいは、なぜその基準になったのかというような根拠を示せない場合、そういった場合、要は政令、省令のコピペを議会に出してきて、はい、これで審査してくださいなんていうようなことのないように、そういうところに留意していただいて、今後、条例を策定していただくようにお願いしたいと思います。
 それから、3番に戻りまして、県から生駒市への権限移譲が本市の行政事務や執行体制に与える課題と対処ということなんですけれども、権限移譲の事務への影響というのは、県に報告を上げなくて済むようになったから業務がやや軽くなったというようなケースもございましたし、あるいは、市が主体で独自に事業を行うようになったため丸ごと負担するようなケースまで、本当に様々なんですけれども、やはり懸念されるのは、増えた業務、あるいは増える事務に対して人をどういうふうに配置するのかということなんですね。聞き取りの結果、特に環境政策課が行う騒音規制法における自動車騒音監視、それから、みどり景観課の都市計画法における風致地区内における建築行為許可、あと、福祉総務課の社会福祉法における社会福祉法人の定款の認可と監査事務、その辺においては、私は、ここは深刻やなというふうに感じたんですけれども、それぞれ所管の部長はどのようにこの事務量の負担ということをお感じになっておられるでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷環境経済部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 今ご指摘いただいておりますように、騒音又は振動、悪臭に関して、県の方から全て市町村の方に権限移譲になると。そういった対応につきましては、今まで県と共にできるところはやってきたんですけれども、一括してこちらの方で対応するというようなことから、やはり、職員の資質の向上であったり、人的な増というような部分については、今後、検討はしていく必要があるようには考えております。以上です。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この騒音監視に関しては、環境省への報告業務のために、お聞きしたところ、職員1人が1カ月間丸々この事務に張り付けにならなければいけないぐらいの膨大な事務量が増えるというふうに伺っております。
 次、風致地区の建築許可についてお聞きしたいんですけれども、こちらは年間100件を超える建築許可の事務が生じるので、それができる専門的な知識を持った職員が必要になるというふうにお伺いしているんですけれども、そのとおりでよろしいでしょうか。



◯山田正弘議長 吉岡部長。



◯吉岡源裕都市整備部長兼開発部長 年間100件を超えると申されましたけども、100件以下でございます。例えば、23年度は97件でございます。これまでも、この業務につきましては市を通しまして、進達業務というのは市でやっておりましたので、ある程度のノウハウというのは持っておりますけども、その許可権自身がこちらにまいりましたので、それぞれの許可に対する相談、指導、審査、現地確認、違反指導等が必要となります。そのために、それに応じた専門的な知識を持った職員が要ると考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 具体的にどういう専門知識が必要なのか、そして、そういう職員が何人ぐらいいればこの事務をこなしていけるというふうにお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 吉岡部長。



◯吉岡源裕都市整備部長兼開発部長 今現在のところ、条例、それから規則等につきまして検討しているわけでございますけども、実際問題、もう少し検討した上で、どのぐらいの人数が必要かということは考えていきたいというふうに思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 人数はそうなんですけれども、どのような専門的知識が必要か。極端な話、建築士の資格を持っている人ですとか、そういった方が逆にそういう業務を行うと、こういう事務が行えるのかどうかという、その辺のご見解はいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 吉岡部長。



◯吉岡源裕都市整備部長兼開発部長 本来的には、技術的な職員、要するに建築関係、それから土木も必要なところはございます。ただ、今の現状といたしましては、開発業務につきましても事務職員でこなしているという現状がございまして、どうしても技術的な職員が不足しているということから、事務職員でもそれなりに知識を持った者でも対応は可能かなというようには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 じゃ、次、社会福祉法人の定款認可についてなんですけれども、こちらにつきましては福祉及び法に関する専門的知識を必要とすると。さらに、企画機能と監査機能という相反する性格の機能を一つの課が担わなきゃいけなくなってくると。そういった場合、どうやって企画機能と監査機能を両立させるのかというところで悩ましいんだというようなご意見をいただいているんですけれども、それについてはいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 坂本部長。



◯坂本千鶴福祉健康部部長兼福祉事務所長 確かにおっしゃるとおり、今、受けようとしているのは福祉総務課ということになっていますので、そこで監査をしながら事業の運営もする、それはちょっとどうなのかということは、今、課題となっております。県の方では、監査指導室という特別の部署を設けておりまして、そこで監査をやっておりますので、市で今後この事務を受けたときに、どのような体制でやるのが好ましいのかということは、今ちょっと部内の各課、関係課が寄りまして調整をしている最中です。ただし、福祉法人の監査と言いましても、全てを受けるわけではありませんので、市に主たる事務所がある社会福祉法人で、しかも市の区域内でやっている事業が区域を越えないものということですので、件数はそんなに多くはないとは思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この4月から既に権限移譲されている。福祉の方は来年、もう1年猶予があるんですけれども、もう始まっていることですので、早急に対応する必要があると考えるんですけれども、定員適正化計画ということを実行していく中で、今、皆さんにお答えいただいたような課題にどうやって対応していかれる予定でしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 今現在、市全体を挙げまして、仕事のやり方の見直しということに取り組んでおりまして、これまで、必ずしもそこまでやらなくてもいいというような仕事をしてきたんじゃないのかと、それによって残業代等も膨らんできたんじゃないのかという視点から、事務全般の見直しというのをやっていまして、具体的には、若手を中心としたしごと改革チームというのをつくりまして、副市長の助言のもと、そこで今提言を取りまとめている最中でございまして、そうした、これまで当たり前と思ってきたような仕事のやり方を見直して、業務執行の効率化を図って、限られた人員でも効率的、効果的に事務を行えるような、そういう体制を構築していくべく、今、取り組んでおるところでございます。
 また、残業時間について、これを全庁的に減らそうということで目標を立てまして、この4月から取り組んでおるところでございまして、現実にこの4月から一定の効果も見られているということで、やはり残業するのが当たり前というふうな雰囲気の職場もあったかもしれませんけれども、時間内にちゃんと終わるんだという意識で日々の仕事に取り組めば、やはり時間当たりにこなせる仕事の量も変わってくると思いますので、そういった観点から、今、市全体で事務執行の効率化に努めておるところでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今、効率化に努めているということなんですけれども、もう既に4月からこの権限移譲は始まっておりますので、その見直しが一体いつまでにすっきりとした形に収まるのか、その辺の見通しは持っておいでなんでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 ですから、先ほども言いましたように、もう既に4月から残業時間がかなり減っておりますので、効果は表れているというふうに認識しています。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その残業しなくて済んだ分を、例えば環境政策課においては、1人の職員が丸々1カ月張り付かなければいけない業務量、それで対応できると、残業をなくした分で対応できるというふうにお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 職員が丸々1カ月1人手がかかるというのも、実際やったこともなくて見込みで言っているわけですから、実際にそれだけかかるのかというのはやってみないと分からないわけであって、要するに仕事のやり方全般を見直すということで対応できるのではないかと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 また、時を経てからきっちりそれが対応できているかどうか、こちらの方でもまた検証したいと思います。せっかく県から市に権限が移ったのに、県と同じことをやっているということであれば、全然、住民サービスの向上にはつながらないわけですから、そういう市民サービスの向上という権限移譲の本来の趣旨をしっかりと捉えて事務に努めていただきたいと思います。
 次に、総合計画に関する質問に移ります。
 総合計画というのは、市民、事業者、行政が協働してまちづくりを進める基本方針であるとの認識に立って、今回、この行政実績、アウトプットだけではなくて、市民生活にどういう効果があったかというアウトカムを検証するための満足度調査も検証材料とした手法は評価できます。しかし、小分野評価においては、そのアウトカムに比べてアウトプットの方が高いんですけれども、アウトプットしているのにアウトカムが低いというこのかい離をどういうふうに分析しておいででしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 アウトカムの分野につきましては、どうしても行政の方は、市民のアンケートと言いますか、満足度というものが多くなってきます。もちろん、そういった活動、いろんな事業をしているんですけれども、なかなかそこまで市民が満足するまで高まっていないということも、分野によってはあるかと思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 概して最終的な評価も内部評価による総合評価からポイントを下げられがちやったわけなんですけれども、内部評価の方が高くなってしまうというのは、やはり自分たちの仕事に対して甘く見積もってしまうのではないかというような気がいたします。例えば、この検証報告書の検証方法を見ますと、市民満足度調査と客観的指標はAからEの5段階で評価されて、0点から4点の幅でポイント化されているのに、行政側の評価の方はAからDの4段階で1点から4点のポイントで示されていると。D評価というのは、はっきり言って、着手できていないというものなんですけれども、それでも1ポイントもらえることになっちゃうわけなんですよね。しかも、総合計画に挙げられている全取組項目というのがこの進行管理シートには上がってきていない。ということは、これも、このこと自体は推進市民委員会の委員さんからも声が上がっていましたけれども、これ、うがった見方をすれば、着手できていないものには、シートに上げさえしなければ、もともと存在しなかったという扱いにしてしまうこともできるかと思うんですね。ということは、この検証の精度、精度というのはシステムの方じゃなくて、もちろん精密さという精度なんですけれども、これについて、どういうふうに認識しておいででしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 検証シートにつきましての検証内容なんですけれども、今、ご指摘ございましたように、まずやはり市民の満足度評価というものも挙げております。それから、客観指標として、基本計画に挙げておりますような指標ですね。それと、今、ご指摘のありましたような行政の役割、行政がどういった事業をしたかと。ただ、その分につきましては、最終的にやった、やっていないとかいうことを項目の中に入れるんじゃなしに、部の仕事目標として年度当初に設定したもの、それについて確実に入れていくということでございますので、恣意的な形でやれていなかったから外すということは行っていないということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、先ほどの5段階評価と4段階評価のずれも含めて、次の検証に向けて何らかの改善は考えておいででしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 部の仕事目標というのを四、五年前からやっているんですけれども、それは4段階評価ということでやっておりました。それにつきまして、現在5段階ということで考えておりまして、その辺り、今ご指摘のような4段階と5段階の区分があるというものについては5段階に統一していこうということで行っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 あと、役割分担の評価というのは行政側からの一方的な評価になっておりますので、逆に市民や地域活動の担い手から見て、事業者である自分自身だとか、そういった評価基準を取り込むということも併せて考えていただきたいと思います。
 この予算編成や実施計画への反映ということなんですけれども、これはやはりあくまで検証でして、この検証を次の取組に生かしてこそ意味があるわけでして、特に意識して事業計画や予算へ反映されることはなかったということなんですけれども、やはり検証の報告を、今度はこれ自身を報告を受けっぱなしにならないように、そういった活用の仕方を検討していただくようにお願いいたします。
 次に行きます。
 この財政フレームとか、年次的な事業計画をセットにした後期基本計画の策定ということなんですけれども、余りそういうお考えはないということで、これにつきましては、自治基本条例にも規定されている計画的な行政運営ということについて、いかに実効性のあるものにしていくかという姿勢の見解の違いなんだろうなというふうに思います。よく、財政フレームとか事業計画をセットにしたというところで語られるのが、岐阜県の多治見市なんですけれども、多治見市では、施策のもとに展開される事業までを総合計画に位置付けて、それを更にそれぞれの事業を実行計画シートで進行管理していると。それと併せて総合計画と財務管理とを連動させています。この手法であれば、総花的になることもないし、どちらがより計画行政と言うにふさわしいのかというところがはっきりするかと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 多治見市さんの例というのは、今、議員さん、おっしゃっていただいたようなことなんですけども、本市におきましても、基本構想、それから基本計画、それから個々の事業につきましては実施計画ということで、事業につきましてはある程度3年間は書くんですけれども、やはり毎年ローリング方式によって見直していかなきゃいけないと。財政状況につきましても、中期財政計画を立てているんですけれども、それも5年間の見通しはしますけれども、毎年度改定していくという形で、やはり一番正しいと言いますか、一番現状に合った形での修正を行いながらやっていってるということで、本市の方は、今はこれでいいのかなと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 多治見市は本当にシンプルなんですよね。いろいろやっているんだけれども、シンプルだと。市がどんな施策のもとにどんな事業を展開していて、それに一体幾らかけているのかということが一目瞭然な、そういう計画なんです。従来計画、いったんつくってしまったものはなかなか変えることは難しいと思うんですけれども、もう時間がないので、その後の策定期間、計画期間の見直しも含めて一度やはり実効性というような観点から選択していただきたいというふうにお願いいたしまして、質問を終わります。

2012年9月議会

平成24年第5回定例会(第3号) 本文




◯山田正弘議長 最後に、11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 今回は、統合型GIS(地理情報システム)の活用とICT契約について質問いたします。
 平成13年、総務省自治行政局地域情報政策室の全体指針によれば、統合型GIS(地理情報システム)とは、地方公共団体の複数の部局が利用する道路、街区、建物、河川等の地図データを各部局が共用できる形で整備、利用していくシステムで、これを導入、活用することにより、データの重複整備を防ぎ、各部署の情報交換を迅速にし、行政の効率化や住民サービスの向上を図ることができるとされています。平成19年には、国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することを目的とする地理空間情報活用推進基本法が施行され、同法第5条には地方自治体の責務として、当該地域の状況に応じた地理空間情報の活用の推進に関する施策を策定、実施することが定められました。今や、庁内利用だけではなく、GISを活用した地図データを外部提供し、市民生活の利便性向上に積極的に努めている自治体も少なくありません。
 本市では、同法が施行される以前の平成14年から統合型GISの導入を検討、翌平成15年にはGIS構築事業を開始、平成17年には市民向け地理情報サービス「わがまちいこまっぷ」も開設しましたが、平成22年には事業廃止。残念ながら、これまでGIS構築及びシステム更新に要した費用、道路台帳・下水道台帳更新費用等を含め、9年間で総額約3億8,000万円の割に、十分活用しているとは言い難い状況です。GISを市の諸施策に活用し、市民生活の福祉、安全、利便性の向上を図るとともに、市の事務の効率化、コスト削減につなげるため、以下の点についてお答えください。
 1番、生駒市統合型地理情報システム整備計画とは、いつ、何カ月かけて、何を目的に、どのような組織で作成したものでしょうか。
 2番、この整備計画は計画どおり実施に移行したのでしょうか。また、当時の推進体制の実務責任者はどなただったのでしょうか。
 3番、現在、統合型GISをどの部で具体的にどのように利用しておいででしょうか。また、どのような庁外提供事例がありますでしょうか。
 4番、GISを含む最近のICT契約、平成22年の大型ごみ回収電話リクエスト事業、平成23年の地域包括支援センター居場所づくり事業において、既存の統合型GISをなぜ活用しなかったのでしょうか。
 5番、4の契約内容及び契約手順は、地方自治法第2条第14項に照らし合わせて適切であったと考えておいででしょうか。
 6番、GISについて、今後の具体的な利活用の予定はおありでしょうか。庁内利用及び庁外提供、それぞれについてお答えください。
 7番、今後の統合型GISの活用推進についての市の見解をお聞かせください。
 登壇しての質問は以上で終え、次の質問からは自席で行います。



◯山田正弘議長 今井企画財政部長。
             (今井正徳企画財政部長 登壇)



◯今井正徳企画財政部長 それでは、塩見議員さんの、統合型GISの活用及びICT契約について、他の部署の所管に関わるものもございますが、1回目は私の方で一括して答弁させていただきます。
 まず、1つ目の生駒市統合型地理情報システム整備計画についてでございますが、作成は平成14年度当初から所管課でございました企画政策課で作成に取り掛かり、最終的には2回の統合型地理情報システム推進調整会議を経て、同推進調整会議で平成14年12月に策定いたしました。目的といたしましては、資産税や都市計画で既に導入していた地理情報システムを全庁的に活用し、業務の効率化を図るため、統合型地理情報システムの整備及び運営について検討するものでございました。
 次に、2つ目の整備実施計画の実施状況及び推進体制の実務責任者でございますが、整備実施計画において統合型GISの整備を3段階に区分しておりまして、第1段階といたしましては、庁内での活用を目指した庁内統合型GIS、次の第2段階は、市民等への情報を提供する情報提供型GIS、最後に第3段階として、奈良県やインフラ関係業者等との情報連携を目指した外部連携型GISで段階的な整備を図っていくとしておりました。
 整備実施計画の実施状況といたしましては、現在、各課においてGISを活用し、都市計画図や防災マップをホームページにおいて公表していることから、第2段階までは実施できているものと考えております。しかし、第3段階につきましては、業者の情報セキュリティの確保等の問題で連携には至っていない状況でございます。また、推進体制の実施実務責任者は、統合型GIS構築の所管、また、統合型GISシステム推進調整会議の会長でありました企画政策課長でございます。
 次に、3つ目の、統合型GISを利用している担当部署及び活用事例、庁外提供事例についてでございますが、現在、統合型GISをベースに庁内の個別業務に利用している部署はほぼ全課に及んでおりまして、うち、主要なシステムを保有しておりますのは、課税課、管理課、事業計画課、都市計画課、建築課、みどり景観課、下水道管理課、工務課、消防本部の9課でございます。また、庁外等提供事例といたしましては、都市計画図や防災基本情報マップをホームページ上で公表するなど、また、来庁者に対し、道路明示や下水道管理情報を提供し、窓口対応を迅速にしている状況でございます。
 次に、4つ目の近年のICT契約のGISの活用についてでございますが、大型ごみ回収電話リクエスト事業は大型ごみ回収依頼者の情報などの一部としてのみ地図が必要となることから、統合型GISに組み入れるよりも、異なるシステムとして運用管理することが適切と判断いたしました。
 また、地域包括支援センター居場所づくり事業につきましては、運用主体が市ではなく、市内6カ所の地域包括支援センターであり、統合型GISの利用については情報ネットワークやセキュリティの面で困難でございました。また、パッケージ化された別システムを導入する方が安価であった状況もございます。
 次に、5つ目の4の契約内容及び契約手順の妥当性については、両事業とも、システムの導入については、統合型GISの活用も含め、経費や効果等を検討した上、判断していることから、最小の経費で最大限の効果を上げることを求めた地方自治法第2条第14項に照らしても適切と考えております。
 次の6つ目のGISの今後の具体的な利活用の予定についてでございますが、現在、庁内LANによるネットワーク型GISも編集機能があり、職員が各自パソコンで編集管理が可能となることから、更に庁内の各部署で利用が拡大していくことと考えております。例えば、今年度実施しております防犯灯のLED化事業では、自治会管理の防犯灯を市に移管するに伴い、GISを活用して、一元的に管理していく予定でございます。また、庁外への利活用については、維持管理経費等の課題がございますが、市民のニーズに合った庁外への地図情報の提供方法を検討していきたいと考えております。
 最後に、7つ目の今後の統合型GISの活用推進の市の見解についてでございますが、統合型GISは全国的にも先進的な取組として本市においては平成16年度に運用を開始して以来、多くの業務において活用し、経費の節減も図れたと考えております。今後も統合型GISの活用を拡大することによって、地図情報の共有を進め、業務の効率化を図っていく考えでございます。また、個人情報などセキュリティ面の課題等も含めて、庁外への情報提供や連携の充実を図り、行政だけでなく、市民にとってもより効果的で便利なシステムとなるよう、今後も推進していきたいと考えております。
 以上でございます。よろしくご理解賜りますようお願いします。



◯山田正弘議長 暫時休憩いたします。
             午後0時49分 休憩
             〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
             午後1時59分 再開



◯山田正弘議長 休憩を解いて、引き続き、一般質問を行います。
 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今回のこのGISのテーマを取り上げるきっかけになったのが、実はこの4番、5番の2つの契約案件だったものですから、まず先にそちらの契約の方から追加質問させていただきます。
 この大型ごみの回収電話リクエスト事業のこのプロポーザルについてなんですけれども、このプロポーザル、1回目のプレゼンの際に、1社から価格を下げる提案があったのを受け入れて、富士通エフ・アイ・ピーを含めて、参加した他の2社にも再提案させていますよね。こういうことはよくあることなんでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 よくあるのかと聞かれましたら、余りないケースでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 2回目にこの最低価格を付けたところ、仮にここではA社としておきますけれども、結局、最低価格を付けたけれども、はねられて、1回目の提案で最低価格を付けたこの富士通エフ・アイ・ピーが契約に至ったわけなんですけれども、このA社の方が駄目だった理由というのはどこにあったんでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 具体的には覚えておりませんけれども、今回、大型ごみのソフトのプロポーザルをさせていただくに当たって、審査事項の中で一番容易に操作ができるというような観点で選考をさせていただいたと。その結果、A社が外れたというような形になっていると思います。以上です。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 容易に操作ができるというのは、システムの操作ができるということでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 そうでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 結局、その性能の問題で、1回目、最低価格を付けた富士通エフ・アイ・ピーがよかったという結果になったんでしょうけれども、そういうことであれば、別に2回もやらなくても、1回目だけでもちゃんと分かったんじゃないですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 プロポーザルを進めていく中で、途中でご指摘いただきましたように、価格を下げるという提案がございましたので、ある種、そういった条件を同一にした形でさせていただいたため、そういうふうな形になったのかなと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 そもそもプレゼンの過程で、価格をまだ下げられるという理由で再提案の申し入れがあったということは、仕様書そのものに不備があったんじゃないでしょうか。仕様書は誰がどのように作成したんでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 仕様書につきましては、資料等々を集めさせていただいて、市の方で作成をいたしております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その作成に当たった職員の中に情報系の職員は入っておりますでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 作成自体につきましては、環境事業課の職員が中心となって作成しておりますけれども、その過程で情報政策課の方の職員のアドバイス等々を得ながら作成をしております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その仕様書の作成の手法をご説明いただけますか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 土木積算等に準じた形で、それぞれの項目を積み上げて、人件費の中では、主任技術者、技術者等というような単価の中で積算をしているというのが状況でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 仕様書を作る手順ですね、それをお伺いしております。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 仕様書を作る手順につきましては、まずこの業務の大きな流れを確定させていただいて、その中でどんな画面を作成して、次の受付をどうしていくかというような形で、順番にそれぞれ受付業務の流れをベースにして、それぞれ受付業務に合ったソフトの画面を段階的に積み上げるような形を想定した上で仕様書を作らせていただいています。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その流れを確定させるのはもちろん中身の問題なんですけれども、職員だけでそういうこのシステムを構築するのに必要なシステムがどういうものであるかとか、そういうこともちゃんと職員の中で一から十まで全て構築されたわけですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 全てができるということではございませんけれども、仕様書を作成する上で基本的なことを作らせていただいて、その上で性能発注としてプロポーザルをさせていただいたと、そういうふうな関係でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 事前に業者にヒアリングということはされてないですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 ヒアリングという言葉がいいのかどうか分かりませんけれども、先行されている市町村の方から情報を聞いた上でどういったソフトがいいのかどうかを業者の方から資料を取り寄せております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 最初に数社からヒアリングをして、それで必要な要件を固めて仕様書を作るというようなことは結構このシステムの業界はよくあることらしいんですけれども、結局、今回、環境事業課の方に確認いたしましたら、最初にヒアリングをした3社、結果的にその3社しか参加してこなかったと。その仕様書の作成方法と内容、プロポーザルの参加の周知方法、それから周知期間、これらは競争性を働かせるのに十分だったとお考えでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 基本的には競争性が発揮できるような形で流れはつくらせていただいていると認識をいたしております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 プロポーザルの参加締切りは6月2日だったんですけれども、周知方法、期間、これを教えていただけますか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 申し訳ございませんけれども、資料を持っておりませんのでお答えはしかねます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 じゃ、後で確認しておいてください。情報開示請求しましたけれども、この周知方法とか期間までは出ていませんでしたので。
 それから、仕様書の作成方法と内容が適当であったかどうかについてお伺いしたいと思います。
 今回のこのシステム、まずハードの部分についてなんですけれども、ハード、ソフト、全部含めての契約金額は793万8,000円だったと。この契約の電話機を除くハードの部分、電話機と要はネットの工事を除くハードの部分をこの富士通エフ・アイ・ピーの見積り、これはあくまでも参考値ということなんですけれども、出していただきました。それによると、318万円余りかかっていると。この富士通の系列ということですから、富士通の純正品に限ってネットで対応機種を検索してこちらで見積りいたしましたら、105万円余りで構築できるということが分かりました。さらに、富士通の純正品を使わない場合、本当に価格ドットコムですから一番最低の価格です。富士通にこだわらなければ、61万円余りでできると。つまり、ハードだけで言えば、3分の1から5分の1まで下げられる。あくまで参考値であるということを考慮しても、やはりこのハードだけを見ても高いんじゃないかと。しかもこの電話機4台、接続工事を入れて74万5,000円という見積りを出してきているんですけれども、一体どんな高価な電話なんだと。4台です、電話ね。この契約の場合に、ソフトとハードを切り離して、少なくとも物品の納入に関しては入札にするということもできたんじゃないでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 今回、一体的にさせていただきましたのは、電話を受け取った者が、その場でパソコンを操作して、その場で回答するというような形で、一番受付業務がしやすいと、素人でもできると、そういった観点でさせていただきましたので、一体的なものの方がスムーズな操作等々ができるというような形で一体的にさせていただいたものでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ただ、ハードってどこででも売っているようなものなんですよね。要は、パソコンの外側の部分ですからね。だから、この一体的うんぬんというのは、この場合、関係ないんじゃないですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 ハードとソフトがありまして、ソフトがきちっと稼働するということでは、ある一定ハードの面もより連動性がしやすい等々あるようには感じておりますので、そういった観点で一体的にさせていただいたということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ハードのOS、何ですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 Windowsだったと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 Windowsって、そんな珍しいものですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 一般的なOSだと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 であれば、せっかくシステム構築に必要な要件を業者にヒアリングなさったんですから、必要条件を、必要な要件を整理した上で業者とやり取りしてハードの方の仕様を決定して、ハードに関してはそれを入札するということもできたんじゃないかと。システムの構築や価格の妥当性が分かる職員っておられますよね。平成20年度に情報技術、IT分野で職員を中途採用していますよね。ですから、正にこういう契約に関して市に有利になることを期待して採用したんじゃなかったんですか。今回のこの環境の大型ごみのITシステムに関わる契約時にその職員さんは関わっておいでじゃなかったんでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 その当時、今ご指摘いただいております職員は情報政策課に所属しておりましたので、間接、直接に関わらず、何らかの形でアドバイスはいただいております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 関わってくださってこれということであれば、何をかいわんやなんですけれども。
 平成23年6月に生駒市プロポーザル方式の実施に関するガイドラインを定められておりますけれども、プロポーザルの対象業務として、確かに情報システム開発等の業務が入っています。この大型ごみの回収システムの契約時にはこのガイドラインがまだなかったんですけれども、新たにシステムの、それこそシステムの開発を要するような、そういった複雑な契約じゃなくて、言ってみたら、複数の会社が同じようなシステムを持っている中で、どこにするかというレベルの契約じゃなかったんでしょうか。こういうITシステムの構築ができる能力とか価格の妥当性を検証できる能力を持った職員がそこにいれば、ハード部分だけではなくて、ソフト部分でも、極端な話、これはプロポーザルではなくて、一般競争入札が可能だったんじゃないでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 ソフト部分に関しましては、それぞれメーカーが出されているソフトの中で、やはりいい面、悪い面、市としてはここが欲しいというような部分もございますので、そういった部分については、一概に一律で競争するということになりましたら何らかのソフトを固定した上で競争するということになりますので、そのソフトを所有している業者、専属になる可能性も強いんじゃないのかなというようには感じております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 それならそれで、随意契約理由書には、非常に高度な技術的な判断を要するシステム構築であるというような、そういうことの根拠を書くべきではないかと。随意契約理由書には何と書いてあったかと言いますと、どのメーカーも本市が要求する機能を満たしているとともに基本的な使用方法は似通っていると書いてありますね。これでは、逆に入札にすべきと言っているのと同じじゃないですか。あえてプロポーザルが妥当とする理由として、これがプロポーザルにした理由なのかなと思われる表現は、大型可燃ごみ収集の有料化など、将来性の面から見た付加機能に各社の特徴がある。ここだったら、まだ分からないでもないんですけれども、じゃ、将来の有料化に向けて、具体的にそのシステム上、各社にどういう特徴的な違いがあったんですか。私が各社の提案書を見た限り、そんなに違いは感じられなかった。ごみ処理券の販売メンテナンスを付けるという、それぐらいやからどこもよく似たものだと思ったんですけれども。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 今、記憶している中では、特に今ご指摘いただいておりますように、将来、有料化になったときに値段を自由に打ち込めるとか、そういった部分についてはソフトの違いがあったと、そういうふうな形では考えておりますけれども、今ご指摘いただいているように大きな違いはなかったものの、ただ、その中での操作性、一つの画面で地図情報が出たり、また氏名、住所、そしてごみの品目、種類等々が出るというようなところが若干違ったのかなというふうには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 それならそれでそう書いてください、理由書にね。私の方は、市側でこういう技術的な判断ができる職員がいれば、ちゃんとこれ、プロポーザルじゃなくて入札で十分だったんじゃないかなというふうに考えます。要は、どの程度技術的に専門性を要する契約であったかどうかという点においての、多分、部長と私のずれやと思うんですけれども。だからこそ、プロポーザルにすべき案件なのか、入札にかけるべき案件なのかということを、そういう専門的な知識を持った職員を活用すべきではないかということを申し上げているんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 最初は、プロポーザルにすべきなのか、また、一般競争入札にすべきなのかも含めて、その当時の情報政策課の方で相談等はさせていただいております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この件については、この辺りにしておきますけれども。
 じゃ、ソフトの部分についてなんですけれども、今回のこの質問に当たりまして、仮にこの契約をプロポーザルにするにしても、地図ソフト、この地図ソフトというのはソフトの中でも最も値が張る部分なんですけれども、それをせめて市自前のものを用いてシステムを構築する提案書をプロポーザルの参加者に書かせて提案させたらよかったんじゃないかなというふうに申し上げようと思っていたんですが、先ほどのこの4番のご回答では、全庁的なシステムより、個別の利用だからというようなご回答だったんですけれども、これは要はその環境事業の分野だけに特定されるものだから、特に全庁的なウェブGISを使う必要はないということでしょうか、確認させてください。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 そういった意味もございますし、こちらとしては、パッケージのソフトを使わせていただいた一番大きな理由につきましては、電話を受け付けて、その場で操作をする、その場で利用者とやり取りができる、そういったことを考える中では、一番簡易な形での操作ということにウエートを置いた結果でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 そうじゃなくて、その地図ソフトを、市のウェブGISで使っている地図ソフトを使えないのかということなんです。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 市のGISソフトを活用するとなれば、それなりのカスタマイズが必要なのかなと、そのようには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 具体的にどういうものが必要ですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 GISに関しましたら、道路、河川、土地の権利者、面積等々いろんな形で情報が入っております。そういった情報について、大型ごみに関するソフトの中では不要なものが多分にあると。そういった部分については、大型ごみのこのソフトに関しては、業者へもそのソフトの活用したデータが行きますので、そういった市から外部へ出ないというような形の操作、変更というものが必ず要るのかなと。そういったことも含めて使いやすいカスタマイズをしていくというようなことで費用が発生するのかなというふうには考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 具体的にどんな地図が、この事業の場合、必要だったんですか。それは外部には提供できないものなんですか。



◯山田正弘議長 奥谷部長。



◯奥谷長嗣環境経済部長 外部に提供できないのは、GISの中で土地の権利者の名前であるとか、そういったものについては外部に提供できない。ただ、こちらの大型ごみに関しては、市販の住宅用の地図があればいいということでございますので、そこだけを必要としているものでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 要は、住宅地図が必要であったということなんですけれども、この庁内で使っているGISの住宅地図がここに使えなかったのはなぜですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 ウェブGIS、庁内で使っておりますGISの中の住宅地図につきましては、著作権等ございまして、許諾範囲として、庁内における内部資料として使うんですよと。また、各業務における位置確認用資料といったこと、あるいは、職員での打合せということでございます。今、環境の方の事業につきましては外部にも出るということで、著作権法上、問題があると。また、先ほどから奥谷部長の方から答弁がございますように、GISというのはいろんな階層の地図がございまして、その中の位置だけ、この電話がかかってくる箇所の位置だけを見るということであれば、このGISをわざわざ使わなくとも、今、住宅地図、市販と言いますか、パッケージ化されたGISの方が効果的というふうな判断かと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その住宅地図は外に出せない、それはなぜかと言うと、著作権の問題が絡んでくるからだということなんですけれども、要は、新しく地図を別のシステムのところに地図のソフトだけでも提供しようと思うと、生駒市の場合はその都度ライセンスを買わなければいけなくなるということでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 おっしゃるとおりでございまして、今、こういった条件、庁内で使うということでの金額でございまして、もっと範囲を広げると、その金額が上がるということになります。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 つまり、住宅地図を活用すればするほど、GIS貧乏になるという仕組みですね。なぜ、こんな不自由な契約を結んだんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 業務上、住宅地図というのがやはり必要というふうに判断したからでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 住宅地図は必要だから、ライセンスを買っているんですよね。でも、なぜ自前の住宅地図を構築せずに買ったのか、ライセンスを買っているのか。自前で構築していたら、自分のところの住宅地図は自分のところに著作権も帰属するものですから、余分にお金は発生しない、費用は発生しない。けれども、要は某住宅地図の有名な会社のを使っておられるわけなんですけれども、そこから買うと、結局、1つ別に構築するためにライセンスが必要になるわけなんですよね。そのことを、なぜこんな不自由な契約を結んだんですかと申し上げておるんです。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 現実に、おっしゃるように、生駒市自体で今市販されているような住宅地図を作って、また更新ができればいいんですけれども、その比較検討の中で、やはり購入する費用と、それから、今おっしゃっていただいているような、作成して更新をかけるという費用の比較検討ということになろうかと思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと観点を変えまして、先に質問の前半、1番、2番、3番について追加で質問します。
 この生駒市統合型地理情報システム整備計画、この整備計画、先ほど少し答弁でご説明いただいたんですけれども、驚くべきことに、担当課長もご存じでなかった。部長はよくご存じですよね、かつてこの整備計画の構築に携わられたわけですから。けれども、今の課長がご存じでない整備計画、これはどういうことなんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほどの答弁の中にも申し上げましたけれども、平成14年から作って、15年、16年、当然、異動等ございますし、今現在、今の課長でしたら、ある程度と言いますか、GISが構築できた後での異動ということでございますので、その構築過程における整備実施計画というもの自体は深く知らないというのもやむを得ないのかなと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今、異動等がありましたのでというご回答がありましたけれども、職員が別の部署に異動してしまったら、その計画というのは頓挫してしまう、そんなものでいいんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほど申し上げましたように、整備実施計画につきましては、一定期間で整備していこうということでございますので、庁内での整備、また庁内でもウェブGISとかいった形の整備が一定完了すれば、現実的にはこの整備計画自体の計画が完了したということですので、その時点でやはり余りこの計画自体を再度読み返すということまではしていないというような状況です。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この整備計画、計画年限は何年だったんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 ここで上げておりますのは、主に平成17年ぐらいですね。15、16、17年ということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この整備計画を作成されたのが先ほどもお伺いしたこの推進調整会議ということなんですけれども、この推進調整会議は今生きているんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 もう現在は開催しておりません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 開催はしていないけれども、要綱は残っていますよね。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 要綱として、廃止という手続きはしていないかどうかちょっと分からないんですけれども、現にここでの目的というものが一定達成できたということで、現実的にはこの調整会議自体はもう消滅しているというふうに考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 一定達成できたということでとおっしゃっているんですけれども、先ほどのお答えにもありましたけれども、この整備計画、第1段階から第3段階まであると。第1段階は庁内での推進。第2段階では外部への提供ですね、市民向けということ。第3段階としては外部との連携ということなんですけれども、先ほど第3段階はできていないと言っていましたよね。これはもう達成できたんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 この推進調整会議におきましては、メンバー自体が各所管から来ております。もちろん、第3段階につきまして、外部との連携につきましては難しい問題はございますけれども、その辺りは、この各課の所管が集まってどうこうということじゃなしに、企画政策課なりが担当して行うということで考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 こういう計画、この計画は全然表に出ていなかったんですけれども、表に出ていなければ、大して何か実行できていなくても問題なしで済まされるようなものなのかどうか。他市のGIS基本計画なんかに比べたら、それは非常にざっくりしたものです。それこそ他市の基本計画なんか見ますと、100ページにわたって、しかもA3判だったりするわけなんですね。それでも、これは55ページにもわたる計画なんですよね。それなりの計画をつくったからには、ちゃんと整備していこうというような意思と方向性があったんだろうと思うんですけれども、まさかはしご車の購入に当たって補助金を受けるために震災アクションプランをつくった、あれと同じじゃないでしょうね。補助金を受けるために仕方がなしにこの実施計画をつくったと、そんな理由でつくったわけじゃないでしょ。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 もちろん、そうでございます。ただ、おっしゃっていただいていますように、先ほども申し上げましたように、第3段階、外部連携についてはできておりませんが、第1段階、第2段階、その辺りはこの計画どおりに進めておりますし、第3段階の外部連携につきましても、生駒市としてはいろんな働きかけとかはやっておった状況でございますが、なかなか相手方があることということでございます。
 ただ、昨今の状況で、国土地理院の方が情報の外部連携をしようということでのお話もいただいておりますので、そういった段階におきましては、企画政策課の方で調整しながら対応していきたいと、かように考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今後、やはりこのGISを更に活用していこうということであれば、やはりしっかりとこの推進体制をつくって整備を進めていっていただきたいと思うんですけれども。
 大型ごみの件に関してですけれども、こういう外部提供できるような使い方を、この整備計画をつくったときには念頭に置いていなかった、想定していなかったということなんでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほどの大型ごみというのが例えとしていいのかどうか分からないんですけれども、当然、GISにつきましては、例えば大阪ガスさんであるとか関西電力さん、あるいは奈良県さん、そういったところがGISを整備されれば、生駒市の情報と相互に連携と言いますか、相互交換しながら、生駒市の方にも役に立てていこうということでは考えておりました。ただ、個々の業務、今の電話リクエストについてまでは整備計画の中では考えていなかったというのは事実でございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 住宅地図を使おうと思ったら、余分にライセンスの購入費がかかっていくということなんですけれども、それならそれを用いたGISを活用推進できないというのは、それが理由でできないというのは余りにお粗末な話だと思いますね。何とかコストをかけずに、GISを多方面に活用できる方法はないかと、こういう住宅地図を使うようなケースですね。調べてみましたら、埼玉県戸田市が粗大ごみの電話受付システムというのをかつて行っていたんですね。ここは生駒市と同じように、回収は民間業者に委託しています。民間業者に委託しているのに、なぜここは統合型のGISを基盤としてこういうシステムを運用できたのかと。それは、結局、住民基本台帳のデータベースを属性として、家屋がレイヤーされた都市計画図とマッチングして、市独自で住宅地図を作成していると。各GISのベースマップにしているから、そういう複製権とか、全然気にせずにいろんな分野に活用できていると。なぜ、本市はそれをしないで住宅地図のライセンスを買っちゃったのか、そこが気になるんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 住宅地図について、先ほどから活用がうまくいっていないと、余りされていないというようなご質問があったんですけど、まずそれについては、庁内では当然有効に活用しておりますので、ただ庁外に出せないというだけのことですので、そこら辺はよろしくお願いいたします。
 また、他市の例として、住民基本台帳のところから世帯主の氏名を引っ張ってくるということも可能ではございますが、それにしても、ポイントですね、世帯番号なりを地図上にプロットする必要があると。それについては、やはり転入とかがあれば、転出は自動的に消えるのでわざわざ消す必要はないかもしれませんけれども、転入があれば更新していかなければいけない。また、住宅地図については必要かどうかもあるんですけれども、やっぱり事業者、店舗、工場とかも表記されております。今のお話でしたら、なかなかと言うか、店舗とかも表示できないということも出てくると思います。ですから、住宅地図自体はやはり今の地図を購入してやる方が業務としてはやりやすいというふうに思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 こういうこの整備計画の第3段階を目指しているのに、なぜ外部に出せないというような答えが返ってくるのかよく分からないんですけれども、この件は置いておいて。
 統合型のGISの構築業務委託に当たって、この作成された契約書の仕様書なんですけれども、平成15年ですか、空間データとして、家屋、道路、都市計画図、住宅地図システムの4つを作成するということになっています。住宅地図は住民基本台帳をリンクするということになっている。これは整備計画の内容とも符合しますよね。なのに、なぜか契約業務の内容では住宅地図は空間データから外してしまって、別に民間の地図のソフトを買ってしまっているんです。この契約内容と業務内容が異なっているんじゃないですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 契約自体が平成15年ということですけれども、今は持っているんですけれども、詳細を見比べるのが分からないんですけど、当然、仕様書で書かれた状況から、いざ契約となったときに、業者との話合い等々でやはりその内容を見直すということも十分考えられますので、そういった状況で仕様書内容から契約書の段階において修正したかと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 プロポーザルのときには、住宅地図の概念そのものが全然入っていないんです。でも、契約書の仕様書には入っている。けれども、実際はソフトは外から買っている。どう考えたらいいんですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 まず、プロポーザルの場合の仕様書と言いますか、そういったものについてのときには、ある程度の性能発注のような形でこういった状況のことをしてほしいということでは話をします。それによっての提案が出てきます。また、その後におきましても、選定された業者との話合いで、よりいいようなシステムと言いますか、より使いやすいような状況にするために、当初に仕様で出した以外のことも付加するということは往々にして考えられますので、そういった状況かと思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この契約はパスコと結んでおられるわけなんですけれども、このプロポーザルの提案の中ではたしか価格が一番高かった。にもかかわらずパスコと。パスコ、非常に信用できるところやから、私は別に構わないと思うんですよ。ただ、その後、この選定委員会の方から、もっと経費の節減に努めろというような提言が出ています。それで住宅地図を外したんじゃないですか。大丈夫ですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 まず、その当時の選定する委員会におきまして、価格要件については上限額を決めるのみで点数化していなかったと記憶しております。もちろん、先ほども申し上げましたように、選定された業者におきましては、やはり価格交渉はその後にします。また、追加の提案もいただくと。そういった形でよりよいもの、当初こちらが考えていたようなもの以上のものを、また経費的にもそれよりも安いようなものというのは交渉の結果やっていくという状況ですので、そういった状況でそういうふうになったかと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 安物買いの銭失いじゃなかったことを祈りますけれども。住宅基本台帳とこの地図をマッチングしておけば、例えば、今後、利活用が大いに期待されると、余り期待しちゃいけないと思うんですけれども、災害時に、例えば実際に出動できる職員の人数の把握、例えば半径1キロ以内に円を描くとか、そういった緊急に対応できる職員の数、誰なのかということの把握ですとか、あるいは、避難所に来る住民の想定人数の把握だとか、あるいは、震災が起こった後、被災者の支援の危機管理なんかにも役立てられるんです。住宅地図のライセンスに頼らず、住基台帳で自前の住宅地図をこれから構築していかないですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほども申し上げましたけれども、まず、住基データから持ってくるデータでは、やはり住宅地図の全てをカバーできない、事業者等がやはり入っていないということによって、見づらさというのも出てくるであろうと。それから、先ほどからも言っていますけれども、住民基本台帳からにしてみても、転入者の方々の異動と言いますか、修正をかけていくということについても、やはり手間暇がかかるんじゃないかと。そう考えていきますと、市販されているゼンリンの住宅地図業者の方が、コスト的にも、また内容も良いのかなと思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 こういうGISのシステム構築に携わっておられる某市の職員さんに確認させていただきましたところ、データ自体にはコストは発生しないと。要は、労力だけだと。その労力というのは、今、部長がおっしゃったような、ミスマッチをつぶしていく作業も含めて1週間程度でできると。それよりも、地図の鮮度を保つために日々の更新業務をきっちりやることが大事だと。そこの市ではどういうところがその業務を担っているかと言うと、消防なんです。緊急出動していないときにそういった業務をこなしておられるということを伺っておりますので、本市でも不可能ではないと思いますので、是非お考えください。
 それから、この統合型GISの今後の利活用について質問いたします。
 GISは誰のものですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 非常に抽象的なご質問なんですけれども、もちろん生駒市であり、また市民のためのものと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 そうですよね。では、これまでに3億8,000万円もの巨額を投じているわけですから、もっと市民のために使わないともったいないと。GISの有益性がやはり最も発揮できるというのは、そういった属性情報と地図を組み合わせるような分析系のGISだと思うんですね。例えば、本市の活用事例で私が評価したいと思っておりますのは、年齢別の人口だとか、開発の状況、あるいは店舗の立地状況とかを地図に落として、公共交通サービスの優先順位を決めた地域公共交通総合連携計画ですか、あれは本当にいい利用の仕方をしているなというふうに評価したいと思います。単なる公共施設の位置情報、案内というのも悪くはないんですけれども、例えば先ほど庁内で全庁的に活用しているんだとおっしゃいましたけれども、例えば教育とか環境とか福祉はまだ全然入っていなかったですよね。例えば教育であれば、不審者情報をデータベースの地図に落としたら、そしたらそれを使って市民に注意を促すというような、そういう使い方もできますし、そういう情報を流したら、地域の方の防犯のパトロールにも活用することができます。こういう分析系のGISを活用して、GISをこれまでのように単なる何かの付属資料としての使い方だけじゃなくて、是非、政策立案のツールとして役立てていただきたいんですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせください。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 それにつきましては、従来からも総合計画の策定等、今ご指摘にありました交通関係、コミバス関係のことでも利用しております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 だから、そういったことを積極的に市民に情報提供できるようなそういう利活用の仕方をしてはどうですかという質問です。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 もちろん、そういった出来上がった地図については市民の方に開示と言いますか、公表したりはしますけれども、市民の方々がどういったことを望まれていると言うか、そのシステムを使ってということになりますと、ちょっとそういうシステムをホームページの中に入れて、今おっしゃっておられるのは、例えばこの地点から半径100メーターの円を描きなさいと、そういったソフトを入れるということなんでしょうか。ちょっとニュアンスが分からないんですけれども。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 だから、市民の生活に役立つ情報を皆さんがおつくりになって、市民に情報提供をするというのはどうですかということです。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 もちろん、いろんな分野の中であろうかと思いますけども、先ほどもご紹介させていただきましたけれども、都市計画図であるとか防災基本情報マップについてはホームページ上でも公表しているということでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 防災マップ、災害マップはよく存じ上げております。ただ、それとは別に、その他にも各課、部署でいろんな情報を、市民に役立つ情報を提供するツールとしてお使いになってはどうですかということです。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 今回のテーマ、僕もあんまりよく知らなかったテーマをご質問いただきまして、初めて知ったこともたくさんあるんですけれども、要は宝の持ち腐れをしているんじゃないかというご指摘だというふうに理解しております。今、ここに全部長、出席しておりますので、それぞれの部長、各部でこの3億8,000万円の宝をどう活用して、市民サービスの向上を図っていくのかということについては、今後、各部で検討をするように、私からも今この場で申し上げたいと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 前向きなご答弁、ありがとうございます。やはり、こういう活用を促進していくためには、組織の推進体制の再構築が必要であろうと。全国のGISを用いた業務に携わっておられる自治体職員さんからは、この推進体制が、うちと同じようなケース、いっぱい事例報告をしていただいております。人事異動で低迷衰退してしまった、人事異動に伴う業務の引継ぎの問題だとか、部署内にはあったら便利だけれどもなくても困らないという雰囲気があるとか、管理職の無理解、そういった問題の指摘をいただいております。
 全庁的に展開しようと思えば、やはり縦割り組織の中では活用、推進はできないと。人事異動なんかには左右されずに、一定やはり権限を与えられて庁内を横断的にまとめられる市長ですとか副市長がやらないと、これは無理だというふうに私は考えます。その辺の推進体制について、お考えはいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 ちょっとどういう形が考えられるのか、まだ今日初めてこの問題を聞かせていただきましたので、私も今ここで、こういう形で推進体制を構築してやっていきたいという確固たる考えはないですけれども、私の方で、例えばこういう使い方があるんじゃないかと、全ての課の業務について調べて提案するというのは、私の方では不可能ですので。例えば、今、思いつきですけれども、職員提案制度というのがございまして、毎年8月が職員提案月間ですけれども、その呼び掛けに当たって、このGISを活用した何か活用方法について提案するようにというようなことを一つのテーマとして、職員提案を投げ掛けると。職員提案を募集するといったことも一つのアイデアかなというふうに思います。
 今、塩見議員もおっしゃいましたけど、多分なくても課の業務は回っていくと。何かしようと思ったら、手間暇かかると。要するに、職員の立場としては、やろうという自主的なモチベーションが確かにわきにくい分野なんだろうと思うんですよね。使えば便利で、いろいろ市民サービスの向上にもなるので、やっぱりおっしゃるとおり、行政としてトップが呼び掛けないと、なかなかこういう類いのものは歯車が回っていかないのかなというのは、おっしゃるとおりだと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 活用していただくためにも、職員がGISを使った提案が行えるようにGIS活用職員研修というのを取り入れていただきたいと思います。今月末には、東京の首都大学東京でGISで考える防災をテーマとする講習なんかもあります。近くでは、奈良大学とか立命館大学辺りと提携をして研修を行うというようなことも検討していただきまして、統合型GISの塩漬け分野の復興を遂げていただきたいと思います。終わります。

2012年12月議会

平成24年第6回定例会(第2号) 本文




◯山田正弘議長 次に、11番塩見牧子議員。
             (11番 塩見牧子議員 登壇)



◯11番 塩見牧子議員 今回は南こども園創設及び高山スーパースクールゾーン構想の問題点と行政運営の在り方について、公共施設マネジメントについての2点、質問いたします。
 まず、1点目の南こども園構想及び高山スーパースクールゾーン構想につきましては、10月27日に開催された全員協議会で報告されましたが、その際、私からは、1つ目に教育的観点での検討をないがしろにした施設整備中心の構想であり、問題であること。
 2つ目に、耐震補強工事が実施済みである生駒北小学校、生駒北中学校を取り壊して新校舎を建設することに疑問があること。
 3つ目に、耐震補強工事の際に今回のような構想を想起できなかったふかん性のなさと、逆に総合計画に記述のない小中一貫、幼保一体を突如として提示してくる計画性のなさに問題があることを指摘いたしましたが、さらに施設整備のスケジュール等に関しましても疑義があるため、以下の質問にお答えください。
 1番、1つ目の指摘に関しまして、本構想の出所をお答えください。
 2つ目、同じく1つ目の指摘に関しまして、教育委員会等における教育的観点からの検討が欠如していた本構想の策定プロセスは適切であったとお考えでしょうか。
 3番、2つ目の指摘に関しまして、施設マネジメントの観点から適当であったとお考えでしょうか。
 4番、南こども園創設、高山スーパースクールゾーン構想に係る総事業費はそれぞれ幾らを見込んでおいででしょうか。
 5番、両構想の施設整備スケジュールは危機管理上最適な工程であるとお考えでしょうか。
 6番、3つ目の指摘に関しまして、計画に基づかない事業を行うこと及び計画行政について本市の見解をお聞かせください。
 なお、最初の本構想の出所についての質問に関しましては、先日の上原議員の質問で、小中一貫は平成22年の奈良県教育委員会からの打診と議会での八田前議員の一般質問が契機であると。こども園は保育園の待機児童解消を主な目的として検討を指示していたが、高山幼稚園の建て替えも必要になり国の幼保一体についての方針も固まり条件が整った、こども園はソフトとハード両面から、小中一貫はソフトから入った構想であると既にお答えいただいておりますし、6番目の計画行政につきましても、総合計画をつくった時点であらゆるニーズを盛り込むことはできない、必要ならやっていく、計画に載っているかどうかは関係ないとお答えいただいておりますので、ご答弁は省略していただいて結構です。
 次に、2点目の公共施設マネジメントについて質問いたします。
 本市は昭和40年代後半から50年代にかけて住宅開発が進み、公共施設やインフラが整備されましたが、それから三、四十年以上経過し、今後はそれらの維持補修、更新の計画策定及び税収の見込めない中での更新費用の確保が課題となっております。平成20年3月の井上清前議員の一般質問におきまして、2005年から2059年までに222の公共施設の更新に要するコスト及びランニングコストとして3,477億6,000万円という額が示されましたものの、施設白書の作成や施設マネジメントは今後の検討との答弁にとどまりました。その後、公共施設とは別に、平成23年度からは橋梁の長寿命化修繕計画策定業務、下水道長寿命化計画策定事業に取り組まれていることは評価いたしますが、公共施設につきましてはいまだそれぞれの更新の必要度と計画の全体像が見えません。
 そこで、以下の点にお答えください。
 1番、行政改革大綱前期行動IIの3、行政資源の有効活用・効率的な管理運営の取組における重点項目、既存公共施設の長寿命化に向けた中長期的な計画策定では、各施設の修繕計画の立案5件が本年度の数値目標として挙げられておりますが、計画策定の手順、策定から修繕、更新までの手順、本取組の進捗状況及び課題をお尋ねいたします。
 2番、本市の施設更新に当たっての基本方針をお答えください。
 3番、施設の老朽化の実態と財政状況及び更新コストに係る情報を市民と共有するため、施設白書を作成した上で、施設全体の更新計画を策定し、事業を進めるお考えはおありでしょうか。また、その場合の推進体制についてどうあるべきとお考えでしょうか。
 登壇しての質問は以上で終え、追加質問は自席にて行います。



◯山田正弘議長 山下市長。
             (山下真市長 登壇)



◯山下真市長 それでは、塩見議員のご質問のうち2番、3番、4番、5番についてお答えをしたいと思います。
 まず、本構想の策定プロセスは適切であったと考えるかというお尋ねについてですけれども、小中一貫教育の教育効果につきましては、既に全国で1,000校以上の取組実績があり、県内でも複数の取組実績がございまして、その教育効果については実証済みというふうに本市としては判断をしております。また、現在においても年々取り組む市町村が増加している状況にございます。このように、小中一貫教育の教育効果については実証済みということで考えておりまして、今回、それをどこで実施するかということに関しまして、校区の状況、つまり小中の校区が一緒であるということや、統合後のクラス数が適正規模にとどまるというようなことを考慮して、歴史と伝統のある高山地区で実施するのがベストであろうという判断のもと、今回の構想を策定したわけでありまして、プロセスは適切であったと考えております。
 先ほどスマートコミュニティのとこでも申し上げましたけれども、私の考えといたしましては、良いことはできるだけ早くやればいいじゃないかという考えでございます。もし、今後、保護者や学校関係者、地域代表者との意見交換の中で修正すべき点があれば修正をすることはやぶさかではございませんし、もしも本構想に対する反対が圧倒的多数であれば、現在のところ、そういう状況にはございませんけれども、無理してやる事業でもないと思っておりますので、そういう場合はやめるということでございまして、正にボールを投げながら、考えながらやるということでございまして、独断専行というようなことはないと考えております。
 次に、施設マネジメントの観点から適当であったと考えるかというお尋ねでございますけれども、議員もご承知のとおり、生駒北小学校、北中学校の耐震補強は平成20年度に完成をしております。この耐震補強の経緯でございますけれども、これは新潟県中越地震が平成16年10月23日に起こりまして、その直後、平成16年12月26日にスマトラ沖の地震が起き、この平成17年当時におきまして、こういう国内外での地震災害の発生を受けて文部科学省が児童・生徒の安全確保と被災時の住民の避難所を確保するという観点から、小中学校校舎の耐震化を最優先で進めるというふうに方向を転換いたしまして、国を挙げて取り組むことになったわけでございます。地震防災対策特別措置法の改正によりまして、地震補強工事の補助率が2分の1から3分の2に上がるというようなこともございまして、本市といたしましても、この補助率の高い期間内に本市の小中学校の校舎を計画的に耐震化していこうということで平成17年度から23年度の間で耐震補強100%を達成したところでございます。
 このような経過で耐震化を行ったものでございまして、現に新しい小中一貫校ができる平成28年度までの、平成20年度から平成27年度の8年間はこの校舎を使っていくわけでございまして、この期間に地震が起きる可能性というのは十二分にあるわけでございますので、決して無駄な投資とは考えておらず、施設マネジメントの観点からも、やむを得なかったというふうに考えております。
 総事業費につきましては、現在のところ未定でございます。参考までに、生駒中学校の本館の新築工事が1棟で10億円かかっております。小中一貫校はこれ以外に体育館やプールを新設し、また高山幼稚園の園舎を解体して第2グラウンドを整備する。それから、新しい高山こども園も創設するということで、また給食センターも新築いたしますので、当然10億を超える金額がかかるというふうに思っております。
 両構想の施設整備のスケジュールは危機管理上最適な工程であると考えるかというご質問ですけれども、ちょっとこの危機管理上という質問のご趣旨がよく分かりませんので、また2回目のご質問を受けて回答させていただきたいと思います。私からの答弁、以上です。



◯山田正弘議長 稲葉建設部長。
             (稲葉明彦建設部長 登壇)



◯稲葉明彦建設部長 それでは、塩見議員の2つ目の公共施設マネジメントについてお答えいたします。なお、他部に係るものについても私の方で一括してお答えいたします。
 まず、1点目の、行政改革大綱前期行動計画の既存公共施設の長寿命化に向けた中長期的な計画策定において、修繕計画の計画策定の手順、策定から修繕、更新までの手順、本取組の進捗状況及び課題についてでございますが、計画策定の手順といたしましては、まず初めに水道事業の管理施設を除く主な市有施設112施設を抽出しまして、平成23年度、昨年度に各施設管理者に施設データベース及び施設カルテの作成を依頼いたしました。そして、各施設から提出された施設データベース及び施設カルテをチェックし、現地調査により施設カルテの訂正及び未記入部分の記入を行い、修正したカルテを基に各施設の修繕計画を作成いたします。また、財政負担の平準化を図るために、修繕計画作成後においても費用発生年度の調整を行うという手順となります。
 次に、策定から修繕、更新までの手順についてでございますが、現在は、毎年度実施する建築基準法第12条第2項及び第4項の定期点検により、緊急性のあるものから順次修繕を行っておりますが、今後、作成しました修繕計画に基づき、修繕、更新する時期及び費用の参考資料として、各施設管理者と共有し、予算化を図る予定でございます。また、財政負担の平準化を図るために、必要な場合は逐次修繕計画の見直しを行うことも想定しております。
 次に、本取組の進捗状況についてでございますが、今年度作成予定の5施設分の提出されたデータベースと施設カルテのチェック及び訂正を現在やっておりまして、今後、現地調査の後、施設カルテを訂正し、修繕計画を作成する予定でございます。
 次に、課題についてでございますが、提出された各施設のデータベースと施設カルテのチェックや訂正に時間を要することから、全112施設の計画策定には相当な時間を要することと、また、作成した修繕計画を施設管理者と共に共有し、施設管理者が容易に更新できるようにする必要があると考えております。
 続きまして、2点目の本市の施設更新に当たっての基本方針についてでございますが、昭和50年代以降に建設した施設が多く、耐用年数から見て、施設の更新までは若干余裕があることから、現在は長寿命化への計画策定の取組が主でありまして、老朽化した施設は個別に検討しているのが現状でございますが、各施設の利用状況を把握し、他の施設との統合、共用の可能性、施設の存続の適否等について総合的、横断的な観点からの検討を行い、効率的な公共施設の更新に努めていく必要があると考えております。
 続きまして、3点目の、施設白書を作成し、施設全体の更新計画の策定による事業の推進と推進体制についてでございますが、施設白書の導入につきましては、各施設の修繕計画の策定が整った段階において改修、修繕に係る経費を明確にした上で、利用状況等を把握し、作成に向けて検討していきたいと考えております。
 次に、推進体制につきましては、公共施設の整備や公有財産の管理、行政改革など多面的な要素を踏まえ、組織的な対応も含めて検討し、公共施設の適正な維持管理に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。よろしくご理解賜りますよう、お願いいたします。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、追加質問に移らせていただきます。先に公共施設のマネジメントの方から質問いたします。
 ここ数年、研究機関の方でも、老朽化したインフラですとか公共施設が損壊して市民の生命だとか財産を奪いかねないということが頻繁に警告がなされてきているわけなんですけれども、今月2日にも中央自動車道の笹子トンネルで天井板の崩落事故なんかも発生いたしました。このトンネルに関しましては、75年に完成して77年に供用を開始して以来、一度も大規模な改修工事が行われていなくて、山梨県警は先般、中日本高速道路に対しても業務上過失致死傷容疑で捜査に入ったところでございまして、ますます公的な施設がこういう警告を受けなければいけないということにおいて現実味を帯びてきたわけでございます。こういうことが実際に事例として起こってまいりますと、本市におきましても、公共施設の老朽化にどういうふうに取り組んでいくのか、ちんたらやっていられないぞということでの質問のご趣旨とお考えいただきたいと思います。
 白書の作成につきましては、今回、白書を作成するというご回答をいただきました。いつまでに作成するのかというところまではまだ出ないでしょうか。今、中長期の修繕計画をつくっておられて、それが出てきてからつくっていくということなんですけれども、具体的に何年ぐらいというようなことは今示すことはできますでしょうか。



◯山田正弘議長 稲葉部長。



◯稲葉明彦建設部長 先ほども課題のところでお答えさせていただきましたが、現在の前期行動計画で23年度1施設、24年度5施設、25年度11施設ということでございます。全部で112施設ございます。一応カルテ等を昨年度に提出依頼をしておりますが、半分弱はまだ未提出のところもございます。当然、本来の施設整備課としての営繕業務をしながらこの業務をやっていくということでございますので、よほど力を入れるか、若しくは専門的な機関にそのリストのチェックとか、そういう現地調査とかを委託するという方向が一定できれば、相当早く完成はできるかなと思いますが、今のままでいきますと、ちょっと何年度に完成するかということは申しにくいところがございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 今、お答えいただきましたように、昨年度実績として1件、今年度は立案件数5件、来年度は11件ですか。今年度の末、予定どおり計画が策定できたとしても、全施設の5.4%にすぎないと。課題としてもお答えいただきましたように、やはり今データベースをカルテと一緒に各所管から上げていただいて、それをチェックして、更に現地調査をして、そして修正をかけて、それからでないと計画が立てられないということなんですけれども。この費用発生年度を平準化させるためには、一つの施設ごとにそこまでの計画を出してしまってから、それこそ112施設全部集まってから白書を作り出すのか、それとも、それぞれの施設において修繕計画が立てられたらその時点で修繕をしていくのか、どちらになるんでしょうか。



◯山田正弘議長 稲葉部長。



◯稲葉明彦建設部長 その辺につきましては、関係部局とまだ調整はしておりませんが、やはり部分出しにしますと、全体像が分からないという部分があると思います。この白書なり、今、修繕計画を策定しておりますのは、当然、施設を長寿命化するという観点、それ以外にもやはり財政負担を平準化するという、一時にすごく修繕とかいうものが重なることによって、財源が枯渇するとかいうものを防ぐという趣旨もございますので、やはりそういう全体像を一定導き出せた段階で施設白書という形でオープンにすると言うか、そういう方向になるんじゃないかと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 本当に私も考えていたとおりでして、やはり全施設の修繕の必要性、いつの年度にどういうことを行うのかということが全部出そろわないと、それぞれの財政負担という状況も見えてきませんし、だからこそどういう修繕が必要なのかというその計画を早く出していかなければいけないと思うんです。今、部長、お答えいただきましたように、課題としてやはり各課からデータベースですとかカルテが上がってくるのが遅いということが課題として挙げられたわけなんですけれども、じゃ、この課題をどういうふうに解決していくのか、委託というようなこともお考えにあるということなんですけれども、じゃ、委託したら、今この職員だけで業務を行うよりもどれぐらい早くに上げてくることができるんでしょうか。



◯山田正弘議長 稲葉部長。



◯稲葉明彦建設部長 現在も施設整備課の建築士がそういうチェックとか現地調査とかいう形で対応しておるわけですけれども、やはり今、ご存じのとおり、建築基準法の第12条の第2項、4項、これにつきましても、主立ったものはほとんど専門機関へ委託しております。ですから、そういう部分で早急に修繕計画を上げるということになりますと、やはり先ほど、2カ年でまだ5.何%ぐらいということでございますので、ちょっと完成する時間が読めないという部分もございますので、そういう委託ということも一つの念頭であろうと。それにつきましては、委託することで完了はできると思います。
 それともう1点は、ついででございますが、課題の中で施設管理者と共有する。つまり、我々が施設カルテをチェックして修繕計画を立てますが、やはり本来的には施設管理者がそれを全部把握しておく必要がある。それと、時々の軽易な修繕等もそのカルテ、修繕計画で修正していく形が必要でございますので、それを共有するためのデータベースのソフトウエアみたいなもの、そういうものもやはり構築していく必要があるかなというふうに考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 あと、委託することによって発生する経費ですね、それはどのぐらいかかってくるんでしょうか。



◯山田正弘議長 稲葉部長。



◯稲葉明彦建設部長 現在、前期行動計画で25年度、来年度までの分につきましては、今のところ直営で当然考えておりますが、後期の行動計画、それ以後の行革大綱、そういうところで残りの施設について処理するということにつきまして、現時点で積算はしておりません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 先ほども申し上げましたように、これ、平成20年度に質問されて、ずっとここに至っているので、本当に早く全施設の更新計画をつくって、計画的に財源を手当てしていくということが大事だと思いますので、委託費用が発生しても、やはり早くこの計画をつくっていくということを求めたいと思います。
 それから、施設更新の基本方針についてお答えいただいたわけなんですけれども、これにつきましても、利用状況等を総合的に統合して、効率的に考えていくということなんですけれども、この施設更新についての方針というのは、本市では特に明文化されて定められたものというのは出しておいでではないんでしょうか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 おっしゃるように、特にはないんですけれども、先ほど稲葉部長の方からの答弁というのは総合計画、基本計画の中に記されているものでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この基本方針につきましても、やはり全体の修繕計画を策定していく上で絶対に必要になってくるものだと思います。施設を改修するときに、なぜこっちの施設が先なのかということを市民にちゃんと答えられるような、そういった基準を一定オープンにしていかないと、やはり白書を作って実際に更新していく中で、そこのところの基準を示しておくことによって、市民にもしっかり理解されるということになろうかと思いますので。具体的に、例えば施設を更新する優先順位は何なのかとか、あるいは更新に当たってどういうことを、方向性ですね、今お答えいただいたように、施設の機能を統合していくとか、複合していくとか、あるいは環境性能だとか福祉性能を加味していくとか、あるいはメンテナンスの時期、中規模修繕は建築から何年たって行うとか、大規模改修は何年に行うだとか、あるいは施設の総量、これから増やしていくというようなことはまず考えられないと思うんですけれども、基本的には減らしていく方向であるだとか、あるいは長寿命化を図るときの方法ですよね、例えば実用耐用年数プラス10年を目指すだとか、そういった基本的なこと、そういったことはやはりしっかりとオープンにしていって示していただきたいと思います。
 1点だけお伺いしておきたいんですけれども、基準を定めて、その基準に合わない施策、政策が出てきた場合は、それはどちらを優先するか。基準がありながら、それに合わない。でも、これを絶対やりたいんだというような、そういう政策が出てきた場合に、それはどちらを優先されますか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 先ほどの基準と言いますか、それ自体がどういう形でつくるかということもあると思うんですけれども、やはり個々の施設、あるいは個々の用途とかによって変わってくると思いますので、その辺りで基準をぴしっとと言いますか、そんなになかなかきっちりはつくれないんかなというふうには思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、基準は基準でつくったとしても、それはそのときそのときに優先順位を諮っていくというお考えだというふうに理解してよろしいですか。



◯山田正弘議長 今井部長。



◯今井正徳企画財政部長 そのとおりでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 この件に関しましては非常に前向きなご回答をいただきましたので、ここでとどめておきたいと思います。
 続きまして、南こども園創設と高山スーパースクールゾーン構想の追加質問に移らせていただきます。
 まず、この施設面ということでの質問の流れ上、先に施設面での問題点についてお伺いしたいと思います。
 平成20年度に行われました北小と北中の耐震補強工事なんですけれども、もちろんこの4年の間にもいつ大地震が来るともしれず、その耐震補強工事そのものが無駄だったなんてことは決して言いませんし、むしろやって当然だったというふうに評価しております。ただ、この工事に関しましては北小学校で2,709万円、北中学校で6,000万円かかっております。そこに設計費用なんかも加えたら、約1億円かかっているんじゃないかなというふうに考えるわけなんですけれども、しかし、やはりこの平成20年度の時点で北小の南館と北館は既に法定耐用年数まで四、五年というところまで迫っておりましたし、生徒数も少なくなっておりました。ですから、もうそういうことは分かっていたわけでして、やはり施設マネジメントにおける施設整備の方向性として、一般的に言われているのは機能統合とか施設統合でありますし、また、文部科学省の学校施設耐震化推進指針、そこの第1章の学校施設の耐震化に関する基本的な考え方というところにおきましても、学校施設の耐震化を推進する場合、この指針を踏まえて学校施設の質的向上に係る課題についても併せて十分に検討し、学校施設としての総合的な整備計画を企画立案することが望ましいというふうに書かれておりますので、小中一貫の是非はともかくとして、少なくともその施設整備という観点からも、やはり平成20年の時点でこういったことも検討がなされるべきではなかったんでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 議員ご指摘のとおり、もちろん質的な向上もありまして、そのときまだ耐震化だけではなくて、補助も出ておりましたので、一部老朽改修も含めて学校現場等の意見も聞きながら、すごくクラス数は減っておりましたが、学童保育も中で使っておりますし、全体的な計画の中で学校等の意見も聞きながら質的な向上を図ったところでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 しかしながら、その小中一貫というようなところまでは思い至らなかったという理解でよろしいでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 ソフト面、ハード面、両方からということもありましたので、このタイミングではその話はございませんでした。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 南こども園、高山スーパースクールゾーン、両構想のスケジュールにおきまして、先般の上原議員の一般質問の中で、北小、北中は今すぐ建て替えが必要ではないけれども、こども園についてはすぐにハード整備が必要というご答弁が市長の方からあったかと思います。にもかかわらず、高山スーパースクールゾーン構想では、先に小中の方を建設して、こども園の方は後になっていますよね。これ、順序として逆ではないでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 ご指摘のとおり、耐震性の点から言えば、少しでも、仮称ですが高山子ども園の方を早くするということは、事実あるかと思いますが、施設の関係でそういうこともありまして、小中一貫を早く進めることで十分な高山こども園を造って、園児の、あるいは保育園さんと、どちらも耐震化を早く進めるという意味で、そういう計画でございます。ベストではないかもしれませんが、これが最速の案ではないかと考えております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 高山幼稚園の耐震診断のIs値、q値というのはそれぞれ管理棟の方で0.05と0.16、保育棟で0.06と0.18という数値が公表されております。先ほどもご紹介いたしました文科省の学校施設耐震化推進指針の第2章、既存学校施設の耐震化推進計画の策定では、Is値が0.3未満、q値が0.5未満は緊急度ランク1に位置付けられております。先ほどの施設マネジメントの質問でも触れたんですけれども、やはり行政財産が市民の生命を奪うなんていうことがあってはならず、またこの数値が著しく低いということを認識しながら後回しにするというお考えはどうなんでしょうか。幼稚園の建替え、少なくとも小学校校舎への移転等を優先して考えるべきではないかと思うんですけれども。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 今回、この高山スーパースクールゾーン構想を、生駒北小中一貫校、それから高山こども園、それから生駒北学校給食センターと、この3つを組み合わせた形で既存の敷地を使って、どうそれを配置し、どういう順番で工事を行ったら一番今の児童・生徒の授業への影響がなく、またプレハブの建設とか、仮設校舎を造ったりということで要らないお金を使わなくて済むかということをいろいろ考えた結果、今回お示ししているプランが授業への影響が少なく、かつ仮設校舎の建設等、必ずしも必要でない経費の削減にもなるということで考えた結果のプランでございます。そういう意味で言いますと、高山幼稚園の耐震化は遅れますけれども、先ほど来、塩見議員が質問しているように、いろんな施設の工事に当たって無駄なお金が発生してはいけないということもまた一方ではございますので、今回このようなプランに至ったわけですが、しかし、高山幼稚園の耐震化も早急にやらなければならないので、急遽25年度から予算を計上するという形で今回急いでご提示をさせていただいたということでございます。
 何か補足があれば。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 やはり幼稚園児を小学校に入れるとなりましたら、小学校、中学校もそうですけれども、体格のこともありますので、かなりのまた1年暫定、2年暫定の中での改修工事も発生することになろうと思います。そういうことも含めて今の市長の答弁があったと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 順序は少し逆になるかもしれませんし、あるいはまたさらに高山幼稚園の引っ越し費用とかも加算されることにはなるかと思うんですけれども、小学生の方をまず中学校用地に引っ越しさせて、小学校用地に小中一貫校を建設するのではなくて、逆に中学生と幼稚園児を小学校の方に移転させて、中学校を先に取り壊して、そしてこども園を造るというのはいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 もう一度プランをお願いできますでしょうか。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 つまり、今の小学校の方に、先に中学生と幼稚園児を入れる。で、中学校が空きますよね。空きますので、そこにこども園を建設します。で、同じ小学校の敷地内の今建っているところは取り壊せませんけども、同じ敷地内の別のところに建物を建てるという方法はいかがでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 机上ではそういうこともできるかもしれませんが、小学校の保育教室に幼稚園、中学校全部入れてしまうということも少し安全面がどうかというのもありますし、運動場に仮設を造って、こちらを解体してということも、またそれはそれで非常に工法的に難しいのではないかと、私見ですけれども、施設整備課との検討も要しますけれども。やはり今お示ししている案の方が、子どもたちの安全面も考えて、いいのではないかと思いますが。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ただ、やはり高山幼稚園の耐震性の低さというところが、平成28年まで持ち越されるわけですよね。やはり、せめてこの高山幼稚園の子どもたちを安全な場所に移す、これぐらいのことはちゃんとやってしかるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 峯島部長。



◯峯島妙教育総務部長 もちろん、ベストな案だとは思っておりませんが、南幼稚園、みなみ保育園、そしてあすか野、俵口の両幼稚園と、幾つかまだ鉄骨ブロックばかりですけれども、保育園はちょっと分かりませんが、幼稚園については鉄骨ブロックばかりでの耐震性の低さということになっておりまして、大きな鉄筋の他の倒壊とまた崩れ方も少し違うのかなというのもありまして、本当に危なくないというわけではないですけれども、できるだけ早く速やかにやっていくということでご理解いただきたいと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 もうこの耐震性の低さについては、私はここでちゃんと指摘いたしましたので、それを不作為の責任をとられないようにお考えください。
 それから、次に構想の出所についてお伺いいたしますけれども、先般の上原議員の質問だったと思うんですけれども、教育長の方から、奈良県の教育委員会の方からこの小中一貫について打診があったというようなお答えがあったかと思うんですけれども、その打診がいつであったのか、それから、具体的にどのような打診の内容であったのかをお答えいただけますでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 打診は、今、教育指導課の補佐に来ている吉村というのが県教委の学校教育課の係長をしておりまして、その係長が上司と一緒に私を訪問しました。今、県でこの小中一貫教育を進めておるけれども、生駒市では例えば1小1中の校区が幾つかあるわけですので、その校区でこの小中一貫教育に取り組んでいただけないかという打診でございました。ちょっと日にちについては、申し訳ございません、今、手元に資料がありません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 1小1中でということだったので、北小、北中ということに限定された話ではなかったということですね。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 具体的な校名は出しておりません。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 また、その際、施設一体型であるのか、あるいは連携型であるのか、その辺の指定というのも特になかったということでよろしいですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 ございません。ただ、小中一貫教育を実践してみたらどうかと、そういう打診でございました。ただ、受けた方の私としましては、今まさか新設の一体型の小中一貫教育ができるとは到底思っておりませんでしたので、その当時は連携型の小中一貫教育であろうというふうな捉え方をしておりました。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ちょっと私、タウンミーティングにも参加させていただいたんですけれども、そのときの教育長のお話と今のご答弁、少し違うのかなと。と申しますのは、タウンミーティングのときは、たしか、教育長ご自身は小中一貫を進めるご意思が、議会での質問もあったので、そういう意思があったんだけれども、市長の方に持ちかけたところ、施設一体型でのオーケーは出なかったし、教育長としては連携型というところでは大変だから、その気持ちをずっと抑えてきたんだと。今回またそういう小中一貫の話を持ちかけてみたところ、市長がオーケーを出したから、今回はこういうふうに進んだんだというふうなタウンミーティングでの説明だったかと思うんですけれども、どちらが正しいんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 今、議員がおっしゃったとおりだと思います。ただ、市長はやるとかやらないとか、そういうふうな受取方じゃなくて、私の方が小中一貫教育を考えているんですけれどと、そういうようなお話をしました。それに対する具体的なお答えはそのときにはなかったかと、このように思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その小中一貫を考えておられるということを市長に持ちかけられたときには、そのときにはもう北小、北中校区でというようなお考えだったんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 研究をし、実践校からいろんな資料を集めて研究をするという考えはありました。できたら、取り組んでみたい形かなとは思ってたんですけれども、先ほど申しましたように、連携の型ではなかなかいろんな克服しなければいけない課題があるので、これは当面取り組めないかなと、そのような考えは持っておりました。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 もう一度お伺いします。北小、北中に関して持ちかけたということでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 今回の構想が具体化、初めに出たときには、もう具体的に北小、北中で施設一体型の一貫教育をやりたいという提案を市長にさせていただきました。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 その北小、北中であったということは、人数規模の問題からも合致したと。それから、施設の更新も迫っていたということでの北小、北中であったということでよろしいですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 そのとおりでございます。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 ただ、議会の質問、八田前議員の質問では、小学校から中学校に上がるときの中1ギャップというところでの小中一貫校での取組の提案だったかと思うんですけれども、やはりその中1ギャップの解消とか不登校対策ということの質問の趣旨から言えば、北小、北中は、言ってみたら、小学校の面々がそのまま中学校に上がっていくわけですから、むしろここで顔ぶれが変わらない北小、北中で小中一貫を導入しても、余り効果は出ないんじゃないでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 研究する中で、施設一体型の小中一貫教育について視察もし、資料を集めていって、話も聞く機会もありました。その中で施設一体型の一貫教育というのは非常にメリットの部分が大きいので、こういう形だったら、是非実現していきたいなと、そういう思いは強くなっていったということは間違いないと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、中1ギャップの解消というよりは、先般、上原議員の質問にお答えいただいたような、中学校の専科の教員を小学校に活用できる、それによるまた学習効果の向上、そういった観点での導入という意味合いが強いというものでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 北小中の場合にはそれがやっぱり私自身の中では一番大きいかなと、このような思いを持っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 では、これはもう市全体の課題だと思うんですけれども、中1ギャップによる不登校問題というのは、これまで市教委の中でどのような検討がなされてきたのか。教育委員会の会議録を読みましても、そういう議論がなされていたという形跡もないですし、先般の上原議員の質問の答弁によりますと、平成22年3月の議会質問の後の教育委員会の事前協議会で、議会質問を受けたということと、こういうふうに答弁したということの報告をされたということだったんですけれども、そのときに教育委員会の委員長や委員さんとは具体的にどのような議論になったのか。それとも、単に教育長の報告にとどまっていたんでしょうか。どちらでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 その当時は報告にとどまっておったと、このように理解しております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 本来、教育のことを、この生駒市の教育をどうしていこうかというような教育委員会で、中1ギャップの問題、不登校の問題、それから小中一貫といったような、本当に大きな問題がこの中で話し合われないというのはどうなのかなというふうに思います。教育委員会は私自身もよく傍聴させていただくんですけれども、事前協議会で結構大事なことが話し合われてしまっていて、後の教育委員会の方は本当に形式的なものになってしまっているんじゃないかなと。生駒市の教育をやっぱりどうしていくのかという丁々発止の議論を是非事前協議会の方じゃなくて委員会の方でやっていただきたいと思います。事前協議会、やめてはどうですか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 そのような反省から、市長からのご提案も受けまして、私どもで記録に残せるような会議の場でそういう問題について討論をしたいということで今進めております。なお、現在、定例教育委員会は月1回ですけれども、臨時に持つ回数を増やして、重要な案件についてはしっかり時間を取って、しっかりと討論していこうと。当然、それは議事録に載るわけでございますので、透明性のある教育委員会をやっていくと、活性化も図っていくということをやっております。
 先ほどの質問ですけれども、ただ報告をしたということじゃなくて、当然、中1ギャップに対する取組につきましては、議会でも質問にお答えしましたように、不登校対策等は市としては行っておるわけでございますので、そういう施策についても当然教育委員さんには説明をしておりますし、私の答えの中では、新しい学習指導要領では既に小学校、中学校、連続性のある学習指導内容を現在つくっておって、それに基づいた教育活動をしておりますので、学習内容は小中一貫教育と同じような形で進められておるという答弁もしておりますので、そういうことも併せて報告はしております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 少し話を戻しまして、やはりその小中一貫、北小中はまた別の効果をねらってということなんですけれども、やはりその中1ギャップの解消というところは、これは全国的にも効果が結構認められておりますし、であれば、やはりその北小中に限定せずに、全市的に小中一貫ということについて検討されてもいいのではないかと。先般、上原議員に対するご質問のご答弁の中では、北小中での取組を検証してメリットが確認されたら、他校でも実施を考えるというようなご答弁だったんですけれども、それではその北小中は実験台なのかというような疑問が出てくるんですけれども、その点、いかがなんでしょうか。



◯山田正弘議長 早川教育長。



◯早川英雄教育長 別にモデル校とか実験校とかで実施するものでは決してないわけでございます。ただ、私どもの気持ちとしましては、これは北小中では新しい施設を造って、そこで小中一体型の一貫教育をやるわけでございますので、当然、県内、市内、他のところからも注目を浴びるだろうと。それに応えられる取組をしていかなければいけないという思いがありますので、当然メリットが多いわけでございます。ただ、今、議員がおっしゃったように、よいものであれば、他の学校でも取り入れたらどうかと、こういう意見は当然出てくるというふうに思うわけなんです。ただ、やっぱりそれをするためには人数的な配置も必要ですし、予算も要りますし、そういう全てを考えて現実にできるかどうかは別問題ですけれども、もしいいものがあれば取り入れていくという気持ちは持っております。ただ、何度も申しますように、モデル校とかいう形で実験校としてやるものではないと、私は私自身としてこの学校での取組というのは大変有効的であるので、それに全力を注ぎたいというふうに思っております。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 先週も、この開会前なんですけれども、宇治市の小中一貫校の視察に参りました。宇治市は、施設一体型の一貫校こそ今年度開校したばかりなんですけれども、ご存じだと思います。検討を始めたのは、実に平成9年度であったと。小中一貫ありきで始まったのではなくて、学校規模の適正化ですとか、学校配置の適正化を議論する中で出てきた構想なんだと。市内の一つの学校だけをどうこうしようということではなくて、市全体の教育をどうしていくのかという視点で検討を重ねて、そして平成16年度に教育改革基本計画を策定して、そこから初めて具体的にそこでの学習内容だとかカリキュラムを検討し出したという、本当につくり込み方がこことは違う。
 先般、南こども園の検討をしている子ども子育て支援懇話会を傍聴させていただきましたけれども、そこでもやはり私が傍聴した感じでは、その一体化が先走っていて、もう既に、給食をどうするかだとか、制服をどうするかだとか、具体的にその工事期間が始まったときの安全性はどう確保するだとか、そういった話になってしまっていて、肝心の子育てをどうするのか、保育をどうするのか、教育をどうするのかということが全く話し合われていなかったというのが本当に残念です。幼保一体、小中一貫の善し悪しは別として、本当に構想のつくり込み方がやはり本市ではずさんなのではないかというふうにしか言いようがありません。
 先般のタウンミーティングでも、やはり小中一貫ではなくて、別の中学校同士の合併というようなことを望む声も上がっておりましたし、昨年度、学童保育の行事、市連協の行事に呼ばれて行った中でも、保護者の方からは、競争性が中学校になってないのはどうかと思うのでやはり校区の再編成というようなことも考えてほしいということも私自身お聞きしています。ですから、生駒市の教育、今どういうことが課題なのか、その課題を解決するためにはどういった方策があるのか、その策の中でどういったチョイスをしていくのかということを、本当にゼロベースで保護者や児童・生徒、そして教職員、地域住民が議論しながらつくり上げていく、そういうことが本当に本市に今求められている道だと考えるんですけれども、いかがでしょうか。



◯山田正弘議長 山下市長。



◯山下真市長 ゼロベースで一から議論すると言えば、何か住民参加が進んでいてすごくいいかのように聞こえるんですけれども、議論を効果的に進める上ではやっぱりたたき台というのは必要だと思います。皆さん、自分のご都合で意見を言われる方も正直多いです。この前のタウンミーティングで、たしか北小学校に子どもさんを通わせている親御さんが、もう北中は廃校にして上中と一緒にしたらいいじゃないかというご意見がございました。私、その方から事前にメールを頂いておりまして、そういう声があるのは十分分かると。しかしながら、北中を廃校にして上中と合併するという案は到底地元の皆様方に受け入れられるとは僕は思いませんと。あなたがそう思われるんであれば、どうぞその意見をタウンミーティングでおっしゃってくださいと。そしたら、それを受けて私は会場にいる人にそれについてどう思うか聞きますからということで申し上げさせていただきまして、確かにそういう展開になったんですけれども、その中で、北中を廃校にして上中にくっつければいいという意見に賛同される方はおられなかったと思います。
 いろんな人が自分の利害で言いたいことを言えば、本当に私は、なかなか、会議すれども会議は踊るで、まとまった会議にはならないと。やっぱりある程度一定のたたき台を示して、それが全く駄目であればやめればいいし、もっと修正する必要があれば修正すればいいし、それが僕は有効な市民参加の議論の在り方だと思いますし、またその方が、責任を持った行政なり、教育委員会として責任ある対応だと思うんです。何らたたき台も出さずに、さあどうぞ議論してくださいと言っても、そんな会議が、私はまとまるとは到底思いません。皆さん、それぞれの自分の利害とか、そういうことだけでおっしゃる方もおられますので。
 それと、宇治市の例で平成9年からということで、生駒市のやり方はずさんだというご指摘だったんですけれども、この小中一貫教育の良さについては、既に全国で1,000校以上でやっているわけで、一定程度、教育効果ということは、私はもう検証されているというふうに考えておるところでございます。ですから、その小中一貫教育の是非について、また一から良いか悪いかということも含めて議論する必要が果たしてあるのかというふうに私は思っておるところでございまして、もし悪い制度であれば、これだけ広まることはなかっただろうし、これからも増えていくことはないというふうに思うわけで、ただ、いろんな問題も全くないわけではございませんので、そういう問題をどう解消していくかということをこれからの準備期間又は開校後探っていけばいいのではないかなというふうに私は思っております。
 先ほどのご質問に対する回答で、部長の回答をちょっと補足させていただきますと、高山幼稚園の耐震上の問題が放置されるのではないかというご指摘なんですけれども、確かに一定期間、そういうことにはなるんですけれども、先ほども言いましたように、小中学校の耐震化も合計で7カ年度かけてやっておりまして、順次実施をしておりますので、早いところと遅いところが出てきてしまうのは仕方ないわけでございます。当然、財源の制約がございますので、財源と、あと教育総務課や施設整備課のマンパワーの問題もございますので、全ての学校を一時にやるというのは到底不可能でございますので、そういう意味で幼稚園も、これは年に1園ないし2園ずつぐらいしかなかなか予算の平準化という観点からもマンパワーの観点からもできないわけでございまして、今現在、工事だけで申しますと、生駒幼稚園の耐震補強を平成24年度、それからあすか野幼稚園と俵口幼稚園の耐震補強を25年度、26年度に生駒台幼稚園の新築、それから27年度に南こども園の新築、それから28年度にこの高山こども園の新築ということで、工事の前年には当然設計がございますので、1件か2件ずつやるというのが現状では致し方ないのかなという中で、高山幼稚園が最後になってしまうのは、先ほど申しましたような、この工事のスケジュールとの関係で致し方ないと考えております。
 それと、先ほどご提案の小学校の方に中学校と幼稚園が引っ越したらいいんじゃないかと。で、北中を先につぶして、そこに高山こども園を建てればいいんじゃないかというご指摘なんでございますけれども、その場合、北小中一貫校の建物をグラウンドをつぶして新しく建てる。そうすると、その期間はグラウンドが全然使えないということになりますし、仮設校舎を建てて、また新しく新築して戻るということになっても、その仮設校舎のある期間はグラウンドが使えませんし、北中学校の校庭を使えばいいじゃないかとおっしゃいますけど、そのときには高山こども園の工事をしているわけですから、その工事期間中でいろんなクレーンなんかが出ているところで体育とか部活をやるわけにもいきませんので、そういうことを考えると、今、塩見議員ご提案のやり方もかなり児童・生徒の安全上問題があるのではないかと思います。



◯山田正弘議長 塩見議員。



◯11番 塩見牧子議員 もう時間もないので、あれなんですけれども。市長が考えるほど、私は、市民というのは、もっと本当に平場で一から話をすれば、それぞれが考えている問題点というのを共有し合って、そしてそれを出し合ってお互いに議論することによって、一つのものをつくり上げていくということは、私は市民は十分できると考えております。その辺の考え方の相違だけご指摘申し上げて、質問を終わりたいと思います。