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会議録(塩見まきこの質問)

2007年6月議会

2007.06.11 : 平成19年第3回定例会(第2号) 本文


◯議長(井上充生君) 休憩を解いて、引き続き一般質問を行います。
 8番塩見牧子君。
             (8番 塩見牧子君 登壇)



◯8番(塩見牧子君) ただ今より、障がい児の療育施設の拡充について一般質問いたします。
 平成18年4月1日におきまして、生駒市の18歳未満の障がい者のうち、身体障がい者手帳交付者数は79人、療育手帳の交付を受けている知的障がい者数は139人に上ります。障がいは妊娠中の保健教育や保健相談、健康診査を強化することで、あるいは育児や環境づくりの保健指導により疾病や事故を防ぐことで、その発生を未然に防ぐことはある程度可能です。が、障がいを負った場合でも、妊婦検診や乳幼児検診、訪問指導、育児相談の実施により、早期に発見し、早期に治療、療育を行えば、障がい者の自立性や主体性をはぐくむことにつながると言われております。生駒市の第3期ハートフルプランの障がい者福祉計画におきましても、早期療育は保護者の不安や悩みにこたえ、乳幼児期の発達を促し、障がいの改善に寄与する重要な施策になるとして、その充実に努めるとあります。
 そこで、生駒市の障がい児が現在どのような状況に置かれているのか、どのように障がいが発見され、その結果どのように対応されているのかを調べてみました。担当課の説明によりますと、もちろん出産時に障がいが分かるものもありますが、そうでない場合は、保護者からの相談や乳幼児検診における医師の診断、保健師の観察によって障がいの疑いが指摘されれば、健康課が行っておりますなかよし教室という親子教室にご案内し、そこで心理判定員が療育の必要性を見極め、宝山寺福祉事業団の子ども支援センターあすなろのデイサービスや鹿ノ台のデイサービス教室などの療育の利用を勧めるということでした。
 しかしながら、あすなろの場合、平成16年の開所時には利用人数が30人であったのが、この3年間で5倍の150人に膨れ上がっております。施設も同じ宝山寺福祉事業団の児童養護施設愛染寮の一部を間借りしているような状態で、現在はここだけでは対応し切れず、メディカルセンターやもやい館の部屋を使い、あちらこちらで実施しているような状況で、1人が利用できる回数にも限度があります。
 一方、同じ宝山寺福祉事業団の仔鹿園という障がい幼児の通所施設が奈良市古市町に、奈良県社会福祉事業団の奈良県総合リハビリテーションセンターが田原本町にありますが、こちらは毎日通園できるものの、入所も難しく、また、双方共に生駒からは通所に時間がかかり、保護者にとっても子どもにとっても大変な負担となっております。また、東大寺福祉事業団の東大寺整肢園が行っている理学、作業、言語療法などとあすなろを併用したり、また、これらの施設とは管轄や性質、目的も異にいたしますが、言葉の発達に不安のある子どもたちが利用できる生駒小学校内のことばの教室と併用したり、市内外の幾つもの療育、治療の場を求めて渡り歩く保護者の姿が見受けられます。
 さらに、これらの療育施設の保育時間は平日の午前10時ごろから午後3時ごろまでがほとんどで、共働き世帯、就労している一人親世帯では療育を受けさせるためには仕事を休まなくてはならず、就労をあきらめざるを得ない場合もあります。障がい者には身体と知的と両方の重複症状を持った方がたくさんおられます。そういう方々が複数の施設をはしごせずとも、統合されたプログラムの中で実効性のある療育を1カ所で受けることが求められます。また、親の就労にかかわらず、必要な療育を受けられる環境を保障していくことが必要だと考えます。
 そこで、まずは、障がい児の療育について本市が現在どのように取り組んでおられるのかお聞かせください。
 2問目からは自席にて質問いたします。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。
             (福祉健康部長 竹森憲一君 登壇)



◯福祉健康部長(竹森憲一君) それでは、塩見議員の質問にお答えいたします。
 就学前の障がい児療育施策につきましては、母子保健としての乳幼児検診結果及び医師からの紹介によります母子通園での発達支援が必要か否かの見極めを目的に、また、保護者に対し療育の意義を理解していただき、スムーズに療育サービスを受けられるよう働きかけることを目的としたなかよし教室が、障がい者福祉として療育及び子育て支援を目的にした子ども支援センターあすなろと鹿ノ台児童デイサービスえるくで提供している児童デイサービス事業と、生活支援センターあすなろで実施いたしております相談支援サービスがございます。
 児童デイサービスの事業の対象者といたしましては、障がい確定児だけでなく、子育て支援及び保護者の不安解消のために、発達に障がいがあると思われる児童も対象にいたしております。また、教育分野といたしましては、ことばの教室で行います教育相談、指導業務や就学前教育相談等を実施いたしております。
 また、児童デイサービス事業につきましては、平成16年度から実施いたしたものでございますが、それまでは奈良市にございます障がい児通園施設仔鹿園が療育訓練事業を、また、児童福祉課で母子通園事業としてぽっぽ教室を実施いたしておりました。仔鹿園は主として奈良県北部の利用者を対象にしており、毎年受入れできない利用者が40人程度発生する状況にあり、その待機者の過半は生駒市の利用申込みでありました。
 また、平成15年度に利用者がサービスを選択する支援費制度が導入されまして、措置から契約へと大きく制度変更なされたものもあり、障がい児に係るサービス提供の基盤の整備が急務であったことから、暫定措置といたしまして、社会福祉法人宝山寺福祉事業団の協力を得まして、平成16年度に子ども支援センターあすなろを1日当たり10人の定員で利用者30人で開設をいたしたものでございます。
 しかし、予想をはるかに上回る利用ニーズがあったことから、子ども支援センターあすなろの分室として、平成17年度にはもやい館で定員10人で、平成18年度には従来実施しておりました療育教室ぽっぽ教室を改編して、メディカルセンターで定員20人で開設し、年々受入れ体制の整備を図ってきたところでございます。また、新たに社会福祉法人長命荘によります鹿ノ台児童デイサービスえるくが定員8名で18年度に開設されており、現在、利用施設を合わせまして、165人の利用者がおられます。
 このように、より子育てが困難な障がい児を待機児童として発生させることがあってはならないとの考えから、年々児童デイサービス事業の受入れ体制を拡大してきたところでございますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) あすなろにおきましては、障がいが確定していないいわゆるグレーの子どもたちも福祉事務所長のご判断で受け入れておられるということです。また、サービス利用時間も他市に比べて比較的長い目に設定されているということをお聞きいたしまして、保護者の育児上の悩みですとか不安の除去という、子育て支援の面では評価されていいと考えます。しかし、それはあくまで保護者に対する支援であって、障がいを持つ子どもにとってはそれだけでは不十分に思います。私も実際このあすなろを視察してまいりました。しかし、残念ながら、あすなろは形の上では嘱託で作業療法士ですとか言語療法士、医師をそろえて体裁は整えておられるんですけれども、施設が未整備なためなのか、療育内容というのは保護者の負担軽減のための保育の域を出ていないのではないかという感想を抱きました。
 先ほど触れました第3期生駒市ハートフルプランでは、山下市長も福祉施策の柱として少子高齢化を見据えた住みやすいまちづくりに取り組む所存であるというふうに表明されているわけですけれども、このプランの中には、「障がいのある児童の育成については、仲間と交流し、相互に理解、協力しながら育つ環境づくりを目指すと同時に、できるだけ早期に、特に発達期にある乳幼児期に障がいの軽減や基本的生活能力の向上を図ることが重要です」とあります。
 ここには本市が目指す障がい児施策について2つのポイントが挙げられると思うんですけれども、1つは、障がい児も地域から隔絶されることなく、地域の理解、交流の中で育成されるべきということ。そして、2つ目は、障がいは早期に適切な療育を受けることによってその軽減を図り、生活能力を高めるべきであるということです。
 第3期ハートフルプランは平成18年度から20年度までの3年間の福祉計画を策定したものなんですけれども、20年度までにどのような獲得目標を設定されておられるのでしょうか。単年度ごとの目標があるのかどうか分からないんですけども、障がいのある子どもが地域の中で育成されるための具体的な取組、それから早期療育を施すための計画等をお聞かせください。また、平成18年度において既に取り組まれたものもあれば、それもお答えください。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) ただ今のご質問でございますが、生駒市ハートフルプランにつきましては、18年度を初年度とする3カ年計画で策定をいたしたものでございまして、その中で、特に地域の方々や関係機関と連携して要支援者を支えていくネットワーク体制の構築に重点を置いたものでございます。この中で、障がい者福祉のネットワーク体制につきましては、平成18年10月の障害者自立支援法の本格施行に伴いまして、新たに設置をいたしました障がい者自立支援協議会を中心に相談支援体制の充実に取り組んでいく旨の記載をいたしております。
 本市といたしましては、知的障がい者部門の生活支援センターかざぐるま、障がい児担当の子ども支援センターあすなろ、また、精神障がい者担当の生活支援センターコスモールいこまに相談支援センターを設置委託しておりまして、おのおのの専門分野のノウハウを生かしまして、障がい者の特性に応じました支援体制を構築できるよう情報を共有し、互いに連携を持った体制づくりを持っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 地域の中での育成という点ではお答えいただいたとおりかと思うんですけれども、早期療育のための具体的な取組という点ではいかがでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 現在、ご答弁申し上げましたように、165人の利用者がおられるわけでございます。その障がい者の方々の障がい程度、また多動性の有無等々、多種多様な状況がございますので、専門的な見地から精神科医、作業療法士、言語療法士等々の方々に定期的に指導していただけるよう平成19年度から取り組んでいるところでございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ハートフルプランでの獲得目標というのでは、どちらかといえば地域の中での育成ということに重点が置かれているようなんですけれども、そういう点では、保育園に今在籍している障がい児は、45人ほどいるそうなんですけれども、ほかの園児たちと一緒に保育されておりまして、ノーマライゼーションという考え方からすれば理想的な環境にあると言えるのかもしれません。しかし、保育園では加配の保育士は付けられたとしても、個別の症状に合った特別な療育プログラムにのっとった保育がなされているわけではありません。保育園や幼稚園との連携ということが療育施設には欠かせないと思うんですけれども、具体的にどういった連携をとっていけば有効な療育を施すことができるとお考えでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) ただ今のご質問でございますが、当然その子にとって必要な療育もございますでしょうし、保育もございますでしょう。その中で互いに連携をとりながら、その子にとって一番必要なサービスなり療育措置ができればいいと考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 大阪市の平野区の大阪市更生療育センターというところに先日視察に行ってきたんですけれども、ここは親子で通園するようになっている施設です。そういう点ではちょっと共働き家庭に対するケアというのは不十分なんですけれども、保護者が一緒に通園するというのは理由がありまして、一緒に通園することによって保護者も一緒に療育を学んで、家庭での子どもとのかかわり方に生かしていくという、そういう意味があるわけです。
 保育士ですとか幼稚園の教諭にも担任している障がい児さんが実際に受けておられる療育について講習を受けていただければ、そのノウハウを園に持ち帰って日々の保育ですとか教育に生かすこともできますし、またそういうことをしていただければ、共働きで療育に通えないようなご家庭にとってもプラスになると思うんですけれども、今はそのような講習を療育施設に行って保育士さん、教諭の方も受けられるというようなことはお考えにはないでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 現時点の実態につきましては、施設と保護者との連携を密にしながら療育の状況等を把握、確認しながら、その子にとって一番いい方法をお互いに連携をしながら考えられていっているという形で考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 単なる症状の情報交換ではなくて、実際に担任の保育士ですとか教諭、あるいは加配の保育士などがそういう療育プログラムを学ぶということはやはり有効だと考えられますので、是非ご検討願いたいと思います。
 次に、ハートフルプランの中の早期療育の取組について1点だけ確認させていただきたいと思います。
 早期療育ということからいたしますと、障がいの早期発見ということも当然必要になってくるわけですけれども、言葉を含めまして知的な遅れが最も発見されやすいのは1歳半検診だと言われております。生駒市の1歳半検診のここ3年間ほどの平均の受診率というのを調べてみたんですけれども、約92.5%という数字が出ておりますが、これについては高いとお考えでしょうか。それとも低いとお考えでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 乳幼児検診の92.5%については、一定の数字だという形で考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 乳幼児検診を受診されなかった場合であっても、健康課では電話等で保護者に健康状態について確認するようにしているというような説明を受けたんですけれども、中には育児放棄などで、就学するまで6回の健康診断を受ける機会があるにもかかわらず、一度も受診されないような家庭もあるようなんです。
 これは要望なんですけれども、障がいの発見という観点からはもちろんのこと、虐待の発見というような観点からも、保護者に直接の聞き取りに頼らずに、実際に医師ですとか保健師、ケースワーカーの目で子どもを観察、診察する必要があると思いますので、受診率の向上に向けて更なる努力をお願いしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 そもそも療育というのは自立性、主体性をはぐくみ、生活能力を高めるということを目的としておりますので、障がい児一人一人についての到達目標というのをその都度その都度設定し、その目標達成のための計画を立てて療育を実施し、到達度について評価するということが欠かせません。そのためには、医師、看護師、療育士、保育士、ケースワーカー、栄養士でチームを組んで、一人一人の症例を検討して、その子に合った療育プログラムを設定していくということが求められます。療育は医療とは切り離せません。折しも本市では新病院建設の構想が持ち上がっておりますが、療育施設を病院に併設すること、そして、リハビリテーション科を含む整形外科、小児科など、療育や検査に必要な診療科目を組み込むということは新病院の構想に入れるお考えはないでしょうか。



◯議長(井上充生君) 山下市長。



◯市長(山下 真君) 新病院整備専門委員会で病児保育室を併設してはどうかというご意見はいただいていまして、それは答申に載っておりますけれども、療育施設についてまではまだ考えていなかったのが現状でございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 構想にないということになりますと、ここでもう一度確認させていただきたいんですけれども、生駒市は療育施設について、今のこのあすなろのような保育だとか遊びが中心の子育て支援的な要素のものだけでいいと考えておられるのか、それとも、将来社会の中で自立して生活できる能力を身に付けることを目的とした教育訓練的な要素をもっと取り入れたものを目指していかれるのか、どちらでしょうか。



◯議長(井上充生君) 山下市長。



◯市長(山下 真君) 当然後者が望ましいというふうには考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) その後者を目指すのであれば、新病院と切り離して考えてしまいますと、医師、看護師、療法士というのをまた別に呼んでこなければいけないことになってくるわけですね。そういった非効率的な運営を強いられることになるんですけれども、効率性ということになりますと、市政の柱として効率性ということを山下市長は標榜されておられるわけですけれども、こういうことは不本意なことになるのではないでしょうか。



◯議長(井上充生君) 山下市長。



◯市長(山下 真君) おっしゃるとおりなんですが、新病院はご承知のとおり、市が直営でやるわけではなくて、指定管理者にお願いをするということでございまして、経営面では基本的には独立採算ということでお願いをしていきたいと思っておりますので、当然市独自の意向だけでは決められませんので、指定管理者の意向もお伺いする必要があるというふうに思っております。もちろん今後、指定管理者となる候補と、先ほど申しました病児保育も含めて検討はしていきたい。今回の療育施設も含めて検討はしていきたいと思いますけれども、要するに余り新病院に過度な機能を期待し過ぎると、今度は受け手が難色を示すという、そういう非常にジレンマもあるわけでございますので、その辺、今後、指定管理者の候補とも協議をする中で検討してまいりたいと思います。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 是非とも前向きに検討いただきたいと思います。病院につきましてはこの質問の趣旨から外れますので、これ以上は控えさせていただきます。
 国や県がこういう療育施設を造るといった場合、国や県の動向ということも見守らなければ見通しも立たないことですし、今の場合、新病院がどうなるのか分からないというような不確定な要素も多いことですし、またさらに、ハード面での整備というのも必要な事業ですから、一朝一夕に実現ということには向かわないというのはよく分かるんですけれども、とはいうものの、現に療育を必要としている子どもたちはいるわけで、そういう子どもたちは今適切な療育を保障してあげなければいけません。
 本市における障がい児療育の現状を先ほどお答えいただきましたけれども、差し当たってつぎはぎでやっているようなこのあすなろの保育だけでも、まとめられるところはまとめて効率化を図り、一方で、一人一人には綿密な療育プログラムを組んできちんと評価してやるということが必要と考えるんですけれども、どのような改善策を講じていかれる予定でしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 平成18年度に施行されました障害者自立支援法で、平成22年度までに県が行っております措置事業を含めまして、障がい児に関するサービスを再編して市町村に一元化することが明記をされておるところでございます。今後、利用ニーズを踏まえながら、ご指摘をいただいております先進地等の事例を参考にしながら検討してまいりたいというような考えをしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) あくまで今のあすなろというのは暫定措置というふうにお伺いしております。先ほど紹介いたしました大阪市平野区の更生療育センターでは、療育プログラムの一環の保育の時間の中に作業療法ですとか言語療法、それから理学療法の時間が組み込まれていて、きちんと評価ということもなされております。保育の遊び一つ一つにちゃんと療育の意味付けもあります。そこには診察部門もあって、脳波の検査などもその敷地内で受けることができるようになっております。今年度からは特別支援教育の対象になっているような軽度発達障がいのお子さんに対しても、放課後の時間を使って療育ということが行われております。保育園だとか幼稚園、学校にも出向いて、保育士、教諭向けに療育の講習を行ったりというようなこともされております。ここから巣立ったダウン症のお子さんが介護ヘルパー2級の資格を取って、立派に社会に出られているというようなこともここでご報告したいと思います。こういった先進地の事例を参考に、是非関西一魅力的な療育が受けられるまちづくりを目指していただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

2007年9月議会

平成19年第4回定例会(第2号) 本文

◯議長(井上充生君) 休憩を解いて、引き続き一般質問を行います。
 8番塩見牧子君。
             (8番 塩見牧子君 登壇)



◯8番(塩見牧子君) ただ今より、軽度発達障がい児の支援と乳幼児虐待の対応について、また、それらを十分に継続して見守ることができる子育て支援の在り方について質問いたします。
 2005年に発達障害者支援法が制定され、学習障がい、LD、注意欠陥多動性障がい、ADHD、アスペルガー症候群や高機能自閉症などの軽度発達障がいの早期発見や、障がい者とその家族に対する支援が自治体の責務になり、本年度からは軽度発達障がい児に対する特別支援教育も始まっております。
 周知のように、これらの障がいは、パニック症状などの顕著な問題行動が表れない限り、見た目ではそれと分かりにくく、見過ごされやすい障がいです。家庭内や低年齢段階の1対1の健診では障がいを発見できないまま、集団生活の中で、保育士や幼稚園、小学校の教諭、学童指導員によって初めて気付かれることもあります。集団での行動や特定の学習能力に難があるため、就学後に問題が顕著になることが多いのですが、周囲からは、親のしつけや本人の性格の問題と誤解されがちで、本人は家庭でも外でもしかられっ放しで、自信を失い、家族もトラブルでおわびに奔走するなど、悩みは大きく、何よりそれが原因でいじめられるといった二次障がいも指摘されております。
 そういう点では、これら発達障がいが特別支援教育の対象になり、支援員が配属されるようになったことは、周囲からの理解も得られやすくなり、不登校や引きこもりの防止にもなり、将来の働ける納税者を増やすことにもつながり、評価できます。
 しかし、これらの障がいがより早い段階で発見されれば、就学までの間に療育を受け、苦手なことに配慮した環境を整えることもでき、入学時には、集団に違和感なく溶け込むことも可能になります。
 そこでお伺いいたします。
 本市で軽度発達障がいと指摘され、特別支援教育を受けている児童たちは、どのくらいの年齢で、どのような機会で障がいを発見されたか把握しておいででしょうか。また、軽度発達障がいの早期発見のために、市はどのような取組をされておいででしょうか。さらに、発見後はどのように対応し、本人及び保護者に対してどのような支援がなされているでしょうか。
 2005年度3月議会で下村議員が同種の質問をされておりますが、再度就学時の受入れの対応と併せてお答えください。
 次に、乳幼児虐待について質問をいたします。
 現在の乳幼児の親世代は、自身も兄弟の少ない核家族の中で育っているため、育児経験が不足しており、また、少子化で、近所にも同世代の育児仲間は少なく、育児情報ははん濫しているにもかかわらず、子育ての悩みを共有したり、相談したりする相手が見つからないのが実情です。
 また、育児は夫婦共同でするものという夫の意識が希薄であったり、男性の育児参加に対する職場の理解がなかったりということとも相まって、終日、母親は密室育児を強いられ、大変な心理的負担となっております。特に、その負担感は、保育園等の育児支援を仰げない専業主婦世帯に著しく、第2子、第3子の出産をためらわせている要因の一つともなっております。
 子育てを高齢者介護と比較して、出口があるだけまだまし、我慢せよというような声もありますが、その数カ月、数年の間に育児ストレスが虐待につながり、我が子をあやめてしまうこともある深刻な社会問題となっております。
 また、先ほど触れましたような発達障がいに親も気付かないまま育てにくさを感じ、それが虐待に至ることもあります。昨年度の全国の虐待件数は3万7,000件余りで、10年前の9倍にも上っております。虐待件数が増えたということは、虐待の通告件数が増えたということでもありますし、また、昔ならしつけと片付けられていたものも今は虐待ととらえるという事情もございますので、増加のみを問題視するのには慎重にならなければいけないと思いますが、それにしても、3万7,000件という数は見過ごすことができない数字です。
 育児よりも自分の楽しみを優先させてしまう、いわゆる親不適格者に虐待が多いのも事実ですが、子どもには何のとがもなく、そういう親から守ってやることが必要ですし、親自身の生育環境が虐待の遠因になっていることもあり、親にも何らかの支援が必要です。
 平成16年12月24日の政府少子化社会対策会議による少子化社会改革大綱に基づく重点施策の具体的実施計画では、働いている、いないにかかわらず、親と子の育ちを地域で支え、家庭の中だけでの孤独な子育てを無くしていく、児童虐待の防止やその適切な対応、障がい児やひとり親家庭などの多様なニーズへの対応を図り、すべての子どもと子育てを大切にしていくとあり、就労の有無にかかわらない子育て支援の強化や児童虐待、障がい児、ひとり親家庭に対する支援の推進の必要性が説かれております。
 山下市長も、昨年8月、天理市内で35歳の主婦が4カ月と4歳の子どもを絞め殺した事件に触れ、同月29日のブログ、市長日記の中で、子どもは社会全体で育てるもの、市は政府以上に子育て支援に力を入れたいと述べておられます。
 本市における子育て支援事業の中に、子どもサポートセンターゆうやいこま乳児保育園内の地域子育てサポートセンターの育児相談事業がありますが、これらに寄せられる相談件数のうち、虐待に関するものは何件ありますでしょうか。
 また、虐待対策として、今年度から発足しております生駒市要保護児童対策地域協議会の構成員と虐待把握時の対応、本市における虐待防止に向けての取組をお答えください。
 3番目の質問に移ります。
 先に述べましたような発達障がいを含めた障がい児支援、虐待乳幼児に対するケアは、一過性のものではなく、継続してその発達と状況を見守っていく必要がありますし、病院、通園・通学、通所施設、家庭や地域間で情報を共有し、連携をとって丁寧に支援していかなければなりません。
 本市の子育て支援は、障がい児、虐待乳幼児やその家族に対する支援に十分配慮した各部署、各施設、機関で連携のとれたものとなっているとお考えでしょうか、お答えください。
 次の質問からは自席で行います。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。
             (福祉健康部長 竹森憲一君 登壇)



◯福祉健康部長(竹森憲一君) それでは、塩見議員の質問にお答えをいたします。
 軽度発達障がい児の早期発見につきましては、ご指摘いただいておりますように、母子保健としての乳幼児健診や学校における健診により、発達支援が必要か否かの見極めに努めておるところでございます。本市におきましては、3カ月児、7カ月児、12カ月児、1歳6カ月児、2歳6カ月児、3歳6カ月児に対し健康診査を、4カ月児、10カ月児、1歳6カ月児、3歳児に対しまして育児相談を実施しており、合わせまして計10回の健診相談を実施しております。また、希望者に対しまして、4、5歳児と1歳8、9カ月児の育児教室を実施し、集団での子どもの様子を観察して、要経過観察児を把握する機会としているところでございます。また、幼稚園の未就園児親子を対象に、市内公立幼稚園が月2回程度親子教室を開催し、集団での子どもの様子や保護者からの相談等に対し、発達相談員が対応しております。
 これらの事業や保護者からの相談等により把握した要経過観察児をなかよし教室や個別発達相談にて経過観察し、発達面で継続的な養育が必要とされ、判断された児童に対しまして、適宜子ども支援センターあすなろを紹介しております。
 また、発達障がい児の可能性の高い乳幼児に対しましては、発達相談員の心理判定を実施しています。平成18年度におきましては、心理判定の回数は287回でございます。その結果に従い、保護者と意思の確認を行った上で、療育支援や医療につなげておるところでございます。
 また、直ちに継続的な指導は必要ないものの、経過観察を要すると思われる乳幼児に対しまして、本市が実施しておりますなかよし教室で集団遊びや個別相談を通して、健康な発達の育成を図るとともに、穏やかな親子関係の確立を図り、同時にスクリーニングを行い、必要に応じ、今後の進路を決めているところでございます。
 平成18年度の実績は、おおむね1、2歳児対象で69人、3歳児対象で86人でございます。
 就学に当たっては、就学指導委員会において、適切な就学ができるよう、実態把握、保護者面談等を踏まえ、医師、県立特別支援学校教員、臨床心理士等、各分野の委員が審議し、その結果を学校長を通じて保護者に知らせ、適正な就学指導を進めております。
 各学校が発達障がいのある児童の受入れに当たっては、各学校に配置しております特別支援コーディネーターを中心に校内委員会を設け、一人一人に応じた個別の支援計画を立てております。
 具体的には、児童の実態に応じ、特別支援学級での指導や普通学級在籍児童を支援するため配置している特別支援教育支援員等による個別の支援等を進めており、これまで、課題のある子が心の安定や意欲的な学習ができるようになったとの報告を得ております。
 次に、2点目の乳幼児虐待の把握と対応につきましてでございますが、子どもサポートセンターゆう及びいこま乳児保育園内の地域子育て支援センターの相談件数のうち、虐待に関する件数は、平成18年度、ゆうでは延べ回数で8,273回、うち虐待に関するものは2,582回となっております。また、本年度、19年7月末までで、相談件数は2,962回に対しまして、虐待関係は986回であります。
 児童虐待の件数は、平成18年度では96件で、年齢の内訳はゼロから3歳未満は26件、3歳から就学前までは47件、平成19年度の4月から7月は40件で、年齢の内訳はゼロから3歳未満は4件、3歳から就学前までは13件であり、全虐待件数に係る乳幼児の割合は平成18年度では約76%、平成19年度では約43%であります。
 一方、地域子育て支援センターの相談は、平成18年度は、延べ回数327件、うち虐待は0件でございます。また、平成19年4月から7月末では、延べ回数130件、うち虐待はゼロでございます。
 次に、生駒市要保護児童対策地域協議会でございますが、本協議会は、生駒市子どもセーフティサポート会議を発展させ、平成19年4月1日に設立したものでございます。協議会は、児童福祉関係、保健医療関係、教育関係、警察司法関係の各機関の代表と学識経験者から構成され、代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3つの会議を適宜行い、要保護児童の早期発見や適切な保護を図ることを目的として、各機関の連携を密にして、児童虐待ケースの問題解決に当たっております。
 児童虐待の通報があった場合の流れにつきましては、安全確認は48時間以内が基準であることから、ゆうで安全確認を含めた情報収集、情報把握を行い、関係機関で構成します受理会議を開催、緊急度の判定や初動対応の検討を行い、必要に応じて県の児童相談所や警察へ連絡し、共同して対応に当たるとともに、当該ケースに関する支援計画や役割分担などを決定し、問題解決に取り組んでおります。
 一時保護が必要な緊急の場合は、児童相談所に送致通告を行っており、状況が変化した場合などは都度ケース検討会議を開催し、適宜ケースに応じた支援計画等の見直しを図っております。
 実務者会議では、現時点で対応中の全ケースについて確認作業をしております。
 乳幼児虐待の対応につきましては、各機関の連携を図ることが肝要なことから、保育園、幼稚園等との連携を密にし、虐待状況の実態把握に努め、取り組んでおります。
 次に、児童虐待防止の取組でございますが、保育園、幼稚園、学校、子育て関係団体を始め、広く市民に普及していくため、チラシや機関紙の作成と配布、市広報紙への特集掲載、関係行政機関、教育機関、民生児童委員、家庭児童相談員など、子どもにかかわる関係部署への研修や啓発、家庭児童相談員による保育所、幼稚園、学校等への定期的な現場巡回、現場の対応者への相談を行うなど、現時点で可能な限りの方法で、児童虐待の防止、虐待事例の早期発見に向けて取り組んでおります。
 次に、3点目の一貫性のある子育て支援につきましては、子どもサポートセンターゆうでは、就労の実態がなく、在宅で子育てをしている保護者のために、親子で交流、各種子育て広場を年齢的に開催しております。親子が世代を超えた様々な人たちとふれあうことにより、子育ての悩みを相談したり、子どもの社会性を育んだり、また、母親の人間関係を築く上でも役立つと好評を得ております。
 また、子どもと家庭の相談事業は、18歳未満の児童を対象として行っており、子どもや家庭のあらゆる相談に3名の専門の相談員が応じております。最近は相談の内容も多岐にわたり、核家族化や少子化が進む中、夫の育児参加が進んでいない実態から、子育てにいらいら感を募らせ虐待に至ってしまうケースや障がいを持っている子どもの育児に手を焼く保護者の姿も見られます。
 このような育児や子どもの成長の過程で起こる様々な問題については、専門の相談員が電話相談や面談に応じ、必要な場合は家庭訪問するなどして対応し、幅広いネットワークの下、保護者の負担を軽減し、希望を持って子育てができるよう環境づくりに努めておるところでございます。
 その他、母子関係連絡会議では、奈良仔鹿園、子ども支援センターあすなろ、奈良県中央子ども家庭相談センター、生駒市ことばの教室、その他、関係各課ともに個別のケースについて検討し、情報交換等を行い、有機的な連携に努めるとともに、市内育児サークルの交流会、企画会にも参加して子育てについて情報交換するなど、1人の児童の成長の過程を身近に見聞き知ることにより、総力を挙げて対応することに努めております。
 今後も、児童にかかわる機関や団体等のネットワークを活用し、連携、連絡、相談を重ねながら、子どもの発達段階に応じた相談支援体制づくりをより一層図るとともに、問題があれば迅速に対応できる組織的な子育て支援に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ありがとうございました。
 今のお答えの中で、今、発達障がいで在籍している子どもたちがいつぐらいの段階で、どういう機会で障がいが発見されたかを把握しているかについてのお答えをいただけなかったように思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯議長(井上充生君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) いろいろなケースがあると思うんですけれど、先ほど竹森部長が答弁させてもらいましたような健診、3歳児健診とか、そのようなところで、主に言語障がい、言葉が出ない、対人関係の対応がうまくいかない、そういうことで、小さい時分からの症状が出てくるわけなんですけれど。まず3歳児健診とか、そういう健診で見つかると。見つかるという言い方はちょっとおかしいんですけど。
 そこで、はっきり症状が現れない場合には、だんだん、だんだん年齢が加算していくんですけれども、その中で、保護者が我が子を見ていて、どうも言葉が出ないとか、表情が豊かでないとか、いろんな症状が出るわけなんですけど。今議員さんおっしゃいましたように時としてパニック状態が起きるとか、場面かん黙に陥るとか、そういう症状を見て、あれおかしいなと気付いて、いろんな療育機関とか、生駒小学校のことばの教室もそうなんですけれども、又は医師、医者、そういうところに個人的に相談に行く、そういう過程で診断されると、こういうケースが多いように思います。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 障がいの発見年齢につきましてはご把握いただいておりませんでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 3カ月児、7カ月児等々の健診体制を敷いておるわけでございますけれども、3カ月健診で申しますと、発達面の異常でございますと平成17年度27件、また7カ月で申し上げますと33件、それと、12カ月児で申し上げますと34件、それと1歳6カ月になりますと約38件ですね、というような形で異常が確認されてきているという形でございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) こういうデータを詳しくとっておくということは、今後の本市の発達支援ですとか乳幼児健診の有効性を確認する意味でも非常に重要なことだと思いますので、是非一度詳しいデータを調査していただければと思います。
 発達障がいにつきましては、保護者からの相談のほか、乳幼児健診ですとか、幼稚園の教諭、保育士による気付きなどで早期発見に努めていただいているということでしたし、健診につきましても、本市では、母子保健法で定められている1歳半健診、3歳児健診以外にも、回数としては4回ですか、合計6回の機会を設けていただいているということですので、こういうふうに積極的に障がいの発見に努めていただいておりますことは、保護者としても安心感が持てますし、健診というのは、病気ですとか障がいの発見だけではなくて、虐待の把握に関しても非常に有効な施策ですので、今後も是非続けていただきたいと思います。
 そこで、健診の方法について幾つか質問をしたいと思います。
 まず、この健診の問診票なんですけれども、これは下村議員も2005年3月の一般質問で指摘しておられたんですけれども、発達障がいを発見するのに十分なものになっているでしょうか。と申しますのは、ここに丸をつけたら自閉症と言われるかなとか、ここに丸をつけたら、きっとADHDと指摘されるよなというようなのが一目瞭然でして、事実を認めたがらないような親が記入するのにちょっとちゅうちょするような、そういう内容なんですね。そういう主観が入り得ないような、本格的な判定の際に使われる精密健診票を取り入れていただくことを検討していただけないかなと思うわけなんです。
 下村議員の貴重なご指摘があったにもかかわらず、2005年の4月に発達障害者支援法が施行されてからも、問診票は以前と全く変わっていないということなんですが、健診をより効果的なものにするためにも、一度見直しをご検討いただけませんでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 問診票の記入につきましては、保護者の記入が原則であると考えております。本市の問診票につきましては、生駒市医師会の小児部会との十分な協議によりまして作成をしてきたわけでございます。健診だけのスクリーニングだけではなく、先ほど申しました4カ月育児相談を始めとしまして4回の育児相談がございます。また、集団生活の場でございます保育園、幼稚園に対しまして、発達相談員が訪問し、集団での子どもの様子や職員からの相談等の要経過観察児の把握に努めておるところでございます。
 ご意見でございます問診票の見直しにつきましても、今後ともより精度の高いスクリーニングを実施するためには、内容も含めまして、国が示しております事例、また先進的に取り組まれている自治体もございますので、そういう事例を参考に研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 発達障がいの発見のために問診票を独自に作成して、実際に発見率が上がっているというような自治体もございますので、是非ともご検討をよろしくお願いいたします。
 次に、健診の時期なんですけれども、本市は、先ほどもお伝えいただきましたように、かなりの回数の健診を3歳半までに取り入れていただいているわけなんですけれども、集団遊びを取り入れた5歳児健診というのが、今、厚生労働省の研究事業で、全国で5都道府県で実施されているんですが、それとは別に、独自に採用して効果を上げているような自治体も長野県の駒ヶ根市ですとか、静岡県の御前崎市など、幾つかございます。
 軽度発達障がいには、集団の中での対象児童の行動を観察して明らかになる場合も多くて、生駒市でも、3歳児の歯科健診のときに同時に行われております育児相談で、保護者が相談している、その横でお子さんの遊びの様子を観察していただいているそうなんで、そういう点でも非常にきめ細やかな対応をしていただいているんだなと思っているわけなんですけれども、それでも、あえてこの5歳児健診を一度ご検討いただきたいのは、そのメリットとして、まず低年齢の段階よりも5歳の方が発達の差がはっきりしているので、判定もしやすいし、保護者の方も現実を受け入れやすいということ。次に、就学後に小学校の教諭に指摘されるよりも、医師ですとか臨床心理士などの専門家に指摘された方が、保護者の方も障がいを受け入れやすいし、担任ですとか、その後の6年間の学校との関係、親と学校との関係がこじれることもないということ。さらに、就学まで1年の余裕がありますので、その間に、療育を施すことで集団とのかかわり方を学ぶことができて、その子どもも小学校入学後の負担の軽減になるし、担任の負担減にもなるということが挙げられるからなんです。
 本市では、発達障がいが判明している児童に対しては、就学前にも、教育相談ですとか、特別支援学校の学校公開ですとか、あるいは就学指導委員会を受けての保護者への助言などを行っていただいているということをお聞きしたんですけれども、わずかなんですけれども、やはり就学後まで分からないケースもあるんですね。
 既に就学まで、かなりの回数の健診を実施されておりますので、新たに健診の機会を増やすということは、もうとても難しいと思うんですけれども、どの時期にどういう健診を入れるのが最も障がいの発見と、それ以後の療育に有効なのか、検査方法と併せて、健診時期の見直しをご検討いただけないでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 現在の実施時期につきましては、発達のチェック、また心の状態についての支援、医学的な検査や指導、栄養、食生活指導等を考慮しており、基準より多く実施しておりまして、現在の実施時期で一定の成果を上げていると考えておりますけども、ご指摘いただいているようなことも含めまして、今後、そういう可能かどうかも含めまして、研究、調査してまいりたいと考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 発達の障がいの発見は、小児科医よりも、そういう発達を評価できる専門職の方がむしろ不可欠ですので、時期の見直しとともに、専門職が入って健診の機会を増やすということも是非検討していただきたいと思います。
 これまで健診のことを中心に質問してまいりましたが、日常生活の中での周囲からの気付きで障がいが発見されるに越したことはないんです。本市では、幼稚園の3歳児クラスへの希望者全員の受入れが可能になりまして、ほとんどお子さんが3歳で集団生活を送ることができるようになったんですけれども、多くの子どもたちの発達を見ている保育士ですとか幼稚園教諭の目で観察してもらえる機会が増えたということは、それだけ発達障がいの発見の機会も増えるということですので、大変喜ばしいことと思います。
 しかし、これは、保育園に3歳未満から通っている子どもたちは、それ以前から、継続的に障がい発見の機会が常時与えられているんですけれども、そうでない子どもたちは、健診のときですとか、先ほど伺いましたようなサポートセンターゆうなどの催し物に参加したときぐらいしかチャンスがないということでもあるわけです。
 本市の施設で、保育園に通わない3歳未満の子どもたちが集団の中で遊んだり、過ごしたりするスペースには、このゆうを含めて、ほかにどのようなものがございますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 子どもサポートセンターで実施をいたしております、自由参加でございますけれども、えほんのひろば、また、サンデーひろば。また、定員を決めまして募集をいたしております絵本の講座、また、ゆうゆうひろば、遊びがいっぱい、また人形劇等がございます。また、それ以外では、セイセイビルで行っておりますみっきランドで、午前10時から午後3時まで、自由に利用ができます遊び場を開設をしているところでございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 今お答えいただきましたような、そういう施設を利用していれば、幸運にも、そこで障がいに気付いてもらえるというようなこともあるようで、実際に、みっきランドの指導員も、子どもの様子を見て、ちょっとおかしいなと気付かれて、自主的に障がいあるいはその疑いのリストに上がっているかどうか健康課の方に問い合わせるというようなこともあるということもおっしゃっていました。
 けれども、そういうところも利用したことのない方は、集団遊びといっても、せいぜいご近所のお子さんと公園で遊ばせる程度で、よしんば保護者がほかの子どもとちょっと違うなと気付いても、子どもの障がいを認めたくないという気持ちも半ば働きまして、ちょっと成長がゆっくりなだけとか、そのうち追いつくさというように片付けてしまうこともありますし、周りの親御さんたちも、たとえ疑いを持ったとしても、面と向かって障がいを指摘するほどの信頼関係は築けていないので言い出せないでいるということが多いんですね。
 となると、現在の子どもサポートセンターゆうのフレンドスペースでの事業ですとか、あるいはいこま乳児保育園内の地域子育てセンターで開かれているような親子教室、あるいは先ほどのこのみっきランドなどで、子どもが集団とかかわれる機会を増やして、保育士ですとか指導員の目で見てもらえるようにすることが大切じゃないかなと思うんですけれども、現在、これらの施設の催し物の利用率とか、申込みの希望はどのくらいでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 定員を設けて実施をいたしております事業につきましては、絵本の講座につきましては、定員60名に対しまして、申込数が44人、参加数は39人で、利用率65%でございます。
 また、ゆうゆうひろばにつきましては、165家庭の定員で、申込数が375家庭、参加数は173家庭でございまして、利用率100%を超えるという状況でございます。
 また、遊びがいっぱい等の事業につきましても、それぞれの定員を、申込数は一定あるわけでございますけれども、実際の参加数となりますと、利用率に換算いたしますと、70%後半の率となっております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ありがとうございます。
 今お答えいただきましたゆうゆうひろば、私も調べましたところ、毎回申込みが殺到しておりまして、今月は定員30組のところ95組の申込みがあったそうなんですね。未利用の方にできるだけご利用いただけるように調整してくださったりとか、抽選したりとか、職員の方もかなりご配慮くださっているようですが、ニーズにこたえ切れていないというのが実情かと思います。同じように、いこま乳児保育園内の地域子育て支援センターの親子教室もございましたけども、こちらの方も、予約するのがなかなか大変な状況のようです。みっきランドの方は定員はないんですけれども、でも、余りの利用者の多さに利用をあきらめて帰ってしまわれる親御さんも時々いらっしゃるとのことで、ビルの中であるにもかかわらず、かなりの盛況で、一部屋に親子合わせて100人になることもあるそうなんですね。生駒の北部、南部を問わず、電車ですとか、車を使ってでも利用されているということで、それだけ皆さん密室育児からの解放を求めておられるのではないかなというふうに思います。
 先ほど、虐待の相談件数についてもお答えいただいたんですけれども、育児ストレスの解消ですとか虐待防止という点からも、発達障がいの発見の機会を増やすという点からも、是非このような育児スペースですとか、親子教室の機会を地域に広げていっていただきたいんですけれども、今、保育園の地域向けの事業に園庭開放がございますね。これは月に何回ぐらい開催されて、1回当たり何人の利用者がございますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 市内保育園、公立、私立を問わず園庭開放を行われておりまして、月に1回から2回程度実施されているという形でございまして、利用につきましては、1回当たり3組から、多い日ですと95組ぐらいの利用があるということでございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) この1回当たりの人数、3人から95人というのはかなり幅があるように思うんですけれども、この違いはどういう違いなんでしょう。保育園による違いなんでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 園によりましては、園で自由に遊ぶだけではなくて、人形劇や、また、各行事のイベントに参加されるとか、リズム遊び等、園ごとに実施される行事に参加をされているということもございますので、かなり幅の広い利用の差となっておると考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ありがとうございます。
 一般の公園というのは、砂場の衛生管理がされていないとか、トイレがないから一々家に帰らなきゃいけないとか、昔はその辺でしときと言えた時代があったんですけど、今はそういうわけにもいきませんので、大変使いづらい状況なんですけれども。保育園では、管理された園庭で遊べますし、家や公園にはないような魅力的な遊具もたくさんあります。
 来年には、保育園も増員とか増床ではなくて新設の方向で待機児童問題も一気に解消する見込みで、大変喜んでいるんですけれども、それと同時に、就労の有無にかかわらない子育て支援の必要性を強く感じておりまして、来年度、保育園の受入れに余裕ができたら、園庭開放の機会を増やしたり、一時保育を導入するなどして、地域の子育て支援に力を注いでいただきたいのですが、いかがお考えでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 現在、3園の新規の保育園を整備中でございまして、来年4月には定員が270人増加、増えるわけでございまして、それが開設された結果、定員に余裕が出てくれば、今後、そういう、申されました事業につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 是非よろしくお願いいたします。
 また、みっきランドのような、だれでも気軽に利用できる育児スペースなんですけれども、遠くから通ってこられる方は、やはり家の近くにこのようなスペースがあればとおっしゃっています。平成16年の厚生労働省の子ども子育て応援プランの概要には、おおむね10年後ですから、平成26年度になるんでしょうか、それまでの獲得目標として、全国どこでも歩いていける場所で、気兼ねなく親子で集まって相談や交流ができる子育て拠点施設がすべての中学校区に1カ所以上あるということを掲げております。
 今は、子どもサポートセンターゆうも地域性に考慮して、巡回で南北のコミュニティセンターで講座を開いてくださっているんですけれども、今後、既存の市の施設を利用したり、子どもサポートセンターゆうで養成していただいております子育て支援リーダーを活用したりして、地域の子どもたちの子育てスペースの拡充ということはお考えになっておられますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 現在、施設、人員配置の状況から見て事業を展開しているところでございまして、今後、ご意見ございました子育て支援リーダーの活用の下に、北、南地区に拠点を置く子どもたちの遊び場の開設など、他事業とのバランスも考えて研究していきたいというふうに考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) こちらの方も是非お願いいたします。
 ところで、この子育て支援リーダーの養成講座を受講された方は、受講後の子育て支援事業にどのようにご協力いただいておりますでしょうか。修了証書を手にされた方は、全員何らかの子育て支援業務にかかわってくれておいでなのでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) 平成18年度の修了者26名でございます。本年度からは子どもサポートセンターが主催をいたします各種子育て広場での保育のサポート、また、講座中の託児、絵本の読み聞かせや楽器の演奏等に自分の得意とされる分野で幅広く活躍をいただいているという形でございます。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) なぜこういう質問をさせていただいたのかと申しますと、この養成講座を受講された方が、せっかく修了証書を手にしても、実際にこのゆうの子育て支援事業に何か携わろうと思っても、交通費500円の支給人数に制限があるから、来ていただいても交通費が出ないという理由で断られて、せっかくのやる気をくじかれるということがあるそうなんですね。じゃ、この支援の場がないかというと、先ほども申し上げたように、催し物には定員の3倍を超えるような、そういう申込みがあるわけなんです。
 そうすると、このサポートセンターゆうでの催し物の回数を、じゃ3倍に増やせばいいじゃないかということになるんですけれども、職員はほかにもいろいろ業務がありまして、今の回数が精一杯というわけなんです。
 支援してほしい人も支援したい人もそろっているのに、結局支援する場を提供できていないというわけですので、その辺りの事情も今後是非ご配慮いただければと思います。
 次に、虐待の対応についてなんですけれども、先にご答弁いただきましたように、こちらも生駒市要保護児童対策地域協議会がこの春から立ち上がって、本当に迅速に対応していただいているように伺っております。特に臨床心理士の家庭児童相談員は、日常の育児の悩みから小中学生、高校生のいじめの悩み、障がいの悩み、虐待の対応まで、本当に業務が多岐にわたっておりまして、それぞれにきめ細やかに対応されておりまして、本当に頭の下がる思いです。
 今、常勤1人、非常勤2人で業務をこなされているんですけれども、日常の業務内容をお聞きしましたら、障がいですとか、虐待ですとか、そういう重たいケースの場合は、検査の時間も含めて、1件につき2時間ぐらいかけて相談業務を行うそうなんです。サポートセンターゆうの中で相談に乗ることもあるし、保育園や幼稚園から依頼を受けて、そちらに出向いて、子どもを観察して、その後、対応の仕方について、保育士や教諭と協議することもあるそうです。
 結局、面談は1日3件ぐらいの対応しかできなくて、また、その相談と相談の合間に、別の職員が受け付けて置いてくれた電話相談にまた対応しているような状況です。
 先ほどの八田議員の質問の教育長のご答弁の中で、学校の先生も虐待などの関係機関への連絡業務に非常に手がとられるというようなお話だったんですけれども、この臨床心理士も同じで、この他機関への連絡業務ですとか記録業務だけでも補っていただける、そういう職員が増えれば本当にありがたいということでした。こういう件についてはどのようにお考えでしょうか。
 また、こういうプライベートなことにかかわる大変重要な任務に長時間就いていながら、この非常勤というのは実態と合っていないように見受けられるんですが、こういう状態は好ましいとお考えでしょうか。



◯議長(井上充生君) 竹森福祉健康部長。



◯福祉健康部長(竹森憲一君) ご指摘のとおり、児童虐待を含みます子育て支援のケースが増加をしていると。また、一般の相談業務についても増加をしているという中で、また、内容につきましても多岐にわたっておりまして、かつ継続性を有するという状況でございまして、かなりの事務量が増加をしているという中で、子どもサポートセンターの業務のより円滑化を図るためにも、そういう状況の改善を検討してまいりたいというふうに考えております。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 必要とされる部署への適正な職員の配置を是非お願いしたいと思います。
 虐待の発見ということでもう一点ですが、虐待の通報について伺いましたところ、近隣の方ですとか、保育園、幼稚園、そして小学生では、学校よりも学童保育所からが多いということだったんです。
 先日、学童保育に関する有村議員の質問で、入所基準を厳格にというような提案もあったんですけれども、現在の学童保育には、そういった育児放棄の親ですとか児童虐待の親から子どもを守るという機能もあるわけなんです。発達障がいがあって、いわゆる育てにくさを感じている子どもの受け皿にもなっているわけです。そういう点では、広く地域の子育て支援を担ってきたという実績がありまして、その受入れを制限するということは、就労の有無にかかわらず、障がい児、虐待児童、ひとり親家庭に対する支援をという政府の方針にも逆行することになろうかと思います。
 放課後子ども教室が毎日のように開設されるようになって新たな受け皿ができるならともかく、それに代わる施設が整うまでは、そういう家庭の子どももいることに是非ご配慮いただきたいと思います。
 この放課後子ども教室について確認したいんですけれども、9月から試験的に俵口小学校で始まっておりますが、今後、対象を各校に広げて、回数も増える見通しはございますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 長田生涯学習部長。



◯生涯学習部長(長田二郎君) 放課後子ども教室につきましては、先日の有村議員さんの質問の中でもお答えさせていただきましたように、今後でございますが、指導者に当たっていただく地域ボランティアの方々の確保、あるいは開催場所となります学校の余裕教室等の確保等も必要でございまして、また、放課後児童の移動に伴う安全の確保というものも考慮してまいらなければならないという状況でございますので、この9月から始めさせていただいております俵口小学校のモデルの実施等も踏まえまして、今後、そうしたことも検討してまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) もう一点なんですけれども、放課後子ども教室では、発達障がいを含めて障がいのある子どもさんについても受け入れられるような体制は整っておりますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 長田生涯学習部長。



◯生涯学習部長(長田二郎君) 現時点では、まだ整っておりません。今後、そういうような方が出てこられた場合には検討してまいりたいという段階でございますので。何分、今年からモデル実施したところでございますので、そうしたことも含めまして、事例があれば検討してまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いします。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ありがとうございます。
 では、一貫性のある子育ての支援の在り方について質問に移ります。
 虐待の対応につきましても、発達障がいの支援につきましても、本市では本当にすばらしいコンビネーションで、いろんな関係機関と連絡を密にとって、スムーズな受入れが可能になっていると思っておりますし、それぞれの職員の熱意に支えられていると思っております。
 ただ、相談業務があちらこちらにあるというのはとても良いことなんですけれども、それぞれの相談内容を、じゃ、お互いに把握できているかというと、地域子育て支援センターとみっきランドと保育園、子どもサポートセンターゆう、それぞれ受けた相談内容というのは関知しておりますでしょうか。



◯議長(井上充生君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 私、ことばの教室の室長を務めていた関係で、答えさせていただきます。
 実は、昨年、今塩見議員さんがおっしゃられたような、お互いの情報を共有するということが大変必要でありますし、市全体で、そのような発達障がいのお子さんを育てていくと、こういう意味からも、ゆうとかことばの教室とか家庭児童相談員、ゆうにもおられるんですけれども、そういう子どもの療育相談にかかわる機関の代表者が集まって連絡会議を作っているんです。そういう発生した中で、いろんな情報交換をお互いに行って共有していっている。
 ただ、全市的に網羅できているような状態ではまだないので、一部分かも分かりませんけども、そういう体制づくりは進められておられるということでご理解ください。



◯議長(井上充生君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) できれば1枚のカルテというか、サポートファイルのようなもので管理できないかと思うんです。大変な個人情報ですから、これを電子化するというのは外部に流出する危険性もありまして、配慮が必要だと思うんですけれども、保護者と機密保持の誓約を交わして、記入に同意していただくようにして、そういうサポートファイルで管理すれば、同じ方が別の機関で相談を受けられても、相談内容と対応をそこに記載しておけば、総合的に判断、対応できますし、健診の結果などもそこに書き込んでおけば、そのときそのときの育児の悩みですとか注意点が時系列的にも把握できるようになるわけです。何か重大な問題があったときには、新たにいろんなところから情報を収集してこなくても、それを使って障がい児の療育ですとか、虐待のケース会議ですとか、就学指導にも用いることができると思います。
 一人一人の子どもを、医師、保育士、保健師、心理士、教諭、指導員、それぞれが専門的な目で家庭と連絡をとりながら見守ってくれる。自分一人で抱え込まなくていいんだという安心感は子育て中の親にとって何物にも代え難いものです。こういうサポートファイルについても一度導入をご検討いただければと思います。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

2007年12月議会

平成19年第5回定例会(第1号) 本文

◯副議長(樋口清士君) 次に、8番塩見牧子君。
             (8番 塩見牧子君 登壇)



◯8番(塩見牧子君) ただ今より、学校保健教育と学校保健管理の計画と実施の在り方について質問いたします。
 昨今は気象の著しい変化を含め、小中学生の生活環境は大きく変化しており、学校教育現場を始め、児童・生徒を取り巻く保健衛生環境の整備が一層求められます。夏の気温上昇で体育の授業、運動会、体育祭、クラブ活動で指導に当たる教職員は、従来にもまして熱中症対策を講じなければならなくなりました。
 不規則な生活習慣や、乱れた食生活で若年者の生活習慣病が増えておりますが、その予防のためには家庭と連携しての生活習慣、食事の改善指導が必要です。体の成長を阻害し、不妊症の原因にもなる過度なダイエットや摂食障がいを招かないためには、健康や栄養に関する正しい知識を持たせなければいけません。
 有害化学物質や食物等によるアレルギー対策としては、アレルゲンの除去はもちろんのこと、アナフィラキシーなどのショック症状の発症に備えておくことも不可欠です。
 喫煙や飲酒の健康被害を認識させる教育には以前から取り組まれておりますが、今ではインターネットの普及で薬物や性に関する情報がはん濫する中、薬物中毒、性感染症の危険性が日常に潜んでいることも見過ごすわけにはいきません。
 また、身体的な健康の問題や発達の問題が心の健康までも害することがあります。重症のアトピー性皮膚炎の児童が不眠で、朝、起きづらかったり、偏見によりいじめられたりして不登校に至ることもあります。発達障がいでうまく対人関係を結べない生徒が、周囲の障がいに対する知識や理解がないためにいじめられ、不登校になっていることも報告されております。心の健康についても十分な対応が必要です。
 児童・生徒だけではなく、教職員の健康維持、管理も大きな課題です。多様化する児童・生徒の問題の解決と、関係諸機関への対応に追われ、教職員が長時間労働を強いられ、健康を害することもあります。学校に過度に理不尽な要求をする、いわゆるモンスターペアレントによって職員が強いストレスで休職に追い込まれることもありますが、教職員が健康に職務を果たせる保健衛生環境を職場につくることが、ひいては児童・生徒が十分な教育を受けられることにもつながります。
 学校保健法の目的は、児童、生徒、学生及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図り、もって学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することとありますが、今ほどその達成が困難な時代はないのではないでしょうか。
 それだけに、学校においては、前述のような生活環境の変化と、それに伴う多様な問題にも対応した学校保健安全計画を策定し、保健学習、保健指導等の教育を充実させること、施設、設備の安全点検により危険物を除去し、安全な環境を維持すること、環境衛生の検査により衛生管理に努めること、児童、生徒、職員の健康診断により健康の保持増進を図ることが必要ですし、それらの目的遂行のため、学校医、学校歯科医、学校薬剤師を設置することが学校保健法にも定められております。
 学校医は、学校における集団健康診断だけがその職務のように思われがちですし、学校薬剤師に至っては、その職務はおろか、身分さえ一般にはよく知られていないのが実情ですが、学校保健法施行規則には、それらの職務執行の準則として、学校保健安全計画の策定に参与すること、学校環境衛生の維持改善のために指導、助言を行うこと、校医、歯科医については、疾病の予防、処置に従事し、保健指導を行うこと、学校薬剤師については、学校で使用する医薬品の管理について指導することや、同法施行規則22条の2に規定する水質検査や教室の照度などの項目について環境衛生検査に従事することが定められております。
 昨今の多様化する児童・生徒並びに教職員の保健健康問題に十分対応するためには、学校医、学校歯科医、学校薬剤師にも積極的に関与していただきながら、保健主事が中心となって養護教諭や保健体育主任、学校給食主任、PTAと連携をとって学校保健委員会を運営し、それぞれの専門的な立場から多角的な視点で課題を検討し、学校保健安全計画を策定、実施、検証することが必要ではないでしょうか。
 そこで、お伺いいたします。
 現在、本市における学校保健教育、学校保健管理はどのような計画の下、どのように実施されておりますか。また、今後、先に述べましたような生活環境の変化に伴う諸問題に対応するためには、市としてはどのような保健教育、管理を行うのが望ましいとお考えですか。ご見解をお答えください。2問目からは自席にて行います。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。
             (教育長 早川英雄君 登壇)



◯教育長(早川英雄君) それでは、塩見議員のご質問にお答えをいたします。
 学校における保健教育と保健管理の現状でございますけれども、ご質問にもございましたとおり、児童・生徒・学生及び幼児並びに教職員の健康の保持増進を図り、学校教育の円滑な実施と、その成果の確保に資することを目的として学校保健法が制定されておりまして、学校における保健安全計画、環境衛生、環境の安全、健康診断及び健康相談等について規定されております。さらに、同法の施行規則及び施行令、学校環境衛生の基準等において具体的な実施内容が示されておりますけれども、学校及び市教委といたしましては、それらの法や基準に基づいて学校保健活動を推進しているところでございます。
 学校における保健教育につきましては、各学校の教育課程に基づき、体育科保健領域及び保健体育の保健分野や特別活動における健康・安全や、体育的行事の分野において、けがの防止、心の発達及び不安や悩みへの対処の仕方を学習するほか、未成年者の喫煙、飲酒、薬物乱用等の防止、性教育等の思春期保健、不登校やいじめ等の精神的な問題への対応等の取組が発達段階に応じて実践されているところでもございます。
 学校の保健管理につきましては、学校医、学校歯科医、学校薬剤師等のご指導を得ながら、校務分掌で定められた保健、安全、生徒指導等に関するそれぞれの担当者から示された年間指導計画に基づいて、全教職員の共通理解を図り、各学年並びに学級で実践するほか、児童・生徒による保健委員会の活動を日常的に行っております。
 次に、学校保健委員会でございますが、市内の学校では、今年度、それぞれの実態に応じて回数や案件等は違いますが、小学校で9校、中学校で2校が計画的に開催しており、学校管理職、保健主事、養護教諭を中心に、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、PTA等が出席して、幼児・児童・生徒の健康・安全の現状や課題に関すること等について研究、協議を行っております。
 市教委といたしましては、子どもたちの健康づくりのために、学校と家庭や地域、関係諸機関が組織的に活動する場として、学校保健委員会の設置は有効であると考えておりますが、設置の有無にかかわらず、すべての学校では日常的に学校医や学校薬剤師、学校歯科医の指導、助言を受けており、必要に応じて学校だより、学年だより、保健室だより、PTAだより、学級懇談会等で保護者に対して保健・安全に関する啓発を図るなどの取組を行っているところでございます。
 以上、学校における保健教育と保健管理に関する現状についてお答えさせていただきましたけれども、市教委といたしましては、学校保健活動の社会的な重要性については深く認識しておりまして、今後とも、県の関係機関、市の関係課、学校、保護者、医師会、歯科医師会、学校薬剤師会等の地域関係機関、団体と連携しながら、学校保健活動の推進に努めてまいりたい、このように考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願いいたします。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) それでは、2問目として、最初に、学校保健安全計画の実施状況について、管理面と教育面から確認させていただきたいと思います。
 まず、保健管理面で学校医、学校歯科医、学校薬剤師の執務記録簿の記録方法について質問したいと思います。
 学校保健法施行規則の第23条から25条によりますと、この執務記録簿というのは学校医、学校歯科医、学校薬剤師が自ら記入して学校長に提出することになっております。今回の質問に当たりまして、この記録簿、3年間分ご提出いただいたんですけれども、それを拝見いたしましたところ、担当者が替わっても筆跡が一緒であったり、違う学校に薬剤師が同じ時間に来校していることになっていたり、丸丸医師来校というような記載があったりするんですけれども、これはそれぞれ3氏、ご本人が書かれたものではないですよね。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) ご指摘のように、事務上、法に適さない処理をしている学校は見られました。そういうのに気付いた時点で指導はしておりますけれども、ご指摘のとおりでございます。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) そのほかにも、日付けが入れ替わっていたり、前後していたり、学校長が替わったところでは前任の校長印がなかったりとか、不自然な点、不備な点が多々あるんですけれども、これ、1年分とか、あるいは3年分、まさか私が資料を請求したから急きょ作り上げたというようなことはないとは思いますけれども、そういうことはないでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 実情、もし漏れがあったら申し訳ございませんけれども、毎年1学期に市教委による定期学校訪問を行っておりまして、そこで学校教育法及び施行令等に規定されております学校に備付け表簿というのがあるわけなんですけれども、その中にそれがありますけど、そういう学校備付け表簿を点検させていただいておりますけれども、私どもの知る範囲では、その都度、処理をしていただいているなと、このように思います。
 ただ、それをだれがしたかということにつきましては、先ほど申しましたように、若干ずれがあるかなと、このように思います。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 記録していなかったからといって執務していなかったということにはならないとは思うんですけれども、実はこの執務記録簿からは学校衛生の管理状態について見過ごせないようなことも読み取ることができます。
 例えば平成17年度、まだ山下市長も教育長も就任前のことなんですけれども、7月26日、生駒北小学校でプールの水質検査の際に大腸菌が検出されて、翌日、再検査されていますよね。このときはどのような措置を講じられましたか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 毎年、夏季水泳学習時期には、薬剤師さんによってプールの水質検査をしていただきます。そこの中で大腸菌等の菌が見つかった場合には市教委に報告し、水泳を中止します。薬剤等を投入して改善されればいいんですけれども、それで改善されない場合には、金額は要るんですけれども、水を全部抜いて入れ替える。このようなことをして、薬剤師さんの再検査が合格すれば再実施をすると、このような措置を採っております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 実は、そのほぼ1カ月前の6月23日の検査のときも、その後1週間とたたないうちの29日に再検査しているんですけれども、このときの検査の理由は何だったんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 申し訳ございません。今、手元に資料がありませんので分かりません。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 先ほどの7月の検査の件なんですけれども、塩素濃度が適正であれば大腸菌というのはまず検出されないと思うんですけれども、これ、塩素濃度が適正ではなかったということでしょうか。原因は何だったでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 恐らく、今ご指摘のとおりに塩素濃度だと思います。残留塩素につきましては、必ず毎時間、使用前に担当教諭が測定すると、このようになっておりますし、生駒市には機械があるんですけど、自動投入装置もございまして、その辺の管理についても徹底をするようには指導はしております。
 ただ、その日の天候によりまして、日光照射が強い場合には、ハイクロン等を投入するんですけれども、それらの効能がすぐ消えてしまいまして、残留塩素が基準を満たさないという場合もあるんですけど、基本的には、その都度、その学年がプールを使用するときには、その直前において残留塩素を測定する、このようになっております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 担当課の職員にお聞きしたところ、塩素を切らしていたと。そういうふうなお答えをいただいたんです。これ、塩素を切らした状態で何日間プールの授業を続けたのかなと。そういう疑問が残っております。入荷されるまでは水泳を中止するのが当たり前だと思うんですけれども、そういう保健衛生に対する意識の低さといいますか、危機管理意識のなさといいますか、そういうところがこういうところにも露呈していると言われても仕方がない状況だと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) それが事実でありましたら、また、学校を指導しなければいけないなと、このように思っております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) では、次に、健診の時期についての疑問点を幾つか確認したいと思います。
 学校保健法の施行規則第5条第9項には、尿の検査、寄生虫卵の検査、その他の予診的事項に属する検査は学校医又は学校歯科医による診断の前に実施するものとし、学校医又は学校歯科医はそれらの検査の結果を活用して診断に当たるものとするとあります。
 つまり、検査の前に健康診断をしてはいけないことになっているんですけれども、にもかかわらず、今回、調べてみましたら5校以上の小学校で、それから2校以上の中学校で検尿の結果が出るより先に内科検診を実施してしまっているんですが、この状況をどのようにお考えになりますでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 各学校の保健計画につきましては、校医さんのご都合もありますので、十分、校医さんのスケジュール等を加味いたしまして、相談させていただきまして、先ほどの1学期の定期健康診断の日程を組むわけなんですけれども、今、ご指摘のとおりに、すべて尿検査等が終わった時点でその結果を基に内科検診を行う。問診等も行う。これは原則でございます。そのようにしなければいけないわけなんですけど、たまたま学校医さんのご都合、スケジュールと合わなくて、また、子どもたちが多い場合には、校医さんはすべての児童を対象に内科検診をするわけですので、それに要する日数というのも、大きい学校では何日か持たなければいけないと。それも1日すべてを校医さんに来ていただくということもスケジュール的には無理なところもありますので、半日単位で行う。そういうことから、尿検査が出る前に日程を組み入れたと。このようなことではなかろうか、このように思うわけなんですけど、本来の目的を達するためには、今、ご指摘のございましたような日程を組むのが望ましい。このように思います。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 規則ですから、その規則に従って実施していただくようにお願いいたします。
 そのほか、各校の保健安全計画が計画どおりに実施できているかどうかということもこの執務記録簿で、ある程度確認することができますので、このように執務記録簿、学校保健管理の点検に非常に有効な資料ですので、今後は、学校医、学校歯科医、学校薬剤師さんが執務されたその都度、正確にその内容ですとか、特記事項を記録していただくよう、各校に指導をお願いしたいと思います。
 続きまして、環境衛生検査について幾つか質問いたします。日常の保健管理は養護教諭や担任の先生の業務なんですけれども、健康診断や環境衛生検査には学校医、学校歯科医、学校薬剤師のお力が欠かせません。
 条例では、生駒市立学校の管理運営に関する規則の附則として、学校保健法に規定する学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の任命又は委嘱は校長の意見を聞いて、委員会がこれを行うとあります。現在は任命でしょうか、委嘱でしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 市内の3医師会から推薦を受けまして、市教委が委嘱をしている、このようなことでございます。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 校長の意見を聞いてとあるんですけれども、学校長がこの人がいいと指名されるということなんですか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) なかなかそういうことは、学校長の情報もやっぱり少ないわけですので、医師会からご推薦をいただくと。これが現在のやり方だと思います。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) では、実質的に医師会なり薬剤師会に一任しているという理解でよろしいですね。
 では、教育委員会は医師会、薬剤師会の中でどういう選任をされているのかというところまでは関知しておられないということでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 中田教育総務部長。



◯教育総務部長(中田好昭君) 学校医の選任方法ですが、基本的には校区がございます。その関係も踏まえまして、医師会の方から名前を出していただいて、私のところで、教育委員会で審議して決定願っているのが状況です。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) それぞれ1校受け持つごとに報酬は年幾らなんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 中田教育総務部長。



◯教育総務部長(中田好昭君) 今、手元に資料がございませんので、また、よろしくお願いします。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 学校医の場合は、診察されますよね、診察するところの報酬とは別に支払われるわけでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 中田教育総務部長。



◯教育総務部長(中田好昭君) おっしゃるとおり、報酬とは別途です。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) その金額も、今はすぐには出てこないですね。
 では、薬剤師さんなんですけれども、薬剤師さんも、検尿あるいは検便、寄生虫検査等、その都度、薬剤師さんご自身が学校から回収されているようなんですけれども、検査されているのも薬剤師さんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 中田教育総務部長。



◯教育総務部長(中田好昭君) 基本的には薬剤師がやっていますが、物によってといったら言葉が悪いんですが、水質とかによりますと、委託されています。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 検尿は薬剤師さんで、水質は委託ですか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 検尿は薬剤師さんにお願いしております。水質検査につきましては、今、部長が答えたとおりでございます。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 担当課の方にお伺いいたしましたところ、検尿は1人につき400円かかっているというふうに伺いました。ある民間の検査機関の資料によりますと、尿検査は280円でできるようなんです。大阪府の教育委員会も、来年度から3カ年の尿検査の業務委託を入札で契約するようなんですけれども、本市も入札で契約するようなことはお考えにはないでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 中田教育総務部長。



◯教育総務部長(中田好昭君) 確かに今年度までは薬剤師会に随契という形で来ていましたが、来年度については、指名、あるいは随契以外の入札でさせていただきたいと思っております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) では、次の質問に移ります。
 つい先週末のことだったんですけれども、病気で休職中だった子どもの小学校の先生の訃報に接しました。保護者への対応もきめ細かくて、指導力もありまして、子どもたちに大変慕われていた先生でしたので、残念なことです。ご冥福をお祈りしたいと思います。
 そこで、職員の健康管理について確認させていただきます。
 学校保健法で職員も健康診断を受けなければならないことになっておりますが、受診漏れ等はございませんか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 学校長として、職員の健康診断につきましては、市によって項目は違うんですけど、生駒市の場合はかなり親切に項目を設定していただいております。自分自身の健康管理をするというのは大切なことでありますので、受診漏れのないように、このような指導はしておるところでございます。すべての教職員について把握はできていませんけれども、受診漏れがないように、それぞれ各校で取り組んでいただく。
 特に結核検診については、これは受診漏れがあってはいけませんので、悉皆で行っております。以上です。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) この受診は非常勤講師も受けることができるんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) すべて対象にしております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 最初の質問でも述べましたように、児童・生徒の問題が多様化するにつれまして、職員の制度及び保護者対応も年々大変になってきております。私も含めまして、今は共働き家庭も珍しくありません。先生には夜間にご自宅からお電話をいただくこともあります。オフィシャルとプライベートの線引きをしにくい職業だと思うんですけれども、それは仕事のストレスをずっと家庭にまで引きずりやすい環境にあるということでもあります。
 本市では、生徒向けにはスクールカウンセラー等を設置して、心理的な悩みに対応していただいているんですけれども、職員の心の相談に応じられるような、そういった体制は整っておりますでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 市の機関としましては、教育相談室の、学校長OBでございますけれども、その相談員がおりますし、そういう相談員と対応できる組織にはなっております。
 ただ、県の職員の、特に心の健康状態についての相談体制ですけれども、直通の電話がありまして、教職員の本人、また家族、それらの者からそこに直通に電話をしますと、そこで看護師等が待っていて、必要ならば専門の心療内科とか医師に紹介をしていくと。そこで直接な悩み事等の相談をするという、そういう制度は県にあります。各教職員に、その制度については毎年案内をしておりまして、それを利用していただく。このような取組は県で行っております。以上です。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) そういう相談場所がなければならないのはもちろんですけれども、先生がうまく保護者対応できなくて、心理的なストレスから体調を崩して休職したり、辞めてしまわれたりすることがあります。
 1人でクラス運営ですとか、あるいはクラスの児童・生徒の悩みを抱え込まずに、学年の担任団ですとか、また、学校職員全体で問題を共有して、お互いの相談に乗ってアドバイスし合えるような、そういった職員間の関係づくりですとか、職員室の環境づくりといったものが大切かと思うんですけれども、そういった環境づくりには何か配慮していらっしゃいますでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 今、ご指摘いただきましたことは大切なことでありますので、毎月行われている校園長会、また、教頭会、そういうところでそのような、子どもたちはもちろんのこと、教職員の健康管理、健康を守る環境づくりについては十分配慮して取り組むように、こういう指導をしておるところでございます。以上です。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 先生方が、ただ黙々と教材研究をしていたり、テストの採点ばかりしているような学校はどうかと。生徒の問題も会議の中で取り上げはするけれども、日常の教員同士の会話には上がってこないというような、自分の担任以外の子どもはあずかり知らんというような、そういう環境はいかがなものかと私も思うわけです。
 全職員で児童・生徒の情報を共有しているということは、児童・生徒が担任以外にも、すべての教職員に見守られているという安心感が持てるということにもつながると思います。人間の関係づくりのことですので、目に見える施策の提案がなかなかできないんですけれども、管理職には職員の健康管理、そのための環境づくりにも十分ご留意いただければと思います。
 続きまして、保健安全教育の実施状況について確認したいと思います。
 保健安全計画書を拝見いたしましたところ、身体的な健康に関する問題は保健の学習などでも、あらゆる分野から取り上げられているようなんですけれども、これからは心の健康という面からも対応していかなければいけないように思います。
 発達障がいですとか、アレルギーなどの発達面や身体的な特徴が周囲に理解されていないためにいじめの原因、またそれが不登校につながることもあります。そうなってしまった後の心のケアが必要なことはもちろんなんですけれども、予防という意味では、「いじめはいけないこと」というような道徳的な教育よりも、むしろ発達障がいなり、アトピーなり、それぞれの症状についての知識を周囲にも理解してもらう方が有効に思います。
 心の健康面での保健学習、あるいは保健指導の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) これはもう、ご指摘のように数年前から、そのことについては各学校で取り組むように、県教委からの指導もございますし、「心のノート」と、そういう心の教育専用のノートづくりも県教委が行って、各学校に配布し、道徳と一緒にそのノートを使いながら、心の健康教育については取り組んでおる、このようなところでございます。
 現在、今ご質問にございましたような発達障がいの子どもたちは、通常学級の中で苦しんでおる状況もあるわけでございます。そういう子どもたちに目を向けながら、その子どもたちの心を開くと。心の教育を進めていくという意味でも、特別支援教育支援員や学生による学びのサポーター、こういう制度なんかを今年度から取り組んでおりますし、こういう制度を更に有効に活用していきたい、このように思っております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) いたずらに知識のみを与えるということは、例えば一般論として、障がいの特徴だけを教えると、どんな子どもも1つや2つはそれに似通った症状を持っていますから、かえって誤解を生んで、不要ないじめのもとにもなりかねないので、高度な判断と十分な配慮が必要なのは言うまでもないんですけれども、心身両面からの保健指導で保健環境の拡充に努めていただきたいと思います。
 では、次に、今述べてまいりましたような保健教育、保健管理の実施状況を踏まえまして、学校保健安全計画の策定の在り方について確認させていただきます。
 まず、各幼稚園、小中学校から計画書、計画実施の報告書等は毎年度、担当課、教育総務課ですとか、指導課の方に上がってきて、実施状況は把握しておりますでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 申し訳ございません。完全に把握はできておりません。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) それぞれの学校に任せっぱなしというのであれば、計画に不備があったり、計画どおりに実行できていない場合などがあった場合、まずいと思うんですけれども、そのようなチェック機能が働くような、そういう体制をとるように改善をお願いしたいと思います。
 次に、今回の一般質問に当たりましてご提供いただきました市内の各小中学校、幼稚園の学校保健安全計画書なんですけれども、各学校で計画書に上がっている項目が、実はばらばらですし、フォームも統一していないんです。
 保健教育の方につきましては、行事の関係ですとか、重点目標等、ある程度、それぞれの学校の特徴があってしかるべきだとは思うんですけれども、健康診断ですとか、それに伴う検査などは、時期が学校保健法施行規則でも定められておりますし、検査項目も、どの学校でもほぼ同じ時期に同じことを行っているわけです。
 学校ごとの、各校の計画や実施状況を把握するには、ある程度、統一フォームを用意した方が見やすいですし、先ほど言ったような点検するときにも時間節約にもなるかと思うんですけれども、この様式を統一するような、そういうお考えはございませんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 学校保健安全計画といいますのは、それぞれの学校のやっぱり独自性もあります。学校保健というのは身体検査や健康診断だけではなくて、学校の施設、設備の安全もありますし、防犯とか、そういう安全指導も全部含みます。食育を中心とした給食指導も全部含んでいくわけです、あと、美化とか清掃なんかもそうなんですけど。それぞれを一括して学校保健安全計画に組み入れている学校もないとは言いませんけれども、それぞれが、給食担当は給食担当、保健担当は保健担当、安全指導は安全指導という担当者が校内では校務分掌で決まっておりまして、それぞれの者から出されたものを年度当初に協議をして、年間計画として作成していく、こういうことでございますので、それらを市教委が一括して一つの型として示すのは大変難しいことかな、このように思います。以上でございます。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) ただ、最低この項目とこの項目は絶対入れなさいというようなもの、そういうものは指導できますでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) それは法に決められておることでございますので、必ず入れなければいけない、そういうことはあります。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 次に、この保健安全計画書の中に、毎年度末に計画の反省という項目があるんですけれども、そのときに併せて次年度の計画の策定が行われるという、そういう理解でよろしいでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 学校では、大体3学期に行われるんですけど、年度末にその1年間の評価を行います。その評価に基づいて、その場所で次年度の計画が出される場合もあるんですけれども、大方の学校につきましては、その評価を参考にしながら、改めて新年度の計画が出される、こういうことであろうと、このように理解しております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) この保健安全計画で取り上げる教育項目とか管理項目は、毎年そう大きく変わるものではないと思いますし、実際、内容が3年間全く同じという学校もございまして、一から計画を策定するというよりは計画内容の見直し程度にとどまっている学校もあるかと思うんですけれども、その見直し、あるいは策定の際に、どういう構成員で、どのような場で見直し、あるいは策定作業を行っておられるんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 保健計画を主に立てていくのは保健主事でございますので、保健主事と実務の担当者は養護教諭になります。それに対して指導、助言を行うのが学校医、学校歯科医等3医師会の方でございますので、まず保健主事が養護教諭と前年度までの形を参考にしながら年間計画を立てて、校医さんのご指導を得ると、このような形で原案を作成しております。それが職員会議に出されて共通理解を図っていく。
 今ご指摘されましたように、そう大きく変わるものではございませんので、健康診断等のいわゆる体を保持する、管理するものにつきましては、ほぼ例年のやり方を踏襲しながら行っていっている、そう大きな見直しはしないと、こういうことでございます。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 策定あるいは見直しの場に、学校医さん、学校薬剤師さんは指導、助言程度というふうにお伺いしましたけれども、先ほどの学校保健法施行規則の職務執行の準則には、学校医、学校薬剤師は学校保健安全計画に参与をするということが規定されているわけです。先ほどの執務記録簿を拝見いたしましたところ、いずれの学校、幼稚園とも、年度末の計画、反省、次年度の計画の時期にはお越しいただいていないので、電話か何かで指導を仰いでいるんでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 電話では大変に失礼になりますので、実際に病院までお伺いして、直接ご指導いただいている、こういうケースが多いと思います。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) 学校保健委員会なんですけれども、この委員会は児童・生徒の健康・安全の保持増進を図るために置かれているんですけれども、学校によっても構成員は多少異なってまいりますが、学校長、教頭、保健管理・教育の計画実施を統括する保健主事、それから保健体育主任、あるいは学校給食主任、それから養護教諭、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、そして、PTAの役員等で構成されるケースが多いようです。
 こういう委員会を年に2回から3回設けて、計画の策定なんかもここで検討しているような学校、あるいは、中学校レベルでは、そこに生徒会の保健委員なんかも加わって、学校保健委員会を開催しているような学校、あるいは、静岡県の沼津市なんですけれども、学校保健会と称しまして、職務ごとの部会なども設けながら全市レベルで学校保健を検討する場を設置しているような、そういった先進的な自治体もございます。
 本市の学校保健委員会の委員の構成、設置、開催状況、これも先ほどお答えいただきましたようにまちまちなんです。
 学校保健委員会への学校医さんですとか、薬剤師さんの出席をちょっと調べたんですけれども、幼稚園、中学校に関しては、いずれの学校も0件、小学校では12校ありますうち6校で委員会が年に1回から2回開催されて、先ほど9校とお答えいただいたので、多分この委員会の開催そのものがここに書かれていないんだと思うんですけれども、学校医が出席されていたのはそのうちの5校、歯科医師が出席されていたのは3校、薬剤師も入っておられたのは平成17年度の生駒小学校、早川教育長が学校長でいらっしゃった年ですね、唯一その1回だけです。
 せっかくの学校保健委員会を、保健安全計画の見直しですとか、策定の場として活用することを是非ご検討いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。



◯副議長(樋口清士君) 早川教育長。



◯教育長(早川英雄君) 先日の新聞ですか、学校保健法が大規模に大改正をされるというような記事が載っておりました。その中で、ただ単なる今までのけがの防止、病気の予防、これだけじゃなくて、子どもたちの安全、それと防犯、こういうのが主になると、このような、詳しい中身はまだ読んでいないんですけど、そういうことになってくるような可能性があるんですけれども、そうなると、ますます学校だけでなくて、子どもの、やっぱり安全、防犯、健康管理につきましては家庭や地域の協力がなければ、連携がなければ、これは到底なし得ないと、このように考えております。
 そうしますと、学校が、大変煩雑ではございますけれども、育友会、又はPTA、3医師会と、又は関係諸機関の方々と連携し合うという点では、この学校保健委員会というのは有効な機関であると、このように考えるんですけれども、ただ、これを開催するに当たっては、PTAの受け皿も要りますし、その資料を作る養護教諭の仕事も大変煩雑になります。また、先ほど具体的な事例をお挙げになりましたけれども、校医さんのスケジュールの都合も相当ありまして、なかなか開催に結び付けるのが難しいという実情もあるわけなんです。ただ、その有無にかかわらず、地域と関係する、保護者の理解、連携を図るということは必要でありますので、もしそれが設置できなければ違う形ででも連携を図っていく、こういうことは必要であろうと、このように思っております。



◯副議長(樋口清士君) 塩見牧子君。



◯8番(塩見牧子君) この学校保健委員会というのは、保健環境整備という、共通の目的の下に学校医、薬剤師、教職員、保護者らが集う場なんです。ここに集まって、それぞれの専門的な立場から意見交換をしたり、助言、指導をいただくことで、相互に理解を深めることもできますし、それぞれの立場の方が、自分は学校保健のためにこういうことをすべきなんだという、そういう役割を明確にする、そういった機能もございます。
 初めに述べましたような、今起こっているような、子どもたちを取り巻くような諸問題を抱える、そういった児童・生徒の保健衛生に学校保健委員会というのは大いに寄与することになるかと思いますので、そういう計画の策定だけと言わず、研修の場として活用するなど、全校での積極的な開催、設置をお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。